映画「ザファブル」と平山夢明の小説/ろくでもない世界での"救い"

お久しぶりです。M-1グランプリ視聴後熱も冷めやらぬままですが、今回は別のお話を。(東京ホテイソン、ニューヨーク、オズワルドあたり面白かったです。痛いファンなので有無を言わさず金属バットに敗者復活戦を勝ち抜いて優勝して欲しかったけど)
一昨日「ザファブル」を観たという話です。観てない方も大丈夫なようにネタバレは無しで語らせていただきたいと思いますよ。
「わたしこれすき!」という頭悪い感想しか出てきませんでしたね〜。好き嫌いあると思います。人がようけ死ぬので。で、決して上品ではないし。
しかし私は好きですね~。この、どうしようもないろくでなし感漂う中での"感動"。安田顕さんの演技は必見ですよ。
それで考察してみたんですけど、私自身を。多分この映画が好きなのは多分これが理由だな、というのがあって。それが平山夢明先生なのです。
こんな偉そうなことを言っておきながら、私、ホラー作家である先生の「ホラー小説」をあまり読んだことが無くて。お恥ずかしい。とりあえず少ないですが読んだ書籍を晒しますね。
独白するユニバーサル横メルカトル(まだ全て読んだわけじゃないけど短編なので一応)/ダイナー/デブを捨てに/ヤギより上、サルより下/あむんぜん
いや、実に少ない。これで平山夢明を語るなと言われても反論できない。でも、このラインナップ、平山夢明先生ど真ん中という感じではないですか?
初めて呼んだのは「ダイナー」です。ネットで有名だったから。あんな分厚いのに、当時の厨二全開中坊は一気に読んでしまいました。それから何回か読み返し、他の作品にも手をつけました。本当に読んでよかった!「ヤギより上」とかは初めて読んだ時は少し引いたけど、もう今となっては虜です。「デブを捨てに」も私のバイブルです。
平山先生のろくでなし系の作品(伝われ)には強い憧れもあって、いつかこういうの描いてみたい!と強く思わせるものもあり、本当に大好きな作品です。これが「ザファブル」を観て私が好きになった所と通じるのかなと思います。
普通の裏社会モノでもないし、無論純文学でもないし。本当にジャンル分け出来ないんですよね。だからホラーなんか。救いがなくて、これで終わり?!みたいな終わり方の作品ばかりかと思いきや、ろくでもないのにスタイリッシュで爽快感のある終わり方の作品もあって、めちゃくちゃで大好き。
「ザファブル」と通じるのは、軽快さとシリアスさのダブルパンチであることかな、と勝手に思っています。勝手に。ポップさ全開の所もあるのに(佐藤二朗さん大活躍)、かっこよい科白の応酬やアクションシーン。このギャップがたまりません。こういうのが好き。そして、ろくでもない世界の中での"救い"っていうのがあって、そういうのが私は好きなんだと思いますね。きっと自分では体験出来ないから。遠い存在に思いを馳せて憧れてるのかな。ファブルや、小島や、フードや、砂川や、海老原に。
結論としては「ザファブル」好きな理由、平山先生の影響だわって感想です。おすすめです。頭使わずに観れるよ。続編もあるみたいで楽しみ。では。

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