一緒に乗り越えていく
先月、クルーさんが休みの日。
“お話があるので、お店寄ります。”とLINEがあった。シフトをまだ決めてなかったし、シフト調整の相談かな。と軽く考えていた。
その予想は半分当たっていて、半分間違っていた。
『ずっと体調に異変があって、検査行くって話してたでしょ?ガンだということがわかりまして…。』
えっ!
驚きとともにたくさん聞きたいことが出てくる。
ステージは?手術はするの?
シフト調整どころかもう辞めちゃうとか?
私は頭の中でのことを1度クリアにした。
店長がこんなんじゃダメだ。大変なのは彼女なのだから。私はクルーさんが次話すのを待つことにした。
『来月手術することになりました。ステージは1ですので、悪い箇所を取り除いて、それを詳しく調べて…。』
ガンにもいろいろなタイプがあって、そのタイプで今後の治療法が変わってくるとのこと。
顔は平静を装っていたが、私の心の中ではザワザワしっぱなしだった。
これからどうなっちゃうのだろう…。
『で、シフトなんですけど、(入院日の)3日前ぐらいまで入れます!もう1つのお仕事は全部断ります!』
クルーさんは、私のお店で働くようになる前から別のお仕事もしていて、掛け持ちしている。そちらは家から遠いときもあって、体力が要るお仕事と聞いていたので、大変そうだから…。
あれ?
「こっちのお仕事は減らさないんですか?」
思わず聞いていた。
『はい。こっちのお仕事は家から近いですし、家にいても何もできないですし。』
家にじっといると変なことを考えちゃうのかも。と私は推察した。
「よし!気分転換みたいな気持ちでお店来てくださいね!2日連続とかは極力避けてシフトを組みましょう。急に病院の予定入ったってなったらLINEくださいね。その時は私、バックヤードで気合い入れてから仕事しますので!」
そう言いながらシフトを作成した。
今月に入ってから、クルーさんは病院での話もするようになった。全身麻酔をするために、歯科検診に行ったこととか、旦那さんにがん保険今から入っておいた方が良いと伝えたこととか。
来週、クルーさんは入院・手術がある。
もうそんな日が迫っていることに、私はやっぱりザワザワする。
でも以前と変わらず、マイペース店長に付いてきてくれる彼女に、自然と“一緒に乗り越えていく”ことを心に誓うことができた。
無事クルーさんの手術が成功しますように。
そして健康な日々が続きますように。