見出し画像

新型コロナで渡航が不可能と思われたインターン生が無事にカンボジアにたどり着くまでの32時間

(この記事は4分で読めます)

カンボジア日系商社S.E.A.T.S Inc.の峯島です。

現在、新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っている最中で、国家間の移動が制限されています。カンボジアも他国と同様に、入国については水際対策として一段と締め付けが強まっています。

【全ての外国人を対象としたカンボジアへの入国制限 (抜粋)】
・観光ビザ,e-visa,到着ビザの発行停止
・渡航希望者は,事前に国外でビザを取得しなくてはならない
・渡航の72時間前以内に発行のウイルス陰性を証明する診断書を提示しなくてはならない
・保険額が5万米ドル以上の保険証書を提示しなくてはならない
.....
■引用元:在カンボジア日本大使館

そんな中、本来は4月から当社でのインターンを予定していたひとりの学生が自粛を余儀なくされていました。当社としても"ステイホーム" の判断です。

ところが、5月になっても一向に改善の兆しが見えない中で、インターンの彼は溢れる熱意を抑えることができず、"渡航できる可能性が少しでもあるならば渡航を試みたい"、という胸の内を明かすべく連絡がありました。

日本にいる方々は、「こんな状況下でなにを危険な...」 と思われるかもしれませんが、実はカンボジアは先日5/17時点の公式発表にて、国内感染者がゼロになっています。

国内もアフターコロナの様相を呈しており、カフェや飲食店など街の活気も戻りつつあります。5/20時点でマスク着用率も見たところ5人に1人以下になっていて、もしかすると日本よりも安全かもしれません。

彼の強い意志を受け当社としても「全ての必要書類を国内で自力で準備」し、「仮に入国出来なかった場合はカンボジア国の指示に従い日本行きのフライトで帰国すること」を事前に本人と確認していました。そして、"それでも渡航したい!" という本人の強い意志を尊重することとしました。


渡航直前の5/15に陰性証明を取得し、必要書類を揃え、あとはフライトを待つのみでした。ところが、 5/15の夜、本当に突然に、同日夜到着便より追加の強行措置が実施されるとの情報が入ります。

カンボジア政府は、プノンペン空港から入国する全ての外国人への、14日間の強制隔離を決定。空港に隣接する空軍基地に80床を準備。
入国者全員へのPRC検査の結果,同一フライトの乗客の中に陽性の者が一人でも確認された場合、乗客全員が当局が用意した施設で14日間の隔離措置


国民の祝日ですら数日前に突然 発生したり消滅したりする国ですから、この手の重要事項が即刻実行されることも十分にあり得ました。

陰性証明の記載内容に不備があったら...保険証書が認められない...搭乗者の誰か一人が仮に陽性であれば14日間の強制隔離...そんな不確定要素が非常に多い状況下ですが、乗り掛かった船です。


そのままフライト当日を迎えたのでした。

4月の出国者数が前年比99.8%減の最中ですから、流石に殆ど人はいません。成田から韓国・仁川空港へのフライトでは、3列シートの座席の間隔を空けて搭乗させるなどソーシャルディスタンス確保が徹底されていました。

その後、乗り継ぎ前後には必ず検温を受け、プノンペン空港には予定通り12時間かけて無事に到着しました。

そしていよいよカンボジアへの入国審査。

実は、これもカンボジアあるあるなのですが、あまりにもルール施行が突然過ぎて現場がついてこずグダグダになるケースが多いのです。今回もそういった可能性が万に五千くらいはあるだろう、と想定(期待)していましたが、現実は違いました。。


イミグレ(入国審査)を通らず一列に別の通路へ誘導され、いきなりパスポートを取り上げられ、バスに乗せられて連れて行かれた先の隔離施設は、想像通り過酷な環境。


インターン生本人は、アジアを単独バックパック旅行するようなタフな青年ですが、長旅の最後に、突然の先の見えない強制隔離はさすがに体力的にも精神的にも堪えたと思います。

隔離された殆どの方が満足に睡眠を取ることもできずにそのままそこで夜を越すことに。そして翌朝。

予定より2時間遅れでPCR検査開始。手際よく?大変にスピーディに進められる検査。異国の地で、野外で、鼻と喉の奥深くに棒を突っ込まれる経験は、

「できることなら経験したくはなかった」

とのことです(後日談)。


そこから検査結果待ちの間は再度隔離施設へ戻って待機。具体的な結果通知予定時刻も知らされぬまま、時間だけが過ぎていきます。

隔離されている150人以上の中で、たった一人でも陽性反応が出たら14日間の隔離継続だと思うと、落ち着いては居られない状況です。


そして待つこと6時間、、既に隔離から18時間が経過しようとしていたとき。ついに結果が!

長かった隔離が終わり、14日間の隔離延長は免れることができたのでした。


その後直ぐに隔離施設から、全員またバスに乗らされて空港まで行ってそこで無事に解散。同日夜には、ホテルに泊まることができたのでした。



振り返ってみて気になる点。

やはりこの環境では、水際の隔離施設での感染リスクが相当高いことを思い知ります。

このブログを書いている5/21時点でも、隔離政策は絶賛実施中。その後、現地の日本人の方々の声もあがり、隔離施設の環境は少しづつ改善が見られているようです。


新型コロナからの一刻も早い回復と、事態の正常化を願うばかりです。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

今回入国した際に事前に準備した書類についてもヒアリングしているので、必要な方は併せてご確認下さい!

最後までお読み頂きありがとうございます!カンボジアをはじめアジアで事業をする中での出来事、思考、将来一緒に仕事をする方々へ向けたメッセージなどを書いています。他の記事もご覧頂けたら幸いです。 スキやフォローは励みになります!^^