「日向坂46のSDGsアクション」を読み解くー「持続可能なアイドル文化」のために【ひなたフェスは世界を変えられるか?その3】

どうも。5日に宮崎入りしたみなと4648です。連載3回目となる今回は、「ひなたフェス」特設サイトに掲載されている「ひなたフェス2024におけるSDGsの取り組み」を読み解き「持続可能なアイドル産業・推し活文化」について考えます。

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SDGsとは何か

近年話題になっているSDGsは、未来の地球をより良いものにするために考えられ、国連のすべての加盟国が取り組む国際的なコンセンサスです。その特徴として、ここでは主な三つを紹介します。

ひとつは、画一的な数値目標を持たないことです。それぞれの国や地域が現状を鑑み、より高次の目標を立てることが求められます。

もうひとつは、私たちがよりよく生きるための目標であるということです。従来地球の明るい未来を考える行動は環境配慮に偏り、経済や今を生きる私たちの幸福を多少犠牲にしてでも未来のことだけを考えるものでした。SDGsはこれと対照的に、環境の維持も、経済発展も、わたしたちの幸福も、その全てをバランスよく達成しようということを目標としています。

そして、全てのターゲットが連動していることも大きな特徴です。どれかひとつのターゲットに取り組もうとすると、関連する取り組みがいくつもあるのです。

ひなたフェスとSDGs

SDGsの簡単な解説をしたところで、「ひなたフェス2024におけるSDGsの取り組み」を読んでいきましょう。

宮崎をもっと好きに

地産地消に取り組む飲食店が出店しその取り組みを掲示するとあります。また、「おひさまSHOP」 では宮崎県内で通常破棄されてしまっていたいちごなどの農産物を使用するとのことです。これは「8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。」と密接に関わる取り組みと言えるでしょう。

宮崎の自治体PRブース

今回のフェス全体としても言えることですが、「11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。」という目標とも近い取り組みと言えるでしょう。国内および国家間の格差を是正することもSDGsの目標のひとつですから、東名阪に集中するアイドル産業の恩恵を地方にももたらし、日向坂46という媒体を通じて拠点とする東京・横浜とのつながりを強めるものであると言えます。

より良い地球へ繋がるフェスに

タンブラー、カトラリーセット、コットンバッグ、ジュートトートバッグは、割り箸やプラスチック容器といった使い捨て食器・レジ袋の削減に役立ちます。ロゴを入れて持ち歩けば宣伝になるようにしているもの流石ですね。

未来をつくる応援

これまで一部のおひさまが自主的に行なっていたゴミ拾いが公式としても実施。観光公害を抑制する策として有意義です。

ひなたフェスの体験を日常へ

先ほども述べた通り、東名阪に集中しがちなアイドルイベントへの参加機会・経済効果の恩恵を受ける機会を地方にも届けようという今回の取り組みはターゲット「10.人や国の不平等をなくそう」につながるものです。

サトミツさんもSDGsアクションのリーダー

8月にひなたフェス対策本部に加わったサトミツさんこと佐藤満春さん(どきどきキャンプ)が取り組まれるトイレ問題は、「6.b 水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する」との目標に関連します。おひさま、宮崎のイベントをマネジメントする方々や住民の衛生や地域参画への意識を向上させる機会となっていることでしょう。

おひさまが自発的に求めるもうひとつの目標

おひさまの意識として、「地域のお店で買い物しよう・食事しよう」という声が多く見られました。それと同時に、地域の方に迷惑にならないような行動を呼びかける方も多いです。オーバーツーリズムなど観光の負の側面が強調される今日、こうした心がけは重要です。ひいては持続可能な観光につながり、また日向坂46を呼ぼうと思っていただくことにつながる前向きなきざしと言えるでしょう。

課題ー人の配慮とビジネスモデルは?

日向坂46が掲げるSDGsアクションを見てきましたが、最初に述べた「人・経済・社会・環境・未来すべてのためになる行動」というSDGs本来の理念を鑑みるとここには人への配慮が欠けていると言えます。坂道グループには演者が怪我をした事例や、事故が起こりかけたヒヤリ・ハットの事例が数多くあります。また、SNS担当が櫻坂46と日向坂46を間違えてポストするなど、内部の管理体制や人員に余裕がないことも見て取れます。環境配慮もいいですが人が健やかに活動できないと始まらないという原点に立ち返ってほしいと願うばかりです。また、ミーグリの権利のためにCDを大量に購入させる手法は環境配慮と逆行します。ひなたフェスでの配慮にとどまらず、グリーンウォッシング・SDGsウォッシングと言われないよう、ビジネスモデルの見直しにも取り組んでほしいと感じます。

私たちおひさまに何ができるか?ー「#おひさまサステナブルアクション」

エコな行動を心がける

個人が温室効果ガスを出す主な要因は移動にあります。航空機よりバス、バスより電車の方が二酸化炭素の排出量が少ないことは有名です。航空便検索などではCO2排出量の少ない便の案内がありますので、そうした便を選ぶことも良いかも知れません。また、駐車場を確保できなかった方は公共交通機関で移動するとエコです。

地域にお金を落とす

今回は地元の多くの店舗にメンバーが足を運んだりコラボメニューを開発したことから、多くのおひさまが各地の店舗を回っています。フェス会場や大手チェーンだけでなく地域の企業や商店で消費することは経済効果をより多くの方々に感じてもらい、また来てほしいと思っていただくために大切です。

また、従来の旅行では、旅館に到着した後夕食から翌朝食までずっと旅館に滞在する形式が主流でした。それがビジネスホテルなどで夕食がつかないサービスが増加し、さらに近年では食事だけでなく夜の街に繰り出そうというナイトタイムエコノミーに連動した観光形態が注目を浴びています。一方で、ナイトタイムエコノミーには光害・騒音・夜間の周辺環境悪化といった課題もあります。昼間以上に周囲への配慮が肝要です。

立つ鳥跡を濁さず

サトミツさんが46時間TVで触れた通り、窓が一つ割れていると自分も割っていいと思ってしまうように、一つの汚れが大きな汚れにつながるという割れ窓理論というものがあります。こうならないように、トイレでのサトミツ棒の活用など、自分の目の届く範囲での行動を積み重ねていきたいものです。

まとめ

誰もが最低限の取り組みを、できる限り最大の努力を。これが近道です。2日目もおひさまに限らない周りの人や環境への配慮も忘れずに、楽しみましょう。

次回予告

ひなたフェス終了後、イベントの本当の価値やこの先の未来を考える記事を投稿します。お楽しみに。

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(ただいま準備中です)

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