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「融資は傘なんだ」と知っておくべき

小さな庭

自分のいる所
それを明らかに知ることが、次へ踏みだす何より先の要意でなければならぬ

吉川英治著 『三国志』

【 要 】とは、物事のしめくくりとなる大切な部分。かなめ。

【 意 】とは、物事に込められている内容。わけ。


自分のいる所を知るためには、何が必要なのだろうか。

まずは、自分と他人の違いに目を向けてみれば、自分が脳の中で描いているものと、相手が描いているものは違うことがわかる。

差異を埋めていくために同じだけ歩み寄ることができればいいが…「私も10歩寄ったから、あなたも10歩寄ってきてね」とはいかないのが、人間だ。それは損得勘定が働き、日常的に脳内で無意識に(自動的に)振り分けをしているからだ。それと同じように、自分もAIのデータに振り分けされている。

AIを操作するのは人間である。操作する人の脳がAIを使うことで、より管理しやすくする。形として見えているのは氷山の一角だ。人間の記憶は、脳の中で上書きされ書き換わっていく仕組みになっているために嫌な記憶は忘れることができるが、AIに蓄積されたデータはしっかり残っているので、呼び出せば出来ることなのだ。これは私達が検索すれば出てくるニュースとなる。

マスコミでは見える部分を記事にして、多くの人の本音をうまく引き出し、またAIに蓄積していくことで、さらに細かいデータ分析がされて管理されていく仕組みで、人間社会の複雑さをまた記事にしている。

コロナ感染拡大によって実施された様々な支援や給付金の使い道がデータ化されたことが、今、政策に反映されているんだ、と気づいた。世の中に流される情報を鵜呑みにしてしまって、なるようになるさと考えることをやめてしまうと、こういうことに気づくことができない。

たとえば…昭和のバブル経済の恩恵を受けた世代を描いた『オレたちバブル入行組』(著 池井戸潤)がドラマ化され、主人公半沢直樹が有名になった。
この本に書かれているが、銀行の「融資の鉄則」は

晴天に傘を差し出し、雨天に傘を取り上げる

と、ある。

全世帯にコロナ支援金を配り、その使い道を調べることで、支援の見直しが行われたのではないだろうか。コロナ支援金を使って生活を建て直しができた人や使わずに預金した人には、もう支援は不要とAIに判断される。

その家庭の使い道によっては、子供の教育費等の支援に家庭収入によって上限を設けることに繋がったのも、AIに判断されたからではないだろうか。

皮肉なものである。家庭、家族の生活をSNSにあげて「いいね」をもらって承認欲求を満たし、幸せな気分を味わうことが、かえって自分達の首を絞め苦しむことにもなる。ただ、それが表に出てこないからわからないだけで、人の振り見て我が振り直せ、ということだろう。

振り分けをするのはAI、シビアな判断は人間がAIのデータを使ってしている。目の前の生活にしか目を向けることができなくて、「今の政治は」というところに不満をぶつけても…「あなたのデータにありますけど?なにか?」という返答の時代が来ると思っていた方がいいかもしれない。

どんな人物でも、大きな組織のうえに君臨していわゆる王者の心理となると、立志時代の克己や反省も薄らいでくるものとみえる。人間通有の凡小な感情は、抑えてのないまま、かえって普通以上、露骨に出てくる。

『三国志』 著吉川英治

この人間通有の凡小な感情の抑えてが自分の周りにいるのかいないのか、これが「自分のいる所を明らかに知る」ことになるのではないだろうか。

そのことを年金で生活している後期高齢者の方々がテレビのインタビューに答えて、教えてくれている。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。