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ヘルシンキグルメ事情~エスニック料理編~

みのです。
火曜日のMINOTONEはFOOD/LIFEについて。

ヘルシンキがメトロポリタンであると感じる瞬間は、バーやレストラン、クラブに行く時。

日本にも外国人はたくさんいる。外国人登録をしている人の国籍を見ても、多い順に中国、韓国、フィリピン、ブラジル、ベトナム、アメリカ、ペルーなど総人口の2%弱が外国人である。でも、ヘルシンキと東京を比べると、メトロポリタン度が全然違う。メトロポリタン度ってなんなんだよって感じだけど。

一方フィンランドでは2013年の統計によれば総人口の5.3%が外国語話者(フィンランド語、スウェーデン語、サーミ語という3つのフィンランドの公用語を母国語としない人たち)。国民が全体的に英語を比較的気軽に話す土壌も、外国からの移民や労働者(わたしも含め)が移住しやすい条件のひとつだろう。それにしても、ヘルシンキで感じるこのメトロポリタン度はどういう時に強く感じるのか?その瞬間は、エスニック料理や街で最もはやっているオシャレなバーに行く時に味わうことができる。

今、ヘルシンキで勢いがいいのがファラフェル屋さん、FAFA'S。オシャレな店構え、ベジタリアンやビーガンも楽しめるメニューの豊富さと、何より土曜の夜4時や5時まで開いているフィンランドではかなり珍しいフレキシビルな営業時間などの理由で若者から愛されている。もうすでにヘルシンキ中に3店舗も!


働いてるのは中東などから来たオシャレな若者で、注文は英語で行う。日本ではあまり考えられない。日本国内で外国人の営む外国料理のお店に行って、全て英語で注文。あまりしたことがない。

これはフィンランドでは結構あちこちで起こる。オシャレなエスニック料理や外国人が営業しているバーでは尚更だ。たとえばメキシカンの超ヒップなレストラン、Shanghai Cowboyもメニューは全て英語で書かれているし、英語で注文。前に行った時にいた、大きな瞳のまぶたに金色の大きいグリッターのメイクをしている男の子はレバノンから来た最高にオシャレな子だった。フィンランド人、一切フィンランド語使う場なし。ここは料理も美味しくてとにかくオシャレなので、デザイン・コンシャスな方はぜひ。

同じくメキシカンのPUEBLOも、カウンターにいる若いお姉さんやお兄さんはフィンランド人の時も多いのでオーダーこそフィンランド語でできるものの、オーナーはがっつり中南米のすごい愉快なオジサンで、主に会話は英語でバンバン話しかけてくる。ふと店内の会話に耳をすますと、お客さんの公用語も英語だったりする。まぁフィンランド人が仕事やプライベートで英語を使うのはごく自然なことなので、さほど珍しいことではないけれど、一瞬ここはどこ?と思ったりもする。

ちょっと高いけど死ぬほど美味しいタコス。2ピース、3ピース、4ピースと数を選べる。

タコスを食べるエミさんとアストリッド。

エミさんはマッシュルーム、アストリッドはエビのタコス。

ここのカクテルやマルガリータも高い(9~10€)けど、本当に美味しいので是非一度お試しあれ(ちなみに結構混んでるので予約するか≪HPからメールで可能≫、めんどくさい人は18時などの早い時間に行くことをオススメします)。


さて中華や寿司屋(あやしい)は多いヘルシンキ、でもラーメン屋はない。麺好きにはベトナムの本物のフォーが食べられるお店、ヘルシンキの中心の中心にあるショッピングセンター、Kamppi前のアジアンフードのスタンド店でアジアなひとときをどうぞ。

アジア料理好きのヨウコ(前に一緒に仕事したことあるシネマトグラファーで、今は友だち)に教えてもらったこの店は、Kammpiの前にある…としか形容できない。北京ダックのセットとか電飾の中に浮かぶ謎のメニューの隣にひっそりと白い紙に手書きで書いてある「Pho Keitto」(Keittoはフィンランド語でスープの意)。これぞ本物のフォー。うまい。


ここで働いている男の子も東南アジア系の子で、フィンランド人のお客さんはフィンランド語が通じないとわかるや英語で注文してました。日本では「日本に住むなら日本語で話せや!」というスパルタ根性が強いような気がするが、こちらでは誰も戸惑わない。もちろんフィンランドでもフィンランド語を話せた方が色々な面で有利ではあるけれど、「フィンランド語なんてしょせんフィンランド(人口540万人)でしか話されないマイナーな言語だし、難しいってみんな言うし、みんな無理して覚えなくていいよ…そりゃ覚えてくれたら嬉しいけどさ…」という意識がフィンランド人からふつふつと感じられて、その謙虚(卑屈?)な心はどうして日本人にはないのだろう?と思う。

とにかくフィンランド人は外国人や外国語が好きなので、外国人がフィンランド語喋れなくてもいい店をオープンしたら並んででも予約してでもこぞって行きます。そして英語のメニューを読んで、英語で注文します。そしてエキゾチックな料理や雰囲気を前にワクワク笑顔。そんな未知なことにオープンで興味深々のフィンランド人を見ていると、とても愛しく思えてくるのです。



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