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何かを辞めることは、「逃げ」なのか


私は1年半前から塾講師をしていましたが最近退職いたしました。
辛いと思ってしまったからです。
これは、「逃げ」でしょうか。葛藤した自分がいました。

〜辛いと思うようになった経緯〜
教えることは好きで、生徒が壁に直面している時にはその課題を考え、解決策に取り組むことについてはとてもやりがいを感じていました。

でも、生徒によっては中々伸びない子も多かったです。色々と原因を追求し、どうしたら理解できるか、できるようになるかを考えては毎授業で実践する日々でした。

塾に来ているからにはできるようになってほしいと思い、生徒と話して、どうしたらできるかを一緒に話をして、それでも伸びないこともありました。
成績も上がらないので、もちろん上司にもたくさん詰められました。気づいたら、上司に声をかけられるだけで怒られるのではないかと震えている自分がいました。

学校の成績は一朝一夕に伸びるわけではないことは分かりますが、私にとって、目に見える成果がないことは、それに携わる資格がないことと同じでした。

次第に私は自分なりに力を尽くしたつもりでもそれが成果に結びつかないことに、ひどく疲れてしまいました。

私は昔から、満足するまで追い求める性格で
学校のテストでは、平均的に90点以上は取らないと気が済まない性格でした。習い事でも、1位を取ることや代表選手になりたいと思ったら、そのためには当たり前に力を尽くしました。努力したらその分の結果が出るし、しなかったらしなかったなりの結果でしかないということは経験してきたつもりです。

それに、塾というのは人生にも多かれ少なかれ影響するのではないかというプレッシャーもありました。

たとえもし生徒自身や生徒の親が塾や講師にそこまで期待していなかったとしても、気にする性格なので(少なくとも上司からはそのように圧をかけられていたので)
人生を背負っているというプレッシャーはありました。

もちろん、私のおかげでと言ってくださる生徒や保護者もいらっしゃったけど、それ以上に私にとっては成績が上がらないという現実に向き合うことが苦しかったです。

途中で責任を放棄してしまったと言われればそれはそうです。申し訳ないなと感じながら退くのも心苦しかったです。

でもマイナス感情を持ちながら生徒に関わる方がかえって良くないと思いました。生徒にその雰囲気は伝わってしまうと思ったからです。

最後まで結果を残さないと満足できない性格の私が、今回何か残したかと言われれば、パッと答えられないです。だから正直達成感とか胸を張れている状況ではありません。

就活では挫折を乗り越えた経験とかを聞かれるけど、私の場合は逃げだと思われるのでしょうか。
ここで、バイトを辞めずに成績が伸びない生徒に向き合って最終的に志望校に合格させた!っていう功績を作るために頑張ったほうがよかったのかな、とか色々考えました。

でも、私にはもっと自分が頑張らないといけないこともあります。
それは、研究です。
研究こそ自分の中心におくべきものであり、自分が最も力を入れるべきだと思いました。

塾講師の仕事で夢中だった時は、一時期アルバイト>研究になっていました。

だから、この意思決定は私の中では逃げではなく取捨選択でした。

諦めない心で、続けることは大事だと思います。
ですが、少なくとも私は、このまま塾で、ネガティブな感情を持ちながら働き続けることは、自分にとって良いことだとも思えませんでした。
続けることが大事だといってそれを続けたとして、それって誰のためなのか、考えたときに
誰のためでもないと思いました。この状況でやり続けるとすれば、それは生徒のことも考えられていないし、成果を出せば良い功績が得られるという自己満足のためだけにしかならないと思いました。


適材適所という言葉があるように、頑張りたい人が頑張りたい場所でそれぞれ頑張ればいいと思います。

私は、修士論文の書き上げに向けて励んでいきます。がんばります。

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