2021年読んでよかった本
読んだ内容ってだいたいすぐ忘れてしまうけど、繰り返し読んで面白いものや新たな発見があるものもあれば、どこか飽きてしまったりするのものもある。
同じようなことを言いたいはずなのに、違う本の言い回しに触れることで、新鮮な感じがしたりして、不思議だな~ってよく思う。
あと、卒論を書いていて気づいたけど、一冊の本から得られる情報量って意外と少ない。読んで理解したつもりになっていても、それを人に説明したり、文章にまとめようと思っても、なかなかうまくいかないことが多い。
だから、繰り返し読んで理解を深めようとしたり、同じジャンルの違う本を読むことには意味があるんだろうね~
今年は就活を終えてから時間に暇していたので、かなり本に触れる機会があった。卒論の文献調査だったから合わせると70~80冊くらいは読んだと思う。
その中で、研究も含めて面白いと思った本を紹介したいと思う。
1.『彼女が好きなのはホモであって僕ではない』浅原ナオト
人ってけっこう相手のことを分かったつもりになっていたりする。だけど、自分のことですらわからないことがたくさんあるのに、他者のことを正確に知ることなんてできやしない。
記号や肩書といったわかりやすいもので僕らは他人をは判断しがちだ。でも、そうしたものはその人のほんの一部分にしか過ぎなくて、人格までも表すものではない。
主人公は男子高校生の同性愛者で、でもそれはマイノリティであることを彼自身もわかっている。男性にしか欲情できない一方で、普通の人たちが結婚して、子どもを持って、家族を作るように、彼にもそうした願望があった。
そういった葛藤と向き合い、時には周りの人たちを巻き込みながら、自分の生き方を探していく。
誰かとすれ違ったり、受け入れてもらえなかったり、壊れそうな関係を必死に守ろうとしたりすることは、誰しもあるはず。
主人公がそれらを患いながらも、理想に向かって奮闘する物語。
2.『鹿の王』上橋菜穂子
2015年に本屋大賞を受賞した作品。
上橋菜穂子氏の作品はどれも物語が壮大で、そして深い。この作品は主人公を取り巻く環境や生態系に、それらの営みに反するような移民政策といった政治的な問題がぶつかり、さらに医療と宗教の不和といった、様々な要素が複雑に絡み合っている。
ミッツァルという感染症が広がっていく中で、為政者の間で繰り広げられる思惑に対し、強かに生きていく人たちの物語だ。
3.『なぜ外国人は前髪を作らないのか』サンドラ・ヘフェリン
自分たちが常識だと思っていることは、海外の視点から見ると変なものに見えたりする。
人々の身だしなみから、働き方、恋愛、結婚観など様々な部分を、ドイツ人とのハーフである著者が面白おかしく指摘してくれる。
詳しくはこっちの記事を読んでみてほしい
4.『困難な結婚』内田樹
結婚するのが難しい時代。そして、結婚しても別れてしまう時代。
現代は昔に比べて、カップル、夫婦の関係が簡単に終わってしまうように思える。でも、それは昔が決して良かったからではなくて、どこか依存せざるを得ない部分が互いにあったから成り立ってきた節がある。
パートナーとともに生活していれば、自分とうまく嚙み合わないところが必ずあるはず。
そうした中で、どうやってうまく関係を続けていくか、これはカップル・夫婦に限らず、人間関係全般に言える、人との距離を上手く取っていく心構えが、著者の視点で書かれている。
5.『映像研には手を出すな!』大童澄瞳
アニメ好きは必見!!アニメの凄みや奥深さがこの作品を通してわかる。
僕が中学生くらいの頃は、アニメに対してかなり強い偏見があったけど、今では幅広い年齢層に支持されている。時代も変わったものだね~
女子高生3人がアニメを手がげていく物語。アニメがどのようにして作られるのか、設定やキャラづくり、話の構成、音響、BGM、そういったものの裏側を知ることができる。すべてのロマンがここに詰まっている。
アニメ化もされていて、アマゾンプライムで見ることができるので、ぜひ見てほしい。
今年は卒論のために読んだ本が多かったので、本屋とかでは手に入りにくい本を読むことが多かった。今回記載したものはどれも手に入りやすいものにしている。
正月休みを暇している人は、ぜひ手に取ってみてほしい。
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