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【経済本100冊】Vol.95:『ゲーム理論はアート』(著:松島斉)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、松島斉さんの『ゲーム理論はアート』です。

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基本情報

タイトル: ゲーム理論はアート
著者名:松島斉
初版発行年月:2018年1月
ページ数(大体)
:約280pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい


大和の適当あらすじ

ゲーム理論で社会をどう良くして行くかについて述べる本。

全体の感想

ゲーム理論の応用・実践編と言える本で、且つそれ程小難しくない所がいいです。とは言え、計算式が書かれてある所何かはやはり難しくて僕には分からないんですけどね(笑) また、ネタが豊富でバラエティに富んでいる所も嬉しい所です。いきなり本書を読んでもまぁまぁ理解はできますが、ある程度ゲーム理論の基礎を他の入門書で学んでから読んだ方が、本書の内容を十分に楽しめるでしょう。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★株価の美人投票的性質
★経済学的に説明が難しいバブル現象
★バブルのゲーム理論的説明
★腎移植が必要な親子を救う腎交換ネットワーク
★非人道的な闇取引を抑制する腎交換ネットワーク
★ホイットニーのマスケット銃規格化による成功
★現代のイノベーションの共通項は、パテントプールにある
★パテントの2タイプ
★パテント・トロールとは
★検索連動型広告オークションの仕組み

< 各詳細 >

★株価の美人投票的性質
・・・女性を数名リストアップして、複数の男性に、その中から一番の美人と思われる女性一人に投票させる。特定の女性の容姿が抜きん出ていると思うのなら、その人に投票することにはやぶさかでは無いだろう。誰でも率直に自分の好みを人に伝えたいと思うからである。ところが、「一番得票数の多かった女性に投票した男性には賞品をあげる」と言うルールを追加すると、状況は一変する。誰が一番美人かを考えるのでは無く、誰が一番得票数を稼ぐかを考えるようになるからである。これは株価にも言え、現実の株価は、皆が予測する将来価格に追随することで決まる。ケインズは、集団的に決まる株価の気まぐれな性質を、美人投票で例えたのである


★経済学的に説明が難しいバブル現象
・・・「バブル」とは、短期間で不動産、株式、金融資産等が、実態とかけ離れて高騰して行き、突然不意打ちを食らうように急降下する現象のことである。実は、バブルをどう説明するかは、経済学者にとって目の上のたんこぶである。いくら教科書を学んでも、バブルについてまともに理解することができない。バブルを理解するには、取引者が通常と違う妄想を抱くこと、他の投資家との駆け引きを気にすること、取引者が「市場は教科書のように動いてくれないのではないか」と心配すること、これら3点を考慮することが肝要である。しかしこれら3点を教科書では考慮していない。だから満足な説明ができないのである。


★バブルのゲーム理論的説明
・・・バブルをゲーム理論的に説明した例として、このようなものがある。A社は、自社株を投資家1から順番に高値で売るとする。投資家1は株をGoodと判断して購入する。投資家2は、投資家1が購入したことを観察し、自身の私的情報でもGoodなのでやはり購入する。問題は投資家3で、2人が共にGoodと判断して購入しただろうことを見て、仮に自身の私的情報がBadとしても、Good2名にBad1名なので、A社は優良と判断して購入する。こうして投資家3からは群衆行動の連鎖にハマるが、途中でA社にとって都合が悪い情報が少しでも公に流れれば、他の人の動きを見て購入しただけなので、今度は簡単に掌を返すと言う訳である

★腎移植が必要な親子を救う腎交換ネットワーク
・・・スタンフォード大学の経済学者アルビン・ロスは、「腎交換ネットワーク」と言う社会システムを考案した。我が子が腎臓疾患で苦しみ、腎移植が必要なのに適合条件を満たさないと言う親子は、先ずこのネットワークに登録する。登録すれば、ネットワークの管理者は、適合条件を満たす別の登録者を探してくれる。見つかれば、この登録者の腎臓を移植して命が助かる。一方、助かった子の親は、他の登録者の子供に、今度は自身の腎臓を提供する。こうして、交換によって、不適合の為に泣き寝入りしていた大勢の患者が救われるのである。腎交換ネットワークは世界中の病院や地域で自然発生し、今や大輪の花を咲かせているのである。


★非人道的な闇取引を抑制する腎交換ネットワーク
・・・腎交換ネットワークの理念は、2012年にノーベル経済学賞を受賞する。「(マッチング)マーケットデザイン」と総称されるこの受賞は、経済学の知見が目に見える形で社会貢献した最重要ケースとして、世界中でとても称賛された。臓器提供者は、受容者に比べ、圧倒的に少ない。その為、人の弱みに付け込んで臓器を売買するような悪徳業者が後を絶たない。これに対し、腎交換ネットワークは、非営利的に、腎移植をマッチさせて行く。こんな表舞台の仕組みは広く普及すれば、非人道的な闇取引を駆逐する抑止力になるのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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