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もし父が同性愛者だったら?

私は、よく夢を見る。

不眠症ではないが、夢の内容を記憶しているあたり、しっかりした睡眠を取れていないんじゃないかとよく心配される。

今日は、かなり強烈な印象を残す夢を見た。

父が実は同性愛者だった、という衝撃的なカミングアウトだった。

親戚も知っていたような顔をしていて、本当に現実なんじゃないかって、変な違和感を覚えながら、目が覚めるまで疑心暗鬼になってしまった。

父親が同性愛者だったなんてドラマに出来そうなくらい奇想天外な展開だけど、今の時代、いつ本当の自分のアイデンティティに出会うかなんて分かんないんだから、絶対なんてないのかなって思ったりする。少しだけカミングアウトする側とされる側の気持ちを模擬体験したような、そんな不思議な朝を迎えた。

でもこういう視点を持つまでに、かなりのステップが必要だった。

同性愛者には一定の理解があると思っているし、寛容的な立場にいると、一年前の私は思っていた。周りにも、形は違ど、LGBTQ+のどれかに当てはまる人は居たし、学校でもそういう活動をしてきたコミュニティもあったから、私はちゃんと分かっている、そう思っていた。

一年前の今頃、ルームメイトがレズビアンだって発覚する時までは。

彼女がレズだってことは、彼女のインスタを通じて知った。

6月は「プライド月間(Pride Month)」だ。アメリカをはじめ、世界各地でLGBT+の権利や文化、コミュニティーへの支持を示す、さまざまなイベントが行われる。

それに関することを毎日のように発信していたから、不審に思っていたら、彼女がレズビアンとカミングアウトした経緯を書いた投稿をしていて、確信した。

というか、やっぱりそうだったか、の方が強かったかも。

それからというものの、レズビアンと一緒に住むことが想像できなくて、下手したら好意を持ってしまわれるんじゃないかとか、不安が募るばかりだった。

「なんで、先に言ってくれなかったんだろう?」

「それは一緒に住む同居人としての礼儀がなっていないではないか、!」

怒りの矛先をどこに当てればいいのか分からなかった。

と同時に、LGBTQ+への理解がとても浅はかで、他人事だと思っていた自分にも気付かされた。私は同性愛者ではないから、彼らが誰を好きであろうと、私には関わりのないことだと高を括っていたのだろう。

「改革なくして成長なし」というけれど、結果的に彼女と同居生活をしてみて、プラスでしかなかった。むしろ私の価値観を抜本的に変えようと一緒に努力してくれた。(ちなみに手出しは一切されませんでした!笑)

彼女はぶりっこでも男勝りな性格でもなくて、至って普通の女の子だった。化粧をしたいときはして、音楽の趣味は私と被っていたし、意志のはっきりした、そんな女の子だった。

彼女は日本人の私よりも日本愛が強くて、彼女が高校生の時、2週間ほど短期留学したこともあるから、日本のLGBTQ+の現状も理解してるみたいだった。彼女に言わせてみると、日本の現状はアメリカの10年前の状況と似ていると言う。だからか、LGBTQ+に対して柔軟な視点を持っていない私自身への苦悩を察して、

「あなたが悪いんじゃない、だってそういう社会で育ってきたのだから、かけてきた眼鏡をより度数の強い眼鏡にいきなり変えられても瞬時に焦点を合わせるのは、無理に決まってるんだから。」

と言ってくれた。

「それよりも、ちゃんと理解しようと向き合う貴方の素直な心持ちが何よりも嬉しい。その好奇心さえあれば、少しずつだけど、日本も変わっていけるはずだから。」

彼女が発する言葉達は、日本のことを思っているからこそ、より良くなってほしいと言う切なる願いが込もっていて、強く印象に残っている。

私は、性格上、興味さえあれば、分からないことはなんでも分かりたい人だ。だから好奇心を忘れずにこれからも生きていきたい。

自分が同性愛者だと気付いてしまった瞬間、カミングアウトをする側もカミングアウトされる側のリアクション、その一つ一つに適正な対処はできないかもしれない。少なくとも、私はできなかった。一人間として、正しい行動をしたくても感情のほうが先に出てしまった。でも大切なのは、そのあとの行動だと思う。理解し合うための努力だとか、人と共有するだとか、とにかく自分の安全地帯から一歩だけ外に出てみること。

そしたらいつの間にか、自分の理解できる領域が広くなっていて、それが連鎖すれば、日本のLGBTQ+支持層も自然と増えるはずだから。

6月はプライド月間です!私はこれをみて、とても参考になったのでもっと知りたい方はぜひこのリンクを見てみてください!


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