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プロフェッショナルな女性たち

「洗濯物たたむの、手伝ってもらっていい?」
認知症グループホームでは、掃除や洗濯物を入居している人と一緒にすることがある。
両手が使える人に歩ける人。
言葉での意思疎通が難しくても、昔やってたことは体が覚えてる。

折り目は大事

洗濯物をが乾くと、「やろか?」と声がかかる。
で、いつものごとく「嬉しい!お願い♡」となる。

どこの施設もだいたい1日2回の朝と夕方。
リビングのテーブル上に洗濯物がおかれる。
多い日もあれば、ほとんど無い日もある。

一緒に洗濯物をたたみはじめると、
「これでええか?」
「こんなんやったんかいなぁ。」とたたみ方を聞いてくる。
「○○さん式でえぇよぉ。
だって、私よりずう~っと上手やん。」
と話してたりすると「私もしよか?」となる。
人それぞれ洋服のたたみ方が違う。
中には、「ここは、きっちり折り目をつけて。」と教えてくれる人も。

そんな時、嬉しくなったりする。

一緒にしてる内に

一緒にすることもあるけど、お任せしちゃうこともある。

「何かすることある?」
「そうやね、カゴに入ってる洗濯物たたんでもらっていい?」
「こうするの?」
「うん、○○さん式でいい。
だって、上手やん。
で、たたみ終わったらカゴにいれてなぁ。」

と言ってたの。
でもそのうち、洗濯カゴを1つずつ持ってきては洗濯物をキレイたたんでカゴに入れておいてくれている。

「いつもキレイにたたんでくれて、ありがとう!」

キッチンはにぎやか

キッチンは争奪戦になる時がある。
介護度が低くて、専業主婦だった人が多いところは、特にそう。
食後の食器洗いをしていると、「手伝おうか?」と聞かれる。
そんな時は両手を上げて、「やったぁ~!ラッキー!!」と大喜びする。

「じゃぁ、私が洗剤つけて洗うから、水で流してもらっていい?」
「昔、娘と一緒によく洗い物したんわぁ。」
「4人家族やったから、子どもとじゃんけんして当番を決めてたんよ。」
とか話しながら。

楽しそうにキッチンに立っていると、
「私も手伝おうか?」と他の人もやってくる。
「え、じゃぁ洗い終わったの拭いてもらっていい?」と人数が増えてくる。
3人4人と増えてくる。
で、最後は「お願いします。」といって私がキッチンを離れる。

しばらくすると、他の職員がキッチンにいることも。
「布巾はここに干してくださいね。」と施設のやり方を伝えてたりする。

あとでコソっと戻しておこうと思ってたのに、先手うたれた。


#未来のためにできること