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連載SF小説『少年トマと氷の惑星』(全9話)

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長い間朝を忘れ、氷に覆われてしまった惑星で、少年トマと黒ツグミの男・カイムだけが暮らしていた。 ある日、トマにとって初めての訪問者がやって来て──。 (2022年6月3日~7月2… もっと読む
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記事一覧

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅸ.再生(最終話)

Ⅸ.再生  まだトマが暖炉の側ですやすやと眠っている中、旅立つカイムを見送るためにティエ…

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅷ.夜更け

Ⅷ.夜更け  トマが泣き疲れて深い眠りについた頃、ティエラとカイムは食卓につき、向かあっ…

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅶ.トマの願望

Ⅶ.トマの願望  あれから、半年が経とうとしている。  トマは、空を流れる星々を目で追う…

【再開】連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅵ.惑星の記憶

Ⅵ.惑星の記憶  トマの指さす方角に目を凝らすと、白い靄のかかった地平線に、ざわざわと黒…

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅴ.生命の歌

Ⅴ.生命の歌  それから一月後、カイムは小屋のすぐ側に氷の柱でできた立派な舞台を用意した…

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅵ.昔話

Ⅳ.昔話  その夜、カイムは暖炉にいつもより多くの薪をくべて、部屋を明るく照らした。  …

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅲ.小箱の中身

Ⅲ.小箱の中身  鍵穴もなく、力づくで箱を掴んでもびくともせず、百年の間、開け方のまったく分からなかった小箱の鍵が、いとも簡単に開いた。  その瞬間、トマの頭は真っ白になったが、次の瞬きをする頃には、すぐにカイムの姿を探していた。   「カイム、カイム! 箱が開いた! じいちゃんの箱が開いたよ!」  今日も暖炉でスープを煮込んでいるカイムの元に駆け寄ると、トマは鍵の開いた箱を見せつける。 「おお、よかったなぁ。中身は何だった? ずっと知りたかったんだろう」  カイムにそう言

連載SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅱ.少女ティエラ

Ⅱ.少女ティエラ  トマの前に現れたのは、ひとりの少女であった。  容姿は十三・四の年頃…

《お知らせ🌸》新連載・SF小説「少年トマと氷の惑星」が始まります!

さあ、本日より新たな連載小説が始まります! 初めてのSF小説「少年トマと氷の惑星」です🌏✨…

【新連載】SF小説『少年トマと氷の惑星』Ⅰ.氷の惑星

Ⅰ.氷の惑星  この惑星が、分厚い氷で覆われて数百年が経つ。    あの日、太陽から一羽の…