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私のピアノ 前人未到の特技

特筆に値しない私のピアノ・スキル。ですが、実はひとつ隠しワザがあります。

それは……と説明するには、まずは日本で習っていたクラシック・ピアノのK先生のことから。

私は譜読みが不得意。でも、ほぼ問題はありません。音を聴けばなんとなく弾けるので、ちょっと曖昧な箇所だけを読めばいいからです。あとは楽譜なんて必要なし!

ところが、子どもの頃からのこのズボラなやり方に「待った」をかけたのが、美人のK先生でした。

「楽譜を見ながら」と、毎回注意されました。これはもちろん、正統派の教え。楽譜でなく手元を見て弾けば、空間認識は養われません。なので、早弾きや音が飛ぶ場合にミスタッチをする確率が上がりますから。

目の不自由な方が秀逸な演奏をする理由の一つも、これらしいです。

私は先生の教え通り、楽譜を見て弾くようにしました。いえ、「楽譜の方を見て」というのが本当のところでした。(見たってわからないんですから、仕方ありません)

そんな調子で迎えた、ピアノ発表会。私は「のだめカンタービレ」(マンガ・TV・映画)に登場のシューベルト ソナタ No.16 第一楽章を選んで、練習に励みました。

ある日、家のピアノで「楽譜の方を見ながら」自分の譜めくりで弾いていました。小節線を目で追い、そのカウントのタイミングでページをめくるのです。

それで、曲の最後に差しかかって「あれっ?!」となりました。

いやに休符ばっかり。楽譜の読めない私でも、さすがにこんなに白いページが今弾いている箇所でないことはわかります……。

そうです、どこかで譜めくりの枚数を間違え、全然違うページを「見ながら」弾いていたんです……。

すごいでしょう?! (どんなに高名なピアニストでも、違うページを見ながら弾ける人っていないんじゃないでしょうか)

って、なんの自慢にもなりませんが……w

高圧的な親のおかげで、自分を肯定できない私。ですが、この時ばかりは違いました。こうまでしてK先生の教えに従おうとしている自分を、心から「えらいな」と思ったんです。

以上、K先生が夢にもご存知ない、私の黒歴史でした。(レッスンでは先生が譜めくりをしてくださるので)

日本のクラシック事務所でのジョイント・コンサートでは、いつもはオリジナル曲を弾きます。たった一度だけクラシックを弾いた動画がこちら(東京オペラシティ・リサイタルホール、2014年)

クラシックを聴きつけない人からは「なんであんなの弾いたの?」と、散々な評判。でも、臨月の娘さんと来てくれたママ友もいました。お母様に似て、ピカピカに綺麗な娘さんでした。

胎教のお役にたったでしょうか。今ごろは初孫さん、大きくなってるんだろうなあ……。

◇あとがき〜お知らせ

K先生の発表会の時には、髪型まで”のだめ”にして成りきっていました。このピアノ教室でも、”のだめ”ファンは多かったです(ミーハーの言い訳ですが……)

私にも「千秋先輩」みたいな人がいたら、運命は違っていたかも……。

9月に世界リリースのピアノ・アルバムもよろしくお願いします!

★ソロ・アルバム"Elegy In Violet" (Centaur Records)
アメリカの老舗クラシック・レーベルからリリースですが、ニューエイジ寄りの音。9月20日発売(各種ストリーミング、日本の輸入CDショップ等でも販売)

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