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認知症の義母(故人)のケアラー、年中無休のフリーランサー、男子カーサン、Directo…

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認知症の義母(故人)のケアラー、年中無休のフリーランサー、男子カーサン、Director & Gardener

最近の記事

着信拒否してみたが…

私は、ばあばとの関係性が苦しすぎて、携帯を着信拒否にした。 別れ話でこじれたカップルかよって思っちゃうんだけど、 その当時の私には、そんな子どもじみた方法しか思いつかなかった。 本当は、こんなことしたくない・・・ もしもばあばが急病や事故に遭ったらどうするんだ? こんな縁を切るようなことをしていいんだろうか? 家族だからこそ、関係性がこじれてしまうことはあるように思う。 介護殺人のニュースを聞くと、以前は「なんてひどい」って高みから見ていたけれど、今は、そうなってしまうの

    • いじわるのためのいじわる

      今思えば、可愛いもんだと思えるんだけど、当時は急にいじわるになったばあばが怖くてたまらなかった。 こういう書き方をすると誤解を招いてしまうかもしれないんだけど、サバサバした性格だったばあばは、5歳くらいの女の子の黒い部分を抽出して煮詰めたような、ねちっこいキャラになってしまった。 ヨクバリで、エバリンボウで、シッタカブリ、そしてすっごくイジワル・・・いや、これは飽くまで自分が幼い頃、そういう部分があったから思うだけであって、一般論ではないのだけど。 それに大人の知恵と経

      • 何をやっても怒られる、やってもないのに怒られる

        仕事中 頻繁に、ばあばから電話がかかってくるようになった。 「〇ャパネット〇かたに、今日中に電話しないと、タダにならない。早く連絡して!!」 どうやら、とある通販会社のテレビCMで「下取り無料サービスは本日限り!」みたいなことをやっているのを見て、電話すれば自宅の家電を全て、新品に替えてもらえると思い込んでいるようだった。(そんな都合のいい話があるかいな…苦笑) 「これは、新しいものを買う人向けのサービスだからばあばはできないよ」と、私がいくら説明しても、全く納得しない

        • お互いに不幸だった頃

          6年ほど前、ばあばの認知症が出始めて、周辺症状が激しかったころの、メモを読み返してみた。当時の私は、毎日が辛すぎて、殴り書きのようにノートに書き記している。 〈当時のメモ〉+++ ・「殺される!」と怒鳴りながら、家にやってくる。目がおかしい。感情垂れ流し。 ・人(※私)をたたく。激怒して。 ・ひいおばあちゃん(※私の祖母)の財産を、娘たち(※私の母と叔母)が狙っている。お嫁さん(※私の叔父の妻)はそれで追い出された。自分は全てわかっていると主張。作話。 ・「認知症か

        着信拒否してみたが…

          言ってはいけないひと言

          ばあばの認知症が始まったのは、亡くなる6~7年前だったように思う。「あれ、なんか変だなあ」と感じたのは、ばあばの『キャラ変』だった。 もともとばあばは、明るくておしゃべりで、ちょっとおせっかいな楽しいおばあちゃんだった。息子(ばあばにとっては孫)が生まれる前から、私とは仲良しで、夫抜きで、2人でよく夜中までおしゃべりしながら飲み食いしていた。 近所の方にも「あら、娘さんじゃなくて、お嫁さんだったの? 仲いいし、よく似てるから親子だと思ってた」なんて言われて、2人で嬉しい気

          言ってはいけないひと言

          知らない街に、神がいた

          もうずいぶんと前になるのだけど、ばあばを警察に迎えに行ったことがある。認知症が出始めて1~2年の頃、仕事中に電話がかかってきた。 「●●警察署ですが、おばあちゃんを保護しています。すぐに引き取りに来てください。」 ばあばの家から電車で1時間くらいの場所にある、警察署からだった。ばあばのバッグに、私の連絡先が入っていたという。 私はその日、撮影の仕事で、中座することなど考えられない状況だった。夫に「ばあばが警察署に保護されているから、行ってほしい」と連絡すると 「俺は無

          知らない街に、神がいた

          ばあば、あったよ

          ばあば、あったよ

          ぼちぼち、ぽちぽち、再開

          ぼちぼち、ぽちぽち、再開

          突然の旅立ち

          昨日の朝早く、出張先に向かうため、ガラガラの新幹線に乗っていると、知らない携帯番号から電話があった。 ばあばの在宅支援センターの方からだった。 ばあばがどうしたとか言っているけれど、電車の音が大きくてよく聞こえない。 「すみません、もう少し大きな声でお話頂けますか?」とお願いすると 「今朝、ヘルパーがデイサービスのお迎えに行ったら、おばあちゃま、ベッドで冷たくなっていて、今救急車を呼んでいます。」 「えっ?」 胸をドンと突かれたような衝撃に、思わずとんでもなく大きな声

          突然の旅立ち

          手のひらで感じる気持ち

          手のひらで感じる気持ち

          ずっとそばにいる

          ずっとそばにいる

          ホンマかいな⁉️取り敢えず、試してみる

          ホンマかいな⁉️取り敢えず、試してみる

          またまた新技登場

          超久しぶりの更新になってしまった。 大丈夫です、ばあばも私も、他の家族も、コロナ禍の荒波に揉まれつつも、元気に生存しています。 書く余裕が(気持ち的にも、時間的にも)なかっただけです。 さて、ばあばは、週2回のデイサービスに通っているんだけど、ばあば自身は、デイサービスのことを「プール」と呼んでいる。(お風呂がプールっぽいのかな?) そして、ヘルパーさんや介護士さん達のことは「お姉さん達」と呼び、どうやら支援センターで愛されているらしい。 ケアマネさんから「おばあちゃ

          またまた新技登場

          薬の話2

          もう治ったのだけど、数ヶ月前、ばあばはお尻に褥瘡ができてしまった。 「実は、ずっとお尻が痛いのよ」 そう言って、見せてくれた時には、 直径2センチくらいの褥瘡が、 尾てい骨のあたりに出来ていた。 「ヒ〜ッ、これは痛かったでしょう」 慌ててその日のうちに、皮膚科を受診して、塗り薬(リフラップ)を処方してもらった。 「これをつけるのね、私、痛いから、ずっと家にあるの塗ってたのよ」 そう言いながら、ばあばが見せてくれたのは【ボルタレン】だった… 「ヒ〜〜ッッ、ばあば、これ、

          薬の話2

          ちょっと、いやかなり困った薬の話

          ばあばは薬が好きだ。 昔、「お薬屋さん」で仕事をしていたこともあるのだけど(薬剤師や登録販売者ではない) 「薬を飲めばよくなる」という思い込みが根っこにあるように思う。 数年前、肺の病気で病院にかかって以来、定期的に検査を受けているのだけど 医師から「何か具合の悪いところはありますか?」と聞かれて 「夜眠れなくて困っている」と答えたばあば、睡眠導入剤を処方してもらったようだ。 正確に言うと、「眠れない」のではなく、「昼にうたた寝しているから、夜ベッドに入っても目が

          ちょっと、いやかなり困った薬の話

          寒さに当たって花が咲く

          お正月は、父の実家のある相模川沿いを散策した。 ゆっくり歩くなんて、本当に久しぶりだった。 毎日、死にものぐるいにならざるを得ないくらい、介護も仕事も、家庭のこともやることが山積。 人に頼めることは最大限お願いしているし、手を抜けるところはもう十分抜いているつもりなので、これ以上、引き算もできない状況。 気持ちもパッツンパッツンで、心身ともに余裕がなくなってることは、自分でもよく分かっている。 桜の冬木立を見上げると、小さな花芽が、もうはっきりと目に見える。

          寒さに当たって花が咲く