見出し画像

自宅学習する子どものために親ができることって?

コロナ禍によって教育現場には多くの混乱がもたらされました
一斉休校などにより
自宅での学習を余儀なくされたご家庭も多いと思います

ただ今回のコロナ禍においての自宅学習は
ちょっと特殊なケースだとは思います
オンライン学習の環境もきちんと整っていない中で
たくさんのプリントを持ち帰って学習するという方針を
打ち出した学校も多くありました

そこで親御さんは
これって子どもにではなく
自分たちへの宿題なのか!?と
思われた方も多いかもしれませんね

まるで長い夏休みのようで
個々で学習計画を立てなければいけなかったり

そんな子どもたちをサポートする親御さんたち
ほんとうに真面目で一生懸命だと思います

でもね、誤解を恐れずに言うと
ほっといたらいいと思います

なんとか自分の子にはきちんと宿題をさせなければと
お父さんお母さんは我がことのように取り組んでいらっしゃる

もちろん、たくさん出された宿題に対して
どうしていいかわからないお子さんや
自分で計画を立てたりできないお子さんには
サポートが必要なときもあります

でも、子どもたちに対して
過度な「転ばぬ先の杖」はいらないかなって思うんですよ

宿題もしなかったらしなかったで
どんなことが起こるかっていう体験をすることが大事だと思うんです

親が子どものことを考えて
「自分がいなくなったらこの子はやっていけるだろうか」と
思うのは世の常ですよね

でも、勉強まで親が代わりにやってしまうのはどうかと思うんです

勉強ができなくても、
どうやったらできるようになるかを考えるとか
恥をかいたりとか後悔したりとか
そういった経験も踏まえて子ども自身が成長していくことを
大事にしていただきたいんです

そのために親は黙って見守るという
そういうある種の「我慢」が
親の方に足りなくなってきてるのかなと思うんです

そして今回のように非常事態で
学校から思いがけずたくさん課題が出るとか
その宿題をしていないとか
そういったことが起きて
子どもが「思ってたのと全然違った!」とか
「先生ずるい、こんなのできるわけないじゃん!」なんて言うとします

そしたら、親御さんには彼ら・彼女らが思うことについて
ぜひ会話していただきたいですね

それはつまり
責めるのでもなく助長するのでもなく
状況を紐解いて一緒に考えてみるということです

「そう思うのはどうして?」とか
「これってみんなやってるのかな?」と問うてみる

また「今どんなこと学んでるの?見せて」とか
「へー、こんなことやってるのね、お母さんもう忘れちゃったわ」とか
「パパはこれわかる?」とか
ちょっと違う角度から問いかけてみる
やはりここでも大事なのは「対話」なんですよ

そうやって対話を始めると
意外と子どもって自然と自分で勉強し始めたりするもんなんですよね

だからまずは子ども自身がどう思っているのか
自身の置かれた状況を本人がどうとらえているのか
それを親は理解することが大切なんです
そのためには少なくとも
しばらくは黙って見ているということが
必要になってきますよね

去年からいろんなイベントがオンラインになって
子どもたちも自宅からイベントに参加することが増えました

弊社で開催している読書感想文コンクールがあるのですが
その授賞式を昨年はオンラインで実施したんです
Zoomごしにもわかるほど子どもたちはとっても緊張していたんですけど
私、見つけてしまったのは
緊張して口ごもる子の後ろで
親御さんがいろいろ言ってるんです
我が子の晴れ舞台ですからいいところ見せたいですよね
そのお気持ちとってもわかるんですけど
子どもたちはもっと口ごもってしまうんです
頑張って自分の考えを話そうとするんだけど
親の言うことも無視できないから

でも、口ごもっても沈黙しても間があってもいいじゃないですか
おおらかな気持ちで待ってあげれば
子どもは必ず自分の言葉で話し出しますから

だから親に必要なのは「待つ」ということ
最初に一瞬待つのと待たないのとで大きく違うんですよ

自宅学習のデメリットというのは
こんなふうに「親の目が届きすぎる」ということにあると思うんです
子どもの宿題を親が親に出された宿題のように思って
必死にならないほうがいいですよね
でも目が届いてしまう
だから、親は黙って子ども自身の知恵を待つ「我慢」をしましょう

待つこと
距離を保つこと

これが、自宅学習において
親にもっとも求められることだと思うんです

2021.7.9
下向峰子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?