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Googleに依存しすぎていませんか?【ムダの中にこそ眠るタカラ】

検索エンジンの発達

一昔前は、知識を得るためには本を買ったり、詳しい人から話を聞く必要があった。本を買うにはお金がかかるし、借りるにしても図書館まで行かなければならない。誰かから話を聞くにしても、聞いたことをメモして忘れないようにしなければならない。

しかし近年はインターネットが発達してきて、必要な情報のほとんどはググれば分かるようになった。必要な情報を必要な時に10秒で手に入れることができる。非常に便利な世界になった。

ググれば分かるから覚えなくていい?

必要な情報を必要な時に簡単に取り出すことができる検索エンジンは人間の第二の脳のようなものである。世界中の人々が共通の1つの脳に知識を詰め込んでいく。その脳の容量は無限大であるのに対して、人間の脳の容量は限られている。書き込むのにはすごく時間がかかるし、一度書き込んだ内容なのにいつの間にか消え去ってしまっていることだってよくある。

そんな優秀な検索エンジンを使わない手はない。容量が限られていて書き込みにも時間がかかる自分の脳の代わりに検索エンジンを使えばいい。つまりググれば分かることは覚えなくてもいいのではないか?こう考えるのが自然だし、多くの人がそう思っているだろう。

新たな発見は記憶の中でしか生まれない

そんな便利な検索エンジンであるが、人間の脳にはあって検索エンジンにはない機能がある。それは「考える」という機能である。AIが発達してきて人間の考えるという行為に近いことができるようになってきてはいるが、あれはあくまでも膨大な学習したデータを使って「考えている」ように見せかけているだけである。0→1を作り出すことはできない。

AIが発達していく中で生き残るためには、人間にしかできない「考える」という行為がこれまで以上に重要になってくる。この考えるという行為に必要なのが情報である。

先ほど、ググれば分かる情報は覚えなくてもいいのではないか?と問いかけたが、それに対する私の答えはNoである。脳の中に情報がなければ考えることはできないのである。

その一例としてIoT(モノのインターネット)がある。例えば、洗濯機に動作センサーを搭載することで振動を感知し、故障などでおかしな挙動をしたときに異常時の対応をすることができる。この例を1つとっても、「振動を感知できるセンサー」と「洗濯機」の2つの情報が脳に入っていないと実現できなかっただろう。

洗濯機の情報はググれば分かるが、洗濯機そのものを知らなかったら、ググるという行為にすら至らないのである。洗濯機のようにだれでも知っているモノであればまだいい。しかし、革新的なアイデアを生み出すにはこれまで誰も思いつかなかったことを考える必要があり、マイナーなところに隠れていることが多い。

このように、モノとモノのつながりに気付くためには、それらの情報を同じ場所で保管しておく必要がある。なので、検索エンジンが発達した現在でも知識を蓄える行為は非常に重要であり、みんながやりたがらないのでその価値は高まっていく。

ムダの中にこそタカラが眠る

効率よく成長していくためにはこれだけやれば大丈夫。あれはムダだからやらなくていい。もちろんこういった考えもありだと思うし、僕自身もこう考えてしまうことが多い。

しかし、みんながみんな同じことをやっていては同じ能力を持った人間が出来上がるだけであるし、これをやれば大丈夫とアドバイスしてくれた人を一生超えることはできない。

世の中にはまだ誰も知らない必要なことだってある。それを見つけるためにはムダだと思えることを積み重ねていくしかない。ムダの中にこそタカラが眠っている。

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