僕の小規模な退職 その20
日がな一日、家の中にいても良くないな。
と思い、なるべく外に出るようにしている。
とはいえ行きたい店も特になく近所を散歩するだけだ。
散歩というと聞こえは良いが、中年男が昼間からプラプラ歩いているとなると散歩というより徘徊と思われていることだろう。
でも歩くのは好きだ。
最近はめっきり春らしくもなってきた。
天気が良い平日に近所を散歩するだけでも特別な気持ちになる。
会社に勤めていると味わえないことだ。
休日と平日では街の顔も違って見える。
それもそうか。
普通の大人たちは働いている。
子供たちは学校だ。
なんだかのんびりしたような。
ゆっくりと流れる時間のような。
そんな風な顔をしている。
もしかすると、すれ違うのは老夫婦が多いからだろうか。
のんびりと歩くその後ろ姿を見るとほっこりする。
仲良さそうだ。
あんな風になりたいな。
自分よりもいくつも年上。
様々な経験をしてきたことだろう。
それに比べると自分はまだまだヒヨッコ。
人生これから。
とちょっと前向きな気持ちになれた。
44歳。推定無職。散歩が日課。
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