日本式かメジャー式かなんてどうでもいい

Full Count(通称ホルカウント)にこのような記事が投稿されていた。

よくあるNPBとMLBの投球数に関する議論で、元MLB選手の藪恵壹とスポーツ外科医の古島弘三医師がNPBの投球数管理をやんわり否定すると言う内容だ。

この手の議論はあまり意味がないと常々思っていて、日本人と外国人の骨格はじめとした体格の違い、NPBとMLBのボールの違い、気候の違い、マウンドの違いを(時として)考慮せずに議論しているからだ。

内容にも少し古いところがある。

メジャーでは、先発投手は1試合100球を目安とし、中4日の間隔でマウンドに上がる。それに対して日本では、1試合130球を超えることもあるが、登板間隔は中6日で週1回のペース。球数少なく登板間隔が短い方がいいのか、あるいは球数が多くても登板間隔が長ければ問題ないのか。このテーマを巡る議論は尽きない。

今のMLBは中4日と中5日と半々だ(中にはトレバー・バウアーのように中3日を要求する選手もいる)。しかも、先発投手はよほど打ち込まれでもしない限り、安定して90球以上は投げるのでトータルの球数は多い。一方、NPBで130球を超える球数を投げた投手なんてここ数年では数えるほどしかいないし、80球前後でマウンドを降りる投手が非常に多くなった。これではただでさえローテーション投手を多く抱えなければならないNPBにおいてリリーフ投手の酷使が懸念される。

何が気に入らないって、MLBに行った投手がNPBのことを悪く言うこと。せっかくのMLB経験をマウンティングのためだけに使っているのは勿体ない。千葉ロッテの吉井コーチのように活かしてもらいたいものだ。

他に、気になるのはこちらの部分

「日本で先発投手のキャリアを考えてみると、いい時期が続くのは大体6年と短いんですよね。それはやっぱり練習のしすぎであり、無駄な投球をしすぎているからだと思います。カーショー(ドジャース)、ウェインライト(カージナルス)をはじめ、メジャーの投手はいい時期が10年以上続きます。それは本当に無駄を省いて、試合を一番に考えるから。日本では体が強いと言われる楽天の則本昂大投手でも7年目にあたる昨年、故障してしまいました。やっぱり6年なんですよね」

いい時期というのが曖昧な表現だが、本当にそうなのか?

ここで例に挙げられたカーショーは、肘や肩の故障こそ少ないものの6年フル稼働した後は故障がちだし、ウェインライトは5年ローテーションでフル稼働した翌年にTJ手術を受けている。近年のMLB投手でいい時期が10年以上続いた投手ってマーク・バーリー(元TOR)、CC・サバシア(元NYY)、マックス・シャーザー(WSH)、ジャスティン・バーランダー(HOU)くらいのものだ。バーランダーに関しては、今シーズン遂にTJ手術を受けた。

現在主力として投げている多くのMLB投手も5年−7年に一度はTJを受けているし、MLB昇格後に受けていない投手もマイナー時代に既に執刀済み(例えば、ウォーカー・ビューラー(LAD))ということもザラだ。このような現状を鑑みてMLBの方が投手が長持ちだと言えるのか?ちょっと、MLB(というか外国)に夢を見すぎていると思う。

NPB、MLB問わず贔屓球団の投手が故障してしまうのは不幸なことだ。だからこそ、アマチュアとプロを統合して故障防止に努めていただきたいものだが。。。日本式、メジャー式と分け合っている場合ではない!

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