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デルトラクエスト(沈黙の森)を読んで気づいたこと、考えたこと

気づいたこと

  1. 意外と面白い
    デルトラクエストの第一巻(以下沈黙の森)は、実は本編の話が始まるのは、本の7割目くらいから。だからこそ、次回も読みたくなりました。7割目までは、デルトラの王国が一体どんな歴史で、何があって、主人公が冒険に出たのかが知ることができます。しかも、主人公に関わる家族と仲間、次回につながる仕掛けがまんべんなくあり、次回も読みたくなる仕掛けがあって、面白いです。単なるファンタジーのお話だと思っていました。しかし、王国・街・悪の組織のそれぞれの社会性が見えて、つい物語に引き込まれてしまうのも、魅力の1つかもしれません。

  2. 若さと真っ直ぐな姿
    沈黙の森では、前半の主人公と、後半の主人公が出てきます。2人に共通しているのは、真っ直ぐな姿勢です。例えば、国が平和だから、同じ毎日で発展がなく、なんとなく今の時間に不満がある。じわりじわりと社会が悪くなる不安。冷静な大人へのイラ立ち。生きるために、道徳を破るむず痒さ。成長するとつい軽く流してしまう問題を、主人公は真剣に受け止めています。悩まなくていいことを深く考える大切さを、思い出させてくれました。
    道徳を破るむず痒さの例えとは少し離れるかもしれませんが、例えば、自分がしている仕事が好きだとします。しかし、同じく働いている人は嫌い。でも、仕事をするにはそこにいなければいけない。しょうがない、でもしょうがないでいいのか?と純粋に疑問を考えることの大切さを、改めて思い出させてくれました。

  3. 悪者側の正義
    話の中では、3人の悪者に主人公は襲われます。王様の側近、怪物、剣士。どれも襲った事実には変わりませんでした。しかし、それぞれが自分の正義のために、行動していました。王様からの信用を得るために、悪の部分を隠して仕事を確実にこなした。お腹が空いていたから、主人公を食べようとした。死にたくないから、永遠の命を得ようとした(どれも本を読めばどういうことか分かります)。それぞれの正義によって行っていたけど、結果的に悲しませる対象が多かったので、悪者としていなくなるべき対象になったと思いました
    初期と後期の尊王攘夷運動みたいですね。共存ってできないんですかね。どうして食うか食われるかみたいな、侵略に進んでしまうのでしょうか。


考えたこと

  1. 次も読みたい
    ネタバレになりますが、物語の最後で、主人公の仲間が2人に増えます。主人公含めた3人が、今後どんな冒険をしていくのかが、とても楽しみになりました。また、ただ悪を倒していくだけでなく、物語の歴史と人間性が出ていて、読み進めるたびに「どうなっていくんだろう?」というワクワク感があります。
    僕がデルトラクエストを図書館で借りた小学生時代、なぜ読み込まなかったのか考えてみました。多分、当時はデュエルマスターの影響が強く、キラキラしている強そうなキャラクターが書いている=強い=持っているだけで自分も強くなった気がする。そんな、持つことにだけしか価値を感じられなかったからなのかもしれません。また、なぜ読み込まなかったのか考えると、単純に理解できなかったことも、1つの理由です。例えば、カタカナ名前の人の見た目を想像できなかった。登場人物のような人に出会っていないから、野心がある人とか、優しい顔をした悪い人とか、想像できなかった。流石に20年以上生きていると、様々な状況と色々な人と出会いました。なので、話の状況と人を想像出来るようになりました。想像しながら楽しめるようになったのも、1つの成長ですね。

  2. 真っ直ぐな疑問を持ち続けたい
    若いと出来ることが少ないじゃないですか。でも、少ないからこそした方が良いことに目を向けられると思うんです。力がない、出来ないないなりの発想を、僕も大事にしたいです。
    また、主人公と同じように、どうにかできそうなことをどうにもせず、投げやりにしてしまうのは、まるで自分の人生も投げやりにしてしまうような、これじゃいけないんじゃないか!?という気持ちはよく分かります。起きたことはしょうがないと思っても、未来起こりそうなことに「自分はどのように向き合うか」は、準備できると考えています。自分の人生が、自分に何を語っているのか、真っすぐな疑問を持ち続けたいです。

  3. 相手は自分を正しく見ているわけではない
    物語では、正義と悪の関係がはっきりしています。しかし、事実としては、悪者側から見た正義も、悪です。だからこそ、事実は事実として受け止めて、事実の背景を考えられるようになりたいと考えました。
    僕は、自分から見た相手は、なるべくして相手になったと考えています。例えば、単に優しい人でも、優しい人に囲まれて育った人がいれば、周りに気配りをしなければいけない状況に育ち、結果的に優しい人になったこともありえます。僕も、僕になる理由があって、僕になりました。
    また、人は関わる人によって、相手への振る舞い方を変えます。家族と友達と上司に見せる自分って、全部違いますよね。だから、見えている一面は、あくまで一面にしか過ぎないんです。
    じゃあ結局、事実は事実として受け止めて、事実の背景を考えられるようになるにはどうすればいいのか。僕なりの結論としては、考えに余裕を持つということです。例えば、事前に準備をしすぎると、逆に考えが固まり、1つの側面でしか物事を見れないことあると思います。事実と、自分の考えの他に、新たな情報を入れる気持ちや考えの余裕があることが、事実に至る理由を考えられる余裕を持つことが出来るんじゃないかと考えました。


最後に

初めて手にしたのが小学生の時だったので、正直内容が簡単でつまらないと思っていました。しかし、簡単だからこそ分かりやすくて、物語に引き込まれる。また、大人になった今読むことで、自分の過去の経験と結びつけることが出来るので、より物語を楽しめる。読んでいて先が気になる本に感じました。早く次の話が読みたいです。

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