見出し画像

【経済本100冊】Vol.33:『経済は世界史から学べ!』(著:茂木誠)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、茂木誠さんの『経済は世界史から学べ!』です。

画像2


基本情報

タイトル:経済は世界史から学べ!
著者名:茂木誠
初版発行年月:2013年11月
ページ数(大体):約210pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

世界史・日本史から経済を読み解いてみようと言う解説本。


全体の感想

最近、経済の観点から歴史を読み解こうと言う本が増えて来ましたが、この本はそう言ったジャンルのビギナー向けの本としてオススメです。何と言っても、著者が駿台予備校の世界史講師なので、解説が大変分かりやすく、面白い話が多いです。また、イラスト多めで図解や太字で要点をまとめてくれているのも非常に親切設計です。

世界史から学べと言う割には、日本史も結構多いですが、大抵の人にとっては両方学べた方がお得に感じられると思うので、そこは全然OKだと思います。時代的には古代エジプトの時代から、最近のTPPやギリシア危機の時代まで様々です。

「お金」「貿易」「金融」と、経済のざっくりとしたテーマ別でトピックがまとまっているので、ダレずにサクサク読めます。やや雑学的なきらいもありますが、ストーリー形式で学べるので、小難しく見える経済の仕組みも、様々な人間ドラマを通じて腑に落とすことができます。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★大隈財政の失敗
★松方財政の功罪
★預金通帳やキャッシュカードの始まりはテンプル騎士団
★ハイパーインフレを収めるデノミネーションと言う手法
★ドイツは保護貿易で強国となった
★ナポレオン戦争の結果は自由主義の勝利だった
★世界初のバブルはチューリップ・バブル
★ドル高政策がウォン高不況・バーツ高不況が発生した
★アジア通貨危機の犯人、ヘッジファンド
★アジア通貨危機後は、日本銀行がアジア通貨の保証人になった


< 各詳細 >


★大隈財政の失敗
・・・明治時代初期、大隈重信が大蔵卿だった時の一連の財政政策は「大隈財政」と言われる。その内容は、新貨条例による新通貨「円」の発行、大蔵卿造幣局の設置、地租改正による全国一律3%の地租徴収、国立銀行の認可等である。しかし、廃藩置県前の、旧藩の債務を抱えながらの殖産興業に、西南戦争勃発による軍備支出が加わった為、紙幣の増刷に頼らざるを得ず、新通貨「円」の信用が失墜してインフレが発生してしまう。そしてその収拾のつかないまま新政府内部で権力闘争が勃発した為、大隈は大蔵卿を解任された。


★松方財政の功罪
・・・松方正義は、大隈財政の後任の大蔵卿になった人である。その財政政策は、大隈時代にばらまかれた紙幣を回収し、日本銀行を設立して新円(日本銀行券)を発行した。その際、新円の信用を保証する為に、国際通貨の銀との交換を日本政府が保証する銀本位制を採用したことが、成功の決め手となった。その一方で、貨幣不足から物価の下落を招き(デフレ)、農産物価格の低迷が農民生活を圧迫し、「薩長藩閥政治」を批判する自由民権運動を高揚させることに繋がってしまう。


★預金通帳やキャッシュカードの始まりはテンプル騎士団
・・・キリスト教圏における金融業の始まりはテンプル騎士団である。十字軍の時代、聖地エルサレムをイスラム教徒の襲撃から防衛し、キリスト教徒の巡礼者を保護する軍事組織として結成された。治安の悪い時代なので、エルサレムへの巡礼者は途中で盗賊に襲われることが多く、現金の持ち歩きは危険である。そこで騎士団は巡礼者の旅費を預かって預かり証を発行し、預かり証を提示されれば現金を払い戻すシステムを確立した。これが世界初の預金通帳やキャッシュカードである。その際、「預かり手数料」と言う形で利子を取り、やがて莫大な資金を運用し、フランス王室にも融資するまでになった。

★ハイパーインフレを収めるデノミネーションと言う手法
・・・第一次大戦後の敗戦国ドイツはハイパーインフレに襲われた。これは半年で物価が1兆倍と言う凄まじいインフレだった。この時に政府からインフレ収束を任されたのが、「財政の魔術師」と言われたシャハトである。シャハトはレンテン銀行を創設して新紙幣レンテンマルクを発行した。そして旧1兆マルク=1レンテンマルクのレートで旧ドイツマルクを回収し、焼却処分した。この新通貨で通貨単位を切り下げることで、人々の信用を回復する手法を「デノミネーション」と言う。その後は、アメリカからの投資を促進してドイツ経済を復活させようとしたが、そこにニューヨークで株価が大暴落して世界恐慌が始まったのは、運が悪かったとしか言いようがない。

★ドイツは保護貿易で強国となった
・・・ドイツは19世紀になっても30を超える小国家の連合体だった。その為、国内関税で商品の流通が滞り、イギリス製品の流入に共同で対抗できずにいた。そこでドイツ人経済学者リストは、「イギリスに対抗して関税同盟を結び、内部では関税を撤廃し、外部からの輸入品には共通関税を課そう」と訴えた。この保護貿易政策を実現させたのが、プロイセン王国を中心とするドイツ関税同盟である。これが後のドイツ帝国となって経済的に成功したが、このことは、発展途上国においては保護主義の採用が効果的であることを示唆している。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


↓↓↓その他の経済関連の書評は下記リンク先をご参照下さい↓↓↓
【経済本書評】超ネタバレ!経済本100冊読破&書評まとめ


ここから先は

1,343字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?