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学校が変わる!開建高校へつなぐ想い〜校章・校歌づくりに参加した塔南生〜

2023(令和5)年4月に、京都市立塔南高校が再編され、新しく京都市立開建高校として開校、6月には、洛陽工業高校跡地(南区唐橋)に校舎が移転します 。

開建高校の開校に向けて生徒が主体的に関わり、校章と校歌の歌詞をつくる「KAIKENプロジェクト」が令和4年3月始動しました。「校章プロジェクト」では、パナソニックデザイン京都の方々のご協力のもと、4つのデザインプロセス「気づく」「考える」「つくる」「伝える」に則り、グループごとに校章案を作成。各グループ3か月半をかけて作成した校章は、プレゼンテーションを経て最終決定しました。「校歌プロジェクト」では、ワークショップの中で校歌の在り方から意見を出し合い、「どんな歌詞を歌いたいか」から、歌詞を作成していきました。その後、歌人 吉川宏志先生が補作詞を、京都堀川音楽高校の平田あゆみ先生が作曲をしてくださいました。完成した校歌は、声楽家 池田真己氏とピアニスト 山下諒氏の演奏で、収録されています。

お話を聞いた人
左から 校章プロジェクトに参加した 片山さん、嵯峨根さん、灘さん
校章・校歌両プロジェクトに参加した 松山さん、佐々木さん、髙井さん

Q:それぞれのプロジェクトの参加メンバーはどうやって集まったのですか?

灘_校章プロジェクトは、校章のデザインをプロと一緒に作っていきたい人はいますか?と学校から呼びかけがあって、やってみたい生徒が集まりました。

片山_他にもイラストを描くことが好きな人、デザインに興味ある人が校章プロジェクトに参加し、22名で進めました。

松山・佐々木・髙井_私たちは両方のプロジェクトに、やってみたい!という好奇心と興味から立候補し参加しました。校歌プロジェクトは11名が参加しました。

Q:校章デザインプロジェクトでは、どんなことをがんばりましたか?

灘_4つのグループでデザインを考えたのですが、私のグループでは、今までにない新しい校章をつくりたいと話していました。開建高校の「やってみたいをやってみる」のキャッチフレーズに惹かれて受験する中学3年生が入ってきて、その子たちの目標や夢がより実現するように、その先の人生までも応援できる学校になったらいいなという想いを込めました。

片山_実はデザインのプロジェクトの前半は、絵や図ではなく、そもそも校章とはどういうもので開建高校らしさには何があるか、塔南高校から引き継ぎたいことなど、校章に込めたい想いやコンセプトから考えました。国語の授業みたいでしたが、やっているうちに「この言葉がこの想いとつながる!」という発見がたくさんあって、それで最後にこんなモチーフがつくれる!と確信できるようになりました。

校章プロジェクトの様子

Q:校章をデザインしていく中で大変だったのはどんなところでしたか?

灘_ゼロからイチをつくることが、いかに大変かを身に染みて感じた半年間でした。普段関わらない学年と全く「はじめまして」からはじまったので、最初は緊張していました。しかし、自分にない意見を取り入れていくうち、私たちいま進歩している!と実感していく瞬間がありました。その体験がふり返るとおもしろかったです。

嵯峨根_完成に近づくと、2つの意見がぶつかり合い、なかなか折合いがつかない場面がありました。こっちの方がいい、あっちの方がいいと暗くなるまで話し合ったこともあります。同じコンセプトから発想しても、全然違う意見をもつ人がいることを実感しました。最終的にはパナソニックデザイン京都の方にも話し合いに入ってもらい、2つのデザイン案について片方の案の良さや表したかった事柄を抽象化し、もう片方の案に組み込もう!という合体案で落ちつきました。

Q:そんなにたくさんの議論ののち、最終的にどんな校章デザインができたのですか?

片山_鳥をモチーフにしたデザインが完成しました。鳥のモチーフには、より良い未来をめざして羽ばたけるように!という想いが込められています。校章の見どころは、3つあります。一つ目は、鳥の身体を構成する6つのパーツひとつずつに、6つの資質・能力が表現されているところです。6つの資質・能力とは、開建高校の教育目標にもある、個性を活かして社会を協創する生徒「協創者」になるために必要な「挑戦力」 「対話力」 「思いやる心」 「学び続ける力」 「協働力」 「貢献志」のことです。
二つ目は、羽の部分です。羽の向きが下の方が羽ばたいているように見えるとか、上の方が、躍動感があるように見えるといった、羽の角度にまでこだわっています。三つ目は、青緑の色です。若葉のようにのびのび育ってほしいという意味が込められています。新入生が新しい校章をみたときに、いろいろなことにチャレンジできそう、自分のやりたいことが実現できそうだと感じてもらえたら嬉しいです。


開建高校の校章デザインとコンセプトについて
校章プロジェクト最終発表会

Q:校歌プロジェクトは、どんなところを大切にして進めましたか?

松山_起承転結のストーリーにしたいという意見が出て、それを意識しました。これまでの校歌のイメージにない、私たちらしい言葉を取り混ぜて、明るい校歌にしたいと話してつくりました。

髙井_開建はこれから創っていく学校。まだ何色にも染まっていない新しさが、開建らしさとして表れるように『白いキャンバス』というフレーズを歌詞に入れました。

開建高校 校歌

Q:校歌プロジェクトをすすめていくうえで、大変だと感じたことはありましたか?

松山_校歌は、3年生を中心に意見も言いやすくスムーズに進みました。考えにつまったときにも、先生方もアドバイスをくださったり、一緒に考えてもらえたのでやりやすかったです。考えれば考えるほど、聞いたことのある歌詞をつかってしまったりして、悩んだこともありました。

佐々木_大事に選んだつもりのフレーズが、他の人には違う意味に捉えられてしまうことがあったりして、言葉やその組合せを決めていくのは大変なんだと強く感じました。でも、1からつくっていくのはおもしろかったです。

校歌プロジェクトの様子

Q:新しい校歌を聴いてみて、皆さんはどのように感じましたか?

嵯峨根_いい意味で校歌らしくない!今の塔南高校の校歌は、落ち着いたイメージ。新しい校歌はアップテンポで今まで聴いたことのない曲調でした。『やってみたいをやってみよう』のメッセージが伝わりやすいと思いました。

松山_校内放送でお披露目したのですが、それを聴いたクラスの友人たちからも、「新しい感じがある!」との感想をたくさんもらいました。

髙井_歌詞は生徒が考えたあと、歌にするためにプロの方に補作してもらうので、そこで私たちが選んだ歌詞は変わってしまうのかなと予想していました。でも生徒たちの意見を結構たくさん取り入れてもらっていて嬉しかったです。


校歌プロジェクトの様子

Q:開建高校につなぎたい、塔南高校の良さはありますか?

片山_クラスや学年の壁を超えて、いろんな活動に取り組んできたことは誇りです。塔南の「協調性」とか「穏やかさ」を、開建でも受け継いでいってもらえたらいいなと思います。

嵯峨根_塔南生として1年間過ごしてきていろんなボランティア活動があって楽しかったので、「ボランティア精神」です。開建でも、みんなで学校内の活動だけでなく、学校外でもたくさんのボランティア体験をして、ビッグな大人になっていきたいです!

松山_先生と生徒の距離が近く、質問、相談もしやすい環境が、塔南のいいところだと思います。開建では塔南よりもクラスの人数が増えるらしく、一クラス80人*に増えて大変だと思うけれど、ひとりでも教え合える友達ができるといいと思います。

佐々木_やりたいと思ったことを応援してもらえる環境です。開建でも、生徒たちがやりたいことをいろんな人に協力してもらって実現してほしいです。

髙井_いろいろな人と関われる授業です。総合的な探究の時間では、クラス合同での授業や企業訪問などで様々な人と関わりながら学ぶことができました。今よりクラスメイトが増えたり、先輩後輩で関わる機会が多くあると聞いています。私自身このプロジェクトを通して、自分以外の人の考えを知り成長できました。後輩たちも、そんないろいろな人と関わる成長の機会があるといいなと思います。

*開建高校のホームルーム教室となるL-pod(ラーニングポッド)は、普通教室4つ分の大きさで、1ポッドに80人の生徒がクラスメイトとして様々な学びを展開していく。

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