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「今この瞬間」に生きるとは?気づきとは?

マインドフルネスの瞑想や実践で重要視されている「気づき」。

何に気づくのか?

まずは「今この瞬間」の自分の状態です。

意識はどこに向いているのか?
何が見えているのか?
聞こえているのか?
どんな言葉が頭に浮かんでいるのか?
どんなイメージが浮かんでいるのか?
気分は?生じている感情は?
身体のどこに力が入っているのか?
緊張度合いは?
重心の位置はどうなっているのか?
エネルギーの流れはどうか?
痛みや違和感はあるのか?ないのか?
心拍数は?血液の流れは?

など

こういった自分の中で起きている「今この瞬間」の事象を、呼吸や身体の感覚を通して客観的に気づいていく(観る)のがマインドフルネスの瞑想です。

マインドフルネスの瞑想はリラクゼーションや嫌な気持ちを消す方法ではありません。

「今この瞬間」がとても重要。過去を振り返って「あの時は○○なイメージが浮かんで肩に力が入っていた」はマインドフルネスの気づきではないのです。

なぜ「今この瞬間」が大事なのか?

答えは簡単です。今をしっかりと生きるためです。マインドフルネスの瞑想は今を生きるための訓練。多くの人は「今」ではなく過去や未来に生きています。

過去はもう二度とやってこない。未来はまだ来ていない。私たちには過去も未来もありません。今だけです。

過去や未来は頭の中で作る妄想です。

妄想は妄想を呼びます。そして妄想と現実の境目があいまいになります。現実の認識を自分の都合の良い形に歪めていきます。だから抱えている悩みや問題がこじれるのです。

「妄想なんかしていない」と思う人がいるかもしれません。

妄想の代表的なものは「不安」です。不安とは「まだ起きていない未来のことを想像して落ち着かない気持ちになる」ことです。少しでも不安を覚えたらそれは妄想の世界に入っているのです。


過去や未来の妄想が悪いのではありません。妄想するのはOK。と言うより過去や未来の妄想は、自分の意思とは無関係に起こります。囚われなければいい、もしくは囚われを小さくすればいいのです。

過去や未来の囚われが強い人があまりにも多い。だからお金があっても物質的に恵まれていても、幸福感が低い人が多いのです。

過去や未来の囚われを手放して、今を生きることが出来ると心は豊かになります。

お金がないとか見た目が悪いとか学歴が低いとか・・・世間が決めた価値観に振り回されなくなります。不安や怒り、嫉妬や自己嫌悪などのいわゆるネガティブな感情や思考に囚われなくなります。

過去や未来の囚われを手放さない限り、自己啓発やスピリチュアルを勉強しても無意味です。囚われを別の囚われで上書きしても、現実の問題は何も解決しません。

やるべきことは過去や未来の囚われを手放すこと。そのためには今を生きること。それには「今この瞬間」の気づきが必要なのです。

と言っても「今この瞬間」の気づきはスタートに過ぎません。その先はレッスンなどでお伝えしているのですが。


自分の状態(心と身体)に関する「今この瞬間」の気づきだけが必要なのではありません。「自分を取り巻く環境がどうなっているのか?」にも気づく必要があります。

「自分は今どこに居るのか?」「そこに相応しい態度や行動を取っているのか?」

「そんなこと改めて気づきがなくてもわかる」という声が聴こえてきそうですが、自分が今どこに居るのか?の気づきがない人はたくさんいます。

例えば電車内。

そこでは「自分の部屋」に居るかのような態度や行動を取っている人で溢れています。

言葉の上では「電車の中に居る。自分の部屋ではない。」とわかるでしょうが、それは頭の中だけの話で実際はそうではありません。

脚を広げて座る人。スマホに夢中で自分が邪魔な場所に立っていることに気づかない人。化粧をする人。だらしない姿勢や歩き方をする人など・・・

電車の中という公の場に居る意識がまったくありません。武道的に言えば隙だらけ。防犯という観点からもよろしくないでしょう。

毎日こういう人を何百人も見かけます。何の気づきもない人達です。自分がどこに居るのかわからない人達。

どこに居るのかわからないから、電車内という公の場で「自分の部屋」に居るかのような態度が取れるのです。

そしてその態度が「公の場に居る他の人達にどういう影響を与えているのか?」にも気づきません。他者への配慮もなく平気で他人に迷惑をかけます。そのくせ自分に何か被害があると過敏に反応します。

子供ならまだしも、良い大人がこれでは情けないでしょう。

そうなる理由は先ほどお伝えしたように「今この瞬間」の気づきがないからです。今を生きていないからです。

何かに囚われているからです。正確には囚われ度が強いということです。まったく囚われていない人は存在しないので。

何かに囚われている人、囚われ度が強い人は、他人の状態に気づくことが出来ません。だから困っている人が居ても手助けすることが出来ません。

高齢者や障害を持った人が乗ってきても、席を譲らずスマホに夢中(囚われ度が強い)になっている人がほとんどですが、あれは意地悪で席を譲らないのではなく気づいていない(気づこうとしない)のです。

席を譲らない人は性格が悪いとか反人格者ではなく、ただ気づきがない普通の人達です。だから余計にたちが悪いのです。

意地悪で席を譲らない人は、高齢者や障害を持った人の存在には気づいているわけですから。気づきがあれば軌道修正がまだ可能です。

公の場で「自分の部屋」に居るかのように振る舞う人、その度合いが強い人は、職場でも学校でも嫌われます。その理由は、ここまで読まれてきたあなたならわかるでしょう。

「自分がそんな状態になっていないか?」を知ることも大事な気づきです。


自分が今どこにいるのか?・・・多くの人はそんなことすら考えたことがないでしょう。考えている人は電車内や街中で「自分の部屋」に居るような態度や行動は取りません。

その原因の一つはスマホ中毒であると考えています。多くの人を日々、観察している経験からの意見でもちろんエビデンスなどはありません。1億総スマホ中毒。

必要のないスマホ使用は囚われを強化します。つまり「今この瞬間」を生きることの妨げになるのです。

「ではスマホを持たなければいいのか?」は極端な考えです。現代人がスマホを完全に手放すのは不可能でしょう。仕事でも人間関係でもなくては困ります。

であれば出来るだけスマホを触らない、必要のない時は触らないという意識を持つしかありません。スマホ中毒から抜けましょう。

「スマホを触らないようにするには何か良い方法はありますか?」と聞かれましたが、そんな方法はありません。意識的に触らないようにするだけです。気合です。

これまでスマホを触っていた時間を利用して、マインドフルネスの瞑想や実践に取り組み、「今この瞬間」を生きるの訓練を推奨します。

それを続けていけば「今この瞬間」の気づきが増えて、囚われも小さくなり、物理的にも精神的にも視野が広がり、現実の認識がクリアになります。それが結果的に、悩みや問題の解決につながります。人間関係も良好になるでしょう。

プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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