
職場におけるマインドフルネス
時間と情報に追われるビジネスの場面では、何が一番大切かを判断する能力を持つことが大切だ。マインドフルネスは、我々が見失いやすい優先順位を明確にしてくれる可能性を秘めている。
職場で、メール、インターネットや、各種SNSからの情報、等々おびただしい量の情報がせまってくると感じたことはないだろうか? 情報を我々が主体的に選択し、うまく利用できるのであれば問題はない。しかし、情報量の多さに、つい我々は「自動操縦的に」情報に飲まれ、受動的な態度に陥ってしまうことはないだろうか?
マインドフルネスとMBSR
マインドフルネスとは、「今、この瞬間の体験に対して意識的に、価値判断せずに、注意を向けることである。」(カバットジン )
カバットジン が作り上げた、8週間のマインドフルネスストレス低減法(MBSR)で練習するマインドフルネスは、フォーマルな練習と、インフォーマルな練習がある。
フォーマルな練習とは、いわゆる瞑想を30~40分程度、時間を取って行うことである。内容は、静座瞑想、ボディスキャン、ヨガ、歩行瞑想などである。
インフォーマルな練習とは、日常生活の中でちょっとした呼吸への意識や、マインドフル に今、ここに優しい意識を向けることである。
このような練習を8週間続けることによって、瞑想を本格的に毎日取り入れ、日常生活の中でも、心ここにあらずでぼんやりと受け身的に過ごすような「自動操縦状態」に陥る状態を避けることができるようになる。
私自身、MBSRを受けたあとは、30分程度の瞑想が日課となり、日々の中でもぼんやりNetflixをビンジウオッチング(長時間見続ける)している時に、「ああ〜今、自動操縦だ」などと気づくことができるようになった。自分で、自動操縦状態から選択して、戻ってこれるようになった。自動操縦状態が常に悪いというわけではなく、自分で選択できることが大切なのだ。
マインドフルネスで、集中力が養われる
マインドフルネスの訓練を続けていると、集中力が養われる。よって、生産性も向上する。このことは、欧米では今や常識といっても過言ではないほど、浸透している考えである。
本来のマインドフルネスの目的は、生産性を上げるために行われるのではなく、苦痛からの解放、自己への洞察を深めるために行われるものである。生産性の向上のみを目的としてマインドフルネスを一種のスキルとして用いるのは本来の意図からは少し外れるかもしれない。
それでも、この情報化社会の中で、集中力を職場においても発揮できることは大きな強みである。集中力があれば、注意が大事なことから逸れた際、「今、ここで何が一番大切なのか?」に戻ってくることができる。
これは、呼吸瞑想などで徹底的に「意識を呼吸に向ける、雑念が湧いたことに気が付いたら、すぐ元に戻す」で培われた、いわば「マインドフルネス筋肉」の働きであろう。
企業でも多く採用されているマインドフルネス
グーグル、ゴールドマンサックス、パタゴニア、アップル、ヤフーといった企業が、マインドフルネスを積極的に取り入れている。
パタゴニアのCEOがローズ・マーカリオ(Rose Marcario)氏が、瞑想をいかに生活と仕事に取り入れて活躍しているかについては、このの記事を参照にしてほしい。
パタゴニアのCEOローズ・マーカリオ氏は、1日の初めと終わりに少なくとも10分間はメディテーションをしている。「心を落ち着けることができるんです」「これがわたしを"幸福な戦士"にしてくれます」
マインドフルネスは自分の核とつながる
今現在の全本質の中に身を委ねることができれば、まさにこの瞬間は信じるに値することがわかるかも しれません。このようなことを何度も、何度も試してみれば、私たちのどこか奥底には、大いに建設的 で信頼できる核が存在し、私たちの直感は、この瞬間の現実が奏でる深い響きのように信頼に値するの だという、新しい感覚が芽生えるかもしれません。
(マインドフルネスを始めたいあなたへ ジョン・カバットジン )
カバットジン のこの説明は、瞑想をしてない方にとっては、ピンとこないかもしれない。しかし、ある程度、瞑想続けていると自分の中に「信頼できる核」があると感じるようになる。
自分の中心を信頼し、その感じとつながりながら、人生を歩んでいくことができるのはこの上ない幸せである。先ほどのマカーリオ氏も自らを「幸福な戦士」と呼んでいたが、自分の中心とつながった決断し、日々を生きているという感覚は確かにわくのである。
マインドフルネスは、単に集中力や生産性を高めるツールとしてだけの価値だけでなく、こうした自分自身の本質とつながり、人生を力強く主体的に歩んでいける点が何よりの魅力であろう。
インフォーマルな練習、マインドフルネスチェックインについてのやり方を知りたいかたは、こちらの記事をご参照ください。
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