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受験は自分自身を知るチャンス

受験勉強とか試験勉強しているときって
ある意味自分探しみたいなところがあって
実は自分自身に気づくことって多いんです

たとえばみなさんこんな経験ないでしょうか

音楽やラジオを流しながら勉強しているほうが
集中できたり

「そんなことあるわけない」と親には言われるんだけど

そしてそうやって集中して勉強していると
次は本を読みたくなったり
机を片付けたくなったり

そんな時間ないのに
なんでだろう?って思ったものです

だから「自分にはこんな面があるのか」と
普段は気づかないことに気づけたりするんです

人間にはいろんな側面があるんだなということを知って
それも楽しんでもらえたらと思うんです

私は自分の大学入試のとき思い出深いエピソードがあります

私は声楽科を受験したのですが
歌の実技だけでなく
一般教養の試験もあったんですね

そのときに試験が終わって一緒に帰っていた子が
「あの問題は●●だったよね」
「あれはこうだったよね」と
終わった試験の話しばかりするんです

今から思えば彼女自身が不安だったんでしょうね

「そうだったっけ?私まちがえてるかも」と
私もどんどん不安になってしまって
その子と別れたあとに公衆電話に駆け込んで
母に「お母さんごめん!一浪させて」って言ったんです

もう完全にダメだ!という気持ちになってしまって
咄嗟の行動だったのですが母は
「あなたそれは発表が終わってからでいいんじゃない」と

同じように歌の先生にも電話しました

「先生すみません、一般教養で落としてるかも
歌もダメだったし…」

すると先生は
「あなた歌は大丈夫だったよ」と言ってくれるんだけど
それも耳に入ってこないくらいパニックでした

でも私はそのときパニックになりながらも
後悔という気持ちはなくて
もし落ちていたとしたら
絶対もう1年頑張る!って思ってたんですよ

だからそれだけ自分が強く突き進みたいと思っていたということ
なんの迷いもなくね

だから後から考えると
高校3年生の1年間って私の人生のなかでも
一番頑張ったと思えるときなんです
心の底から音楽の道に進みたいと思っていた

そんなふうに思えたことが
すごく幸せだと思ったんです

それってやらされることでは絶対に到達できないですよね

結果は合格でした

だからお父さんお母さんは
子ども自身の意思を一番に尊重してあげてほしいです

小さいと自分の意思を言葉にできない子も
いるかもしれないけど
どんな小さな子にも意思はありますから

とはいえあまり状況を理解できないまま
受かったり落ちちゃったりという子もいるかもれないけど
でも根気よく時間をかけて
その子の意思を育んでほしいと思います

試験の結果如何に親がこだわりすぎないという
姿勢も必要でしょう

そうすれば受験もまた楽しめるかもしれません

最近のお母さんたちってとっても賢明で
一昔前ほど「エリートが良い」という発想では
なくなってきていますよね

お父さんたちも家庭や自分よりも
仕事を優先するという意識は
少しずつ変わってきています

自分が何をすれば幸せなのか
どうすれば楽しいのか
そんな意識が育ってきているように思います

でもやっぱり親子という関係になると
上=親から降りてくる価値観を子どもは丸呑みしがちになります

だからこそしゃがんで目線を合わせて
誘導尋問にならないように
心を開いて対話していただきたいと思います

受験を通じて
本当に目指したいものや克服したいことを
見つけていくことは
人生のなかでとても大切なことです
そんなふうにお父さんお母さんは
子どもの本当の姿を知るチャンスです

そしてもちろん受験は
お父さんお母さん自身が
自分たちを知るチャンスでもあります

これって良い発見でしかないんですよね

2022.5.30
下向峰子


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