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【経済本100冊】Vol.9:『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(著:蔭山克秀)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、蔭山克秀さんの『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』です。

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基本情報

タイトル: 経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる
著者名:蔭山克秀
初版発行年月:2018年8月
ページ数(大体):約260pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

古今の経済学の名著50冊の概要をポップにさらっと読める本。


全体の感想

流石に著者が代ゼミ講師だけあって、非常に読みやすく、分かりやすい。古典から最近のトレンドを押さえられる学術本まで、守備範囲の広さには脱帽です。こう言った本は、著者を時系列順に紹介するだけに終わりがちですが、内容をテーマ毎に分類して、章に分けて紹介してくれています。古典と最近の学説が交互に現れる配置なので、順番に最初っから読んで行ってもダレにくくて助かります。勿論飛ばし飛ばしに読んでもOKです。

しかし経済理論と言っても、随分な興亡・栄枯盛衰があるんだなぁと感じました。古い理論に新しい理論が取って変わったかと思うと、しばらくすると古い理論が新しい形でリバイバルされたりと、時代の流れって面白いなぁと思いました。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★失業者の存在を無視した古典派理論を批判したケインズ
★ケインズによる市場介入のススメ
★狂熱的なイノベーションこそが資本主義の土台
★格差社会は資本主義の宿命
★グラミン銀行の逆転の発想の融資制度
★「小さな政府」の提唱者
★アニマル・スピリットが経済を突き動かす
★囚人のジレンマを解き明かしたナッシュ
★見えざる手など存在しない
★貧しさが前提の古典派経済学は最早時代遅れ


< 各詳細 >

★失業者の存在を無視した古典派理論を批判したケインズ
・・・ケインズ経済学で有名な経済学者ケインズは、完全雇用と言う特殊な状況を前提とした経済学の古典派理論を批判し、失業者の存在も前提とした経済理論を打ち立てた功績が高く評価されている。どう言うことかと言うと、古典派理論は需要供給曲線に忠実過ぎて、労働を売り物とする労働者の失業には、本人が自ら望む「自発的失業」と、労働需給の不均衡で一時的にだけ生じる「摩擦的失業」の2つしかないとして来た。しかし経済全体をマクロの視点で見れば、生きるのに最低限必要な日給以下の仕事には已む無く就けない、「非自発的失業者」が存在する。つまり、労働需要曲線は最低限必要な日給の所で横ばいの一直線になることをケインズは見抜いたのである。

古典派理論と修正理論


★ケインズによる市場介入のススメ
・・・失業者の存在を考慮したケインズは、非自発的失業者の数を減らす策として、「有効需要」を増やすことを提案した。有効需要とは、「実際の購買力に支えられた需要」のこと。有効授業が増えるには個人消費と企業の投資が増える必要があるが、社会が発展して豊かになるにつれ、人々の消費も投資も鈍り、財産を現金で持っておこうと言う「流動性選好」が強まる。これをケインズは「豊かさの中の貧困」と呼んだ。そこで政府が市場に介入し、政策的に金利を下げ、公共事業等の投資を行ってお金をばらまく必要があると主張した。


★狂熱的なイノベーションこそが資本主義の土台
・・・イノベーションと言えば、シュンペーターのイノベーション理論。イノベーションとは、「新しいものの生産」もしくは「既存のものを新しい方法で生産すること」である。また、イノベーションとは非連続な変化であり、旧(ふる)いシステムの変化等では無く、旧いシステムと並んで現れ、社会的地位を旧いものから奪い取る形で行われる。それから、イノベーションとは理性的なものでは無く、ディオニソス的(狂熱的・情熱的)なものである。数多の困難を乗り越えてイノベーションは成し遂げられるが、イノベーションの後には必ずまた不況期が待っており、その後にまたイノベーションで、新しい成功者が古い成功者に取って変わり、資本主義は正常な発展をして行くのである。


★格差社会は資本主義の宿命
・・・トマ・ピケティ著の『21世紀の資本』は格差が何故生まれるかを理論的・実証的に説いた本として有名。ピケティは格差社会の原因を「r (資本収益率)>g (経済成長率)」と言う一つの式で表した。平たく言うと、資本家の不労所得 r が労働者の労働収入 g を常に上回っているのが資本主義の前提で、経済成長率が下がる程、この格差は拡大すると言うものである。しかも資本家の資本収益は複利で倍々に増えて行くので、時間が経つ程資本家の収益は大きくなるばかりである。このままでは資本主義は暴走してしまいかねないので、世界的な累進資本税を創設し、世界的にお金持ちに課税することを、ピケティは解決策として提唱。


★グラミン銀行の逆転の発想の融資制度
・・・バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌスは、貧困層向けの銀行、「グラミン銀行」により2006年にノーベル平和賞を受賞した。その仕組みとは「マイクロ・クレジット」と言う、貧困層向けの無担保・少額融資。バングラデシュは女性差別が酷い為に貧困層の女性が多く、彼女らは銀行から融資を受けることもできずにいた。グラミン銀行は正に彼女らをこそ顧客とする銀行である。女性個人に融資するのでは無く、何人かの互助グループを組むよう指導し、そのグループにまとめて融資する仕組みである。グループを組むと連帯感から責任感が芽生えるようになり、返済率は脅威の98%を誇っている。マイクロ・クレジット・プログラムは、貧困救済の新たなモデルとして、アフリカ諸国や中南米等、世界58か国で広く導入されている。


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