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【経済本100冊】Vol.26:『ニュースに出る経済数字の本当の読み方』(著:角川総一)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、角川総一さんの『ニュースに出る経済数字の本当の読み方』です。

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基本情報

タイトル:ニュースに出る経済数字の本当の読み方
著者名:角川総一
初版発行年月:2019年5月
ページ数(大体):約190pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい

大和の適当あらすじ

経済指標とされる数字の裏側を徹底的に暴いて行こうと言う解説本。


全体の感想

経済ってつまる所数字の世界とも言えますが、一般市民が知らないような統計の騙しが沢山あるんだよと言うことをこの本は教えてくれています。俗説や政府見解と異なった様々な逆説が満載で、目からウロコで思わず人に語りたくなります♪

こう言う、統計の裏側を解説する本は総じて小難しくなりがちですが、本書ではテーマ別に分けてトピックを細切れにし、初心者でも分かりやすいように難しいワードの一つ一つにも説明をしてくれています。

そう言う意味では親切設計ですが、それでもコアな話が多いですので、全てを腑に落とすのには少し時間がかかるかなと言う印象です。あと素朴な経済ニュースの疑問を前半に持ってきて、詳細な解説は全て後半にまとめてますが、そうすると一つ一つのトピックがぶつ切りになるんで、ページをあっちこっちに手繰るのが面倒です。そこが若干難儀でしたが、数字をしっかり咀嚼・理解ができると、人に語る時にも説得力が増しますんで、この本は経済初心者でも数字を本質的に読み解ける本として非常に貴重な本だと思いますね!

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★生鮮食品が除かれている物価指数が実感を裏切る
★帰属家賃が含まれている物価指数が実感を裏切る
★品目を5年間固定した物価指数が実感を裏切る
★ステルス値上げを考慮しない物価指数が実感を裏切る
★ネット市場を考慮しない物価指数が実感を裏切る
★性能差を考慮し過ぎた物価指数が実感を裏切る
★日本の食料自給率はカロリーベースのデータ
★GDPは民間在庫増をプラスにカウントする
★GDPでは輸出をプラス、輸入をマイナスとみなす
★日本のGDPは世界経済に引っ張られて来た


< 各詳細 >

★生鮮食品が除かれている物価指数が実感を裏切る
・・・日銀がターゲットとしている消費者物価指数は、正確には「生鮮食品を除く総合」と呼ばれているものである。つまり、一般庶民が実生活で物価の動きを感じる野菜、果物、魚介類等の生鮮品は一切除外されており、生活実感からズレたものなのである。何故「生鮮食品を除く総合」が指標とされているのかと言うと、天候等の影響を除外する為である。


★帰属家賃が含まれている物価指数が実感を裏切る
・・・消費者物価指数である「生鮮食品を除く総合」ベースのデータには、「帰属家賃」の動きが含まれている。帰属家賃とは、「持ち家に住んでいる人も、賃貸住宅に住んでいる人の家賃と同等に、お金を払っているとみなした家賃」のことである。これは賃貸住宅の家賃を基準に計算されるが、インフレの時も消費者物価一般程には上がらない。その為、「生鮮食品を除く総合」ベースの指数は、「持ち家の帰属家賃を除く総合」より低く算出されがちである。


★品目を5年間固定した物価指数が実感を裏切る
・・・消費者物価統計では、一度決めた調査対象品目・商品は向こう5年間は変更されないことになっている。しかし一般庶民は日常的に、使用途中で、今までより安くて良質な石鹸や化粧品に切り替えたりする。こうした物価データが考慮されていない為に、実感よりは物価が高めに算出されがちなのである。これを「物価指数の上方バイアス」と呼ぶ。

★ステルス値上げを考慮しない物価指数が実感を裏切る
・・・最近、価格は据え置きながら、斤量を少なくすることで実質的な値上げを行うと言う戦略が市場で幅広く行われている。これを「ステルス値上げ」と呼ぶ。にも関わらず、こうした事情は一切物価の公式データには反映されない。実務的に反映するのが難しいのである。そこで、こうした点も考慮して、斤量をもカウントした上で物価水準を測ろうとする新たな動きが出て来た。それが、数年前から一橋大学経済研究所が発案・公表した「SRI一橋単価指数」である。これは、スーパー等のPOSシステムから得られる日次データをベースに、日々の日用雑貨、食品価格をきめ細かくフォローすると言うのがミソである。

★ネット市場を考慮しない物価指数が実感を裏切る
・・・アマゾンや楽天等のネット市場が急拡大しているにも関わらず、現行の消費者物価指数では、ほとんどの品目でネット販売価格が加味されていない。これは、物価統計の元になっている「家計調査」の調査対象者が総じて高齢者が多いからと言うこともある。高齢者はネット販売の利用が少ない為、現実の消費実態からズレがちだと言う訳である。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


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