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「キン肉マン」を無料読み放題にして、今につながる因縁がわかるようにしたことはもっと褒められていい

「キン肉マン・ビッグボディチーム」

これまで、こんな運命をたどった漫画のキャラクターたちがいたか。
原案が子供。(ペンチマンとか、身近にあったものをがんばって超人にした感がある)
なのにエグイやり方で殺される。それをできるゆでたまごの大胆さもすごい。

20年にわたりネット上でいじられ続け、当時の小学生が大人になって、人生に疲れてきたところに復活して、負け役の美学を通す。
勝つことだけがかっこいいのではない。戦ったことを誇っていい。


キン肉マン322話が更新されました。
現在のシリーズで一番存在感を見せているのが、初期シリーズにいいとこなしだったビッグボディチーム。

だけど最近のシリーズだけ読んだら、
「ああ、このチームは過去にも活躍して、人気があったから再登場したんだな」と思ってしまう。
意味が変わってしまう。
知性チームの強さを見せるための噛ませ犬で終わったから燃えているんだ、と、プロレス的に言うなら「因縁」を知らないと、なぜ勝てなくてもリングにあがれるだけで喜ぶのかがわからない。


先日、キン肉マンは1巻からkindleで期間限定・大量読み放題の大サービスをした。
外に出れない人も多いから、というだけじゃなくて、過去にこういう流れがあったのを了解してないと「今」がわからないから、このタイミングで、あらためて死にざまを見て復習しといてね、ってことじゃないのか。

言いすぎなぐらいビッグボディがメンバーを褒めたたえるのは、当時ファンだった子供たちへの感謝と、さすがにあの扱いはやりすぎたね、ゴメン、という意味も託されているのかも。

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マンガ感想文

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。