皆本

急に始めたり急に終わったり急に再開したり。 nisinao.hatenablog.com

境界線

コンビニから出る。夏の日差しは暑くて明るくてとても暑く。サスペンス映画みたいな陰鬱な曇り空じゃないと気持ちが晴れない。ネットで見かけたその言葉を思い出し、一人頷…

かぷりと彼女がわたしの腕を食む。冬なので当然厚着をしていて、フリース越しの歯の感触。皮膚に直接感じる彼女の感触もよいのだけれど、これも趣があってよいかも、という…

さかなとごはん2

あぶないよー、となるべく気の抜けた声をかけた。  部屋には女学生がいた。太宰さんのあれは女学生じゃなく女生徒だったはず。確か。白のラインが入ったセーラー服の上に…

さかなとごはん1

彼女はエビが好きだった。死んだエビより生きたエビのほうを好んだ。綺麗に殻を剥いて食べる。そんな事実とは正対するように、今日の彼女は死んだ姿を見せていた。砂を敷い…

飴よりもやわらかい

そろりと唇をつける。瞼に。二度ばかりゆっくりと触れると、彼女は面倒そうに眠たそうに目を開けた。やる気なく頭を枕に置いたまま、無防備な首筋をわたしに晒している。そ…

夜祭

祭囃子が聞こえる中で、できるだけ道を間違えて、人のいない、人ではない人が多く紛れる路地に入り込み、何の肉かわからない牛串をガツガツしながら歩を進める。牛串はただ…