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デザイン、その前にデザイン

デザインを依頼する前に必要なこと、それは「デザイン」そのものです。鍵は、設計と製造というデザインの2つのステップを丁寧に考えることです。

設計と製造 – デザインの2つのプロセス

デザインには「設計」と「製造」という2つの重要なプロセスがあります。

  • 設計段階の重要性: 背景や目標の共有、問いを立てるプロセス(デザインの方向性を定めるための初期段階です)。

  • 製造段階の役割: 実装に必要な具体作業と品質管理

デザイナーがかかわる、設計(コンセプトや方向性を決める)と製造(制作や実装)をどう分けて考えるべきでしょうか? デジタル以前は「製造」はフィニシャーが担ってましたが、現在はデザイナーが一貫して行うことも多いです。

しかし、設計が甘いデザイン(見た目重視)と設計が強いデザイン(目的に沿った効果的なもの)、どっちが良いデザインだとおもいますか?
わたしは設計こそがデザインの核だと思うのです。

設計(コンセプトメイキング)としてのデザイン

  • 課題を掘り下げ、問いを立てる

  • 誰に、何を、どう伝えるかを定める

  • コピーライター、クライアントなど、ステークフォルダーと話し合いながら方向性を固める

  • 具体的なビジュアルプランを描く

製造(実装/実行)としてのデザイン

  • デザイン案を元に、DTPやコーディング、印刷手配などの具体作業を進める

  • テクニカルスキル、ITスキルが求められる段階

  • 身体を使った具体的な造形作業を重視する

製造は設計を具現化するためのプロセスです。どちらも大切な過程なんです。たとえば注文住宅の建築を考えれば分かりやすいですが、その家族の暮らしを考えて、建築デザイナーが施主と話し合いながら設計する段階と、大工さんがその家を作る段階って違いますよね。建築デザイナーが金槌とのこぎりもって家をつくるわけじゃないですよね。

製造工程はむしろ職人にまかせて、設計者はその品質管理をすればいいので、デザインの本質は設計にあることがこのケースを考えればわかると思います。

設計と製造のステップバイステップ

デザインは成果物だけでなく、そのプロセスが大切です。
製造(実装)は大切だけど、デザインの本質は設計段階にあるからです。

設計としてのデザインから、製造としてのデザインへ繋げるには、以下のようなワークフローが考えられます。What、Who、Howなどの問い考えることとと、身体や対話を重視しながら形にしていくプロセスが大切です。

Step 1: 問いの発見(What)

  • 背景や課題、目標を掘り下げる

  • 「なぜこれをやるのか?」をクライアントと共有

  • ツール: ワークショップ、問いカード、マインドマップ

Step 2: 誰に届けるかを定義(Who)

  • ペルソナ設定

  • ターゲットの「理想の体験」を言語化

  • ツール: ユーザージャーニーマップ、共感マップ

  • 伝え方(How)も一緒に考える

Step 3: コンセプトを形にする

  • 言語とビジュアルで方向性を決める

  • 初期のプロトタイプやスケッチを作成

  • ツール: ムードボード、コピー提案、ワイヤーフレーム

Step 4: 共同で確認し調整

  • 対話を通じて、方向性を微調整

  • クライアントの納得感を高める

  • ツール: ユーザーテスト、フィードバックセッション

Step 5: 製造・実行

  • 実際のデザインを完成させる

  • 製造をプロフェッショナルに任せるか、デザイナーが実装

設計のプロセスに時間や労力をかけることで、結果的に製造段階で誰に何を伝えたいのかがわからなくなるといったの無駄が減ります。「もやもや → 問い → 作る → 対話」というデザイン思考のフレームワークを意識したワークフローが大切です。

次ぎの記事では、デザインのためのチーム作りについて書いてみましょう。

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