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嗜好品としての要素がない商品は売れない

洋服店に限らず、日々新しい店が各地でオープンしている。
ほとんどの新店舗はどれもそれなりに外観・内装ともにオシャレである。昭和40年代みたいなボロい外観・内装の店はない。
古民家や長屋を改装したりという場合もあるが、それとてある程度の内装はリニューアルされており、レトロモダンみたいな雰囲気にまとめられている。
いまどき、ブラスチックのテーブルとパイプ椅子を設置する店などない。

これを指して「ファッション化」という。
しかし、この「ファッション化」を「ファッションとしてランクアップさせた」と誤解している人が業界には多くいる。
例えば「低価格ブランドもファッション化している」という文節があったとして、本来の意味は、昭和50年代のダイエーの洋服平場みたいな「モサっ」としたものではなく、低価格店の外観・内装・什器ともにそれなりに平均的に美しくなって売り場そのものの見映えが良くなっているという意味なのだが、これを「低価格品がファッションになった」と誤解する人がおり、そのたびに「低価格品は必需品、ワシらはファッション品」という謎の定型文が登場することになる。

とはいえ、先日のユニクロ×エンジニアドガーメンツポロシャツの爆発的な売れ行きを見ると、十分にユニクロも「ファッション」となっているといえるのだが。(笑)

低価格品に食われっぱなしの百貨店出店ブランドを含めた中級価格帯のブランドだが、98年のユニクロフリースブームからこの20年間、何かの呪文のように「低価格品は必需品、ワシらはファッション」と唱え続けてきたわけだが、この負け惜しみ?を続ける限り、絶対に売れることはないだろうと思う。

先日、なかなか良い考え方が書かれたブログを拝読した。
若い頃に当方も百貨店のメンズ服についていろいろと教えていただいた生地雅之さんのブログである。

今やGMSの肌着や靴下、ユニクロのフリースでさえ、必需品で無く必欲品と意識しないとマーケット判断を間違うのです.

とある。要は「本来の意味でのファッション化」したことで、低価格衣料品であってもある程度の「必欲品(嗜好品)」としての要素がないと売れる物ではないということである。
先ほども挙げたユニクロ×エンジニアドガーメンツのポロシャツなんてその最たる例だろう。


1990円と2990円のポロシャツなんて本来は低価格品で、それこそ「必需品」「ファッションではない」と見なされてきた商品だが、エンジニアドガーメンツとのコラボという「付加価値」を与えたことで、必欲品・嗜好品として認知され、ユニクロの膨大な生産数量でさえ、色柄サイズによっては売り切れるという状況になっている。
必需品としてのポロシャツなら複数枚買う必要はないが、嗜好品としての認知がされたために、複数枚の購入者が数多く現れた。当方も3枚買ったからそのうちの一人ということになる。ちなみにマサ佐藤氏も2枚買った。
ユニクロ×カウズのTシャツもそうだろう。当方はカウズのグラフィックにあまり魅力を感じないが、これも柄によっては完売している品番がある。

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