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【経済本100冊】Vol.53:『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(著:山口正洋)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、山口正洋さんの『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』です。

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基本情報

タイトル:なぜ日本経済は世界最強と言われるのか
著者名:山口正洋
初版発行年月:2012年10月
ページ数(大体):約260pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい


大和の適当あらすじ

ぐっちーさんが、円高で日本経済が悪くなる何てことは有り得ず、また、日本国債が暴落して日本がデフォルトすることも有り得ないと言うことを喝破してくれる本。


全体の感想

全体的に意気軒昂な語り口調で、面白いエコノミストだな~と思いました。ぐっちーさん(山口正洋)はこの本で初めて知りましたが、よく危機を煽るような話がメディアでは多い中で、これだけ日本経済を正面から堂々と擁護する姿勢は正に痛快であり、清々しささえ感じました。

特に日本の借金に関しては様々な誤解も多い中で、かなりのページ数を割いて、多くのデータや事例から、日本の借金とはそもそも何かを力説してくれていると言うこの一点だけでも、必読に値します。

また、ぐっちーさん自身が投資家であり事業家でもありコンサルタントでもあるので、そうした経験からの観点から語っている所にも説得力を感じます。それだけに、つい昨年9月に、食道癌で逝去されたことをネットで調べて知った時は驚きました。ご冥福をお祈り申し上げます( -人-)

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★国債の95%が国内の日本財政は100%安全
★国の借金を家計に例えるのは間違い
★政府債務から資産が差し引かれてないのはおかしい
★日本でドルが通用しない現状では、国債暴落は有り得ない
★円高なのは日本人が海外投資しないから
★日本の為替価値は極めて高い
★円高でも価格転嫁で日本経済は十分乗り切れる
★企業の国外脱出は円高が原因では無い
★日本は超内需国なので、そもそも円安である必要が無い
★円高は輸入集約型企業にメリットあり

< 各詳細 >

★国債の95%が国内の日本財政は100%安全
・・・日本財政破綻論者がいるが、日本の財政に関しては、国債の95%が日本国内で、しかもほぼ全て金融機関に保有されているので破綻することは絶対に無い。万が一破綻するとしたら、日銀傘下にあるにも関わらず、日本の銀行が全て、ある日突然日本国債を買わないと宣言し、更に保有する国債を全てすぐ償還することを政府に要求する、もしくはある日突然日本国民の半数以上が預金を取り付けに走ることになった場合である。しかし論理的に考えれば、これは現実には到底起こり得ない。

★国の借金を家計に例えるのは間違い
・・・国の借金とはそもそも日本人の債務であり、自分達国民から政府がお金を借りていると言う状態である。そして国の債務は自分達国民に、利息も含めて返されるのである。言わば、自分で借りて、しかし返済も自分に来ると言うことで、こう言うものは正確には借金・債務とは呼べない。なので日本の借金を家計に例えるのは間違いで、誤解の元である。同じ財布の中で貸し借りをしていると言う閉じた世界の話であり、財布の中身はゼロだけど(日本政府)、預金が沢山ある状態(国民の資産)が今の状態なのである。それが国外流出する場合に、初めて「借金」が「借金」になるのである。


★政府債務から資産が差し引かれてないのはおかしい
・・・よく日本政府の債務がGDP比で180%と言われるが、そもそもその債務から資産を引かなければならない筈であり、政府が営々と作って来た道路や橋の価値がゼロな訳が無い。更に政府債務だけで無く民間債務(特に対外債務)を計算する必要があり、アメリカのように金融機関まで借金漬けになっている国であると、政府と民間債務合計で見ると、財政赤字はGDP比300%になってしまうが、日本は民間債務を全部政府が肩代わりしたような体質になっている為、合計で180%は低い方である。そこから資産を差し引けば、あっと言う間に小さい数字になってしまうのである。

★日本でドルが通用しない現状では、国債暴落は有り得ない
・・・日本の国債が暴落することは有り得ず、あるとしたら、大多数の日本人が預金を解約して海外の銀行にドルで預金した場合は、国債の買い手がいなくなるので暴落する。しかし、日本国内でアメリカドルがこれだけ通用しない状況では、日本人のキャピタル・フライトは事実上封鎖されているも同然である。しかし、国内での国債消化比率が50%を切っているPIGS(ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)のような国であれば、生殺与奪の権を外国人に握られてしまっており、更にそれらの国債を大量保有しているドイツ・フランス等も、万が一の時にドミノ倒しになることは必然である。

★円高なのは日本人が海外投資しないから
・・・日本が円高なのは、世界の人が逃避資金で円を買っているから・・・と言うよりも、それもあるが寧ろ日本人が海外に投資をしないからであり、主人公及び主語を間違えてはいけない。世界で一番経常黒字があり、債権を保有し、貯蓄がある日本人が海外に資産をかなりダイナミックに動かさない限り、国債の急落も円安も有り得ない。よく歴史上、ヘッジファンドがカラ売りをして様々な市場をショートさせているが、日本の国債市場においては規模が違い過ぎる。かつて資金力のあったヘッジファンドが、2006年~2008年に何回も日本国債を売り崩そうとして、ショートして失敗しているのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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