ヒーローではなかったけど



みそっかす

というロックバンドが名古屋にいました。


こうやって文章を起こす気もないし、140字の世界で満足してるだけのつもりだったんですけどね。

音楽文というサイトをご存知ですか?(http://ongakubun.com)音楽に関わる人って、単にその仕事をしている人だけのことを指すものだと思ってないんですよ、音楽によって何か心が動いた、その名の通りに音楽に関わって生きてきた人たちのことを指してほしいなって思ってしまうんです。
そんな、音楽に関わる人が好きなバンド、曲、それによって何か起こったか、あるいはなかった話を綴れる場所。それが音楽文。powered by rockin'on.com。さすがだよ俺たちのロッキンオン。

話は戻しますがそれに、みそっかすというバンドの事を綴った文章がありました。それを読んで、わたしが見てきたあの人たちの事を残したくなった。ただそれだけのことなんですけど、ぽちぽちと言葉を連ねていく、それだけの力があった文章でした。この場をお借りして、素敵な文章をありがとうございます。

さて、みそっかす。
知っていますか?みそっかす。

日本の4人組(5人にしてくれ)ロックバンド。所属レーベル・及び事務所はNo Big Deal Records。2008年7月より名古屋市内のライブハウスにて活動を開始。(参照:Wikipedia)

私がこの人たちに出会ったのは2012年の話。
当時はまだ関東の一部で自分たちのイベントにバンドを呼ぶ、というのが主流で様々なイベントが混在していたように思えます。そんなイベントをやっていたお兄さんたちに「おもしろいよ、」なんて勧められた…んだっけ?合ってるよね?

大学生みたいな風貌、着物をきてギターやベースをかき鳴らす、ドラムをバキバキに叩いている、一際目立つ高身長のキーボード。何もかもがかっこよく見えた、いやおもしろいが勝ったのかもしれない。とにかく当時の私には全てが新鮮だった。意味が分からないとまで思えた。

そんな5人のお兄さんたちとわたしが出会うのはそれからすぐの話でした。先程出てきたイベント、そうイベント、それにわたしも携わっていたこともあり、あの頃はバンドマンという存在が少しだけ近くにあったような気もします。ひょんなことからこのバンドの主である人が、顔見知りになっていた私に「ねえ、物販スタッフやらない?」って声をかけたその日から、変な日常が始まりました。

物販スタッフ。
バンドにはごく稀に物販スタッフというものが付いていることがあります。わたしはこのバンドの他にもいくつかやっていました。
バンドを好きな人たちのためにバンドのグッズを販売する、それだけのことだけど少しは「楽しかった、だいすき」って気持ちに手助けできていたらいいなぁ、なんて今となってはそれだけ思うけれども。

この日常はつらいことだってあった、寒い日に準備をして笑顔で届ける。帰りが遅いのも当たり前。狭い車にぎゅうぎゅうになって乗って北から南まで夜の高速を走る。全然年上のお兄さんたちに怒ったこともあった。当たり前すぎて今思うけど、まーまー嫌だな!これ!おい!

でもそんな日常も愛おしくなるくらい楽しかったんですよね、音源をリリースする、ツアーをやる、ライブが決まる、レーベルが決まる、メジャーデビュー。


すごい、夢を見せてもらったんだよ。
ただの女の子だった私が全国色々なところへ行って、いろんな友達もできた、地元じゃないのに行くと「おかえり」って帰りを待ってくれるような場所ができた、これを叶えてくれた人たちだった。

あまりに近い存在だったから、ヒーローというものではたしかになかったんですが、兄弟なんていなかった私にお兄ちゃんって思える人たちが5人もできた。もう一回人生やったとしてもこんなことあったのかな。ないよな。

解散なんて言ってはいるけど、わたしはこの人たちが仲は普通だけど、絶対また集まっちゃうような人間だって思っちゃってるんだから、その時はまたニコニコでグッズでも販売させてよね。

それでは、また。お元気で。