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感想:映画『スパイラル:ソウ オールリセット』

評価:7/10 点

「ソウ」シリーズの2・3・4で監督を務めたダーレン・リン・バウズマンが再び監督、公式サイトによればシリーズの「新章」らしい。
邦題が「オールリセット」なのも多分そういうことなんだろう。(原題は「Spiral」のみ)

一応今回もスリラー映画というカテゴリで良いと思うけれど、そこに焦点が当たった感じではなく、サスペンス色が強め。「ソウ」シリーズ定番のデストラップも身の毛がよだつほどのものではなかったと思う(※個人差があります)
個人的に好きなのはガラス瓶の破片が飛んでくるやつ。そうそうこれこれ、機械音と流血と悲鳴こそがソウの華なんですよ。

今回は犯人に「命の尊さを教える」という美学が全くなく、動機は個人的な復讐のため。(一応直接の怨敵以外にも悪徳警官を粛清して回るという行動はあったけど美学って感じではない)
当然ジグソウの後継者でもなく単なる模倣犯なので、一応make your choiceとお決まりのセリフは言いつつも被験者が助かりそうな様子はなし。指を引きちぎれば助かると言われて割と躊躇なくノータイムで実行したけど時間設定がシビアすぎてあっさり感電死していた。
まあこの辺は後継者たるアマンダやホフマンも同じことやっててジョンから窘められていたので後継者なら……というわけでもなさそうか。

前作:『ジグソウ:ソウ・レガシー』で薄れていたサスペンス要素が強くなったのは個人的に嬉しかった。ただ、もうちょっと凝っても良かったかな。
犯人は主人公の父親と見せかけるミスリードは一応あったものの、他の犠牲者と違って相棒警官のみトラップと死体の詳細描写がなかったので勘の良い、あるいはサスペンス慣れしている視聴者はここで犯人に気がついてしまう。

ラストシーンは変化球でドキドキさせられた。SWATが突入してくることでジークと父親が窮地に追い込まれる展開、子供の頃のウィリアム刑事のトラウマとなったシーンの再現、これまでの発言や人形の姿をなぞり、指を口に添える仕草で不思議なカタルシス。後味は最悪なのにね。

ラストシーンについてもう一つ、シリーズのお作法やBGMはある程度なぞりつつも、シリーズ定番の「Game Over」がなかった。このあたりはジグソウとの軸ずらしとしてわざとなんだろうと思う。
続編を作りたいんだろうな~~~という雰囲気はビシバシ感じたので、文字通りのリセット、新章スタートに期待したい。

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