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これは処分しないで

休みの日には母娘で絶賛断捨離中。
どんどんキレイになっていくお家にるんるんである。

昔の思い出エリアに手を伸ばした母。
母は昔の私や妹の学校のプリントなどを見つけては、「アホやなぁ〜」と感想を言って、
ゴミ袋へポイっ!

おもちゃの類をリサイクルショップへ持っていこうと話をしていた。

ハム太郎のスタンプメーカーが出てきた。
必死に遊んでたなぁ…

私はおもちゃの入っている袋から1つ取り出した。
これは売らんといて。私これで遊ぶから
どんなおもちゃだったかというと……

何だこれは!?
これは母の実家にあったもの。
いつの間に自宅にやってきたのか……

このおもちゃは、パズルゲーム。
赤・オレンジ・黄色・緑・青とボールが4つずつ、
黒だけ3つある。
上下に動かしたりくるくる回転させたりして
1列に同じ色を揃えればクリア。(4つ+黒もOK)
ルール自体はシンプルである。

シンプルなんだけど、難しい!!

これを買ってきたのは母の兄。
(ミンチョンのおじさんだね)
大学からの帰省で新幹線のお供にドラえもんや
あだち充の漫画を買って読んでいたらしい。
読み終わったら母にあげていた。
おかげで母はドラえもんにめちゃくちゃ詳しい。

しかし、その日は漫画がなく、
このおもちゃを新幹線のお供に持って帰ってきたそうだ。
おじさんはめちゃくちゃ賢い人で、
ルービックキューブはさっさと解読しちゃったり、
いろんな柄に変えて遊んだりしていたらしい。
そんな人が楽しんで遊んでいたおもちゃだ。

私はルービックキューブは1面しか揃えられないし、
母の実家にこのおもちゃがあった時は
1色も揃えられなかった。
私の人生で全色をおじさん以外で揃えられる人が
現れるといいなと思い、
このおもちゃをもらうことにした。

理由はそれだけではない。
このおもちゃを見るとふと母の実家が思い浮かぶ。何か懐かしい感じがしたというのも理由の1つだ。

母の実家は自宅から車で5分の所にある。
今の家に引っ越すまで2年ほど住んでいたこともあった。
しかし母の両親は亡くなってしまって、
今は誰も住んでいない。

そこにあったおもちゃを処分すると、これを通しての思い出も処分する感じがして嫌だった。
思い出は心にずっと残るというけど、
これを処分することで昔の私が苦戦した思い出や、
さらに昔の母から聞いた思い出を忘れてしまう感じがした。

そしてこのおもちゃを通して、
未来も見えた気がした。
孫が遊びに来て、「これ何?」と聞く。
私が「こうやって遊ぶんだよ。」と答える。
「難しいね。」
「おばあちゃんもなかなかできないのよ。」
「Switchもいいけど、これもいいね。」
こんな会話が出てきたりして。
私が死んじゃっても、
「おばあちゃん、これに夢中だったね。」なんて
言われたりして。

こういった出来事が思い出を作っていくのかな。
人の繋がりというのを作るのかな。
断捨離中でも本当に大切なものは処分しちゃいけないなと感じた瞬間だった。

P.S.さすがにホコリまみれはよくないと
ウェットティッシュでふきふきしていたら、
え!


BY Nintendo

こちら、ニンテンドーが出しているおもちゃでした。素晴らしい仕事をするよ、ニンテンドーさん!

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