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自立を妨げる介護

65歳以上の高齢者が36%を超える洛西(らくさい)住んでいると、昼間はどこ向いても高齢者。
なので、町でも介護職員が高齢者と散歩したりする姿は見かける。

一方、認知症グループホームは9名に多い時は3人の介護職員が同じ時間帯に施設にいるので、高齢化率75%。
と言いたいけど、働いている人に65歳以上の人がいるから、たまに83%。

そんな施設では町では見かけることのない光景を見る。

手をつなぐ

自分で歩ける。
ちょっと思い出せない時もあるけど、自分の部屋もトイレの場所もわかる。

なのに、認知症グループホームの介護職員はすぐに手をつなぐ。
手をつないで廊下を歩く。
トイレに行く時も、部屋に戻る時も。
たまに男性の高齢者が女性の介護職員の手をナデナデしてる。

町で介護職員の手をデートつなぎして歩いてたり、その手をナデナデしてる高齢者、見たことないでぇ。
その人、一人で歩けるねんで。
場所も分かってるし、言葉も通じるねんで。

一緒に行くから「連れてってくれる」と思ってできなくなってきてる。
で、たまに分からないふりする時ある。
相手の方が上手(うわて)なの、気づいてへんやろうなぁ。

立ったらすぐ傍に行く

椅子から立つ、ソファから立ち上がると、すぐ傍に行く。
話す言葉は「トイレ?」「部屋戻るの?」と。
違うっぽい時は、椅子やソファに座ってもらおうとする。

どこに行こうと別にえぇやん。
廊下歩こうが、ベランダ行こうが、その人の自由ちゃうん?

普通にしてたって加齢と共に立つ力も歩く力も衰えてくるのに。

危ないから

「あの人、ベランダ行ったでぇ。」
「そう、教えてくれてありがとう。
でも、えぇで。
別に飛び降りたりせーへんやろ。」

認知症グループホームにいると、入居している人はよく周囲のことをよく見ている。
中には会話のできる人がある。
そういう人が、他の人の行動を介護職員に伝えてくれる場面が多々ある。

「危ないから」?という理由で、ベランダに出た人を介護職員がリビングに連れ戻しているのを見ていた。
だから「ベランダ行った」と教えてくれたんだろうな、と。

なので、教えてくれた人は決してベランダへは行かない。
ベランダまで少し歩いて、外の空気を吸ったり、景色を眺めたり。
「やってみたいな。」と思っていても、介護職員が制止しているのを見ているから。

そりゃ足元には注意する必要はあるけど。
それは、歳を重ねてきてる私も同じ( *´艸`)

#未来のためにできること