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片付けたら、自己肯定感が上がった話。

私は「片付けができないタイプ」なんだと思っていた。

仕事をすればデスクは物で埋め尽くされるし、在宅勤務で退勤して机を見るとマグカップが3つもある。スマホは毎日無くす。Kindleは1台どこかに消えた。おまけに、片付けたとしても子どもが片っ端から気になるものを引っ張り出して自分勝手にあちこちに動かすうえに、テレビの周りに並んだオモチャを片付けると怒るなど、こだわりも強い。家の中はカオスになっていた。

そんななか、夫が「片付けのプロを呼ぼう!」と手配してくれて、休みの日に3時間来てくれることになった。

結果、大変よかった!

片付けをしてもらうのではなく、アドバイスをもらいながら一緒に片付けていくような形だった。おもちゃの片付けを頼もうとしたけれどムスメに「だめ」と言われてしまったので、仕方なくキッチンを片付けることに。

片付けの基本は、いたってシンプル。

1.全部出す
2.カテゴリごとに分類し、いらないものは処分する
3.使用頻度の低いものを奥に、よく使うものを手前にしまう

今までもこの方法で片付けをしている、つもりだった。だけど、今までは引き出し一つごとや、棚ごとなど、場所ごとに片付けをしていた。

今回は、「食材」や「食器」「調理器具」といったキッチンにまつわる「モノのカテゴリ」で考え、関連するものはすべて集めて、それから片付けるのだ。

まずはキッチンにあるものを全て出し、その上で、玄関にあるストック用の水や、夫の実家から届いた米、仕事部屋に隠しているわたしの秘密のおやつなど、同じ「食品カテゴリ」のモノも、全部出すのだ。頭の中で「キッチンに入り切らないもの」と勝手に分類してしまっていたけど、一旦全て集めてみる。そしてプロのアドバイス通りに分類してしまっていくと、驚くべきことに全てちゃんとキッチンに収まった。出しっぱなしだった鍋類や秤などの調理器具も、片っ端からちゃんと棚に収まった。

プロに頼んだのがキッチンだったのが大正解だったかもしれない。
キッチンはよく使うし、導線が複雑になりがちなので、ゴミ箱の配置などは、普段の使い方を詳しく聞いてくれた上で、良いアドバイスをもらった。おかげでキッチンがとても機能的で使いやすくなり、料理や食器洗いへのストレスが激減した。

料理でイライラしたり疲れたりしていたのは、散らかっていたり、導線が悪かったせいでもあったのだ。片付けをしたその日からキッチンを使うのが楽しくなり、ストレスなく料理ができるようになっている。

この心地よさに病みつきになり、同じ要領で、本棚や仕事スペースも片付けてみた。

家中のあちこちに本があるのが当たり前になっていたけど、全て本棚に収まったし、本棚に余白まで生まれた。流動的な「図書館の本」だったり、毎朝書いている紙のノートを置く場所まで生まれた。創作を日課にしたいとずっと願っていたけど、創作にまつわるものの居場所が生まれたことで、かなり快適に続けられそうだ。

そして、これは来てくださったプロの方との相性もあるのかもしれないけど、「散らかっていることを否定しない」「無理に捨てなくて良い」というスタンスで、徹底的に「いつもどうしていますか」「どういう風になったら理想的ですか」と聞く姿勢でいてくれたのに助けられた。「分類がこんなにスムーズにいくご家庭も珍しいですよ」「ご夫婦で一緒に片付けたから、どちらがお料理するときも使いやすくなりますね」などと、肯定的な言葉もたくさんかけてくれた。

お陰で、すっかり調子に乗って「片付けって、いいな」と片付けが好きになってしまった。

片付けができない人というのは、いつも周りから責められている。怒られ、否定されてきているので、「片付け」という言葉を聞くだけで暗い気持ちになる。だけど、3時間徹底的に「聞いて」くれて「褒めて」くれると、心の中の意固地になっていたところが緩んでいくようだった。

それに片付けの過程で気づいたことがあった。
子育てを頑張っていることも、散らかる理由の大きな一つだったのだ。

片付けができない自分はどこか欠陥があるのではないか、と思っていたけど、キッチンから発掘される謎のモノは、その多くが子どもに関するモノだった。

哺乳瓶を消毒液から取り出すときのトングや、離乳食を大人が食べさせるとき専用のスプーンなど。いつの間にか役割を終え、目まぐるしく変化していく育児の日々に追いやられて放置されていたモノたちだ。

そして、後日片付けた時には、クローゼットのカバンやコートのポケットからも色々出てきた。2〜3枚の束になった絆創膏は「子どもが転んだ時のために」と出がけに慌てて突っ込んだものだし、ハンカチは「これはやだ」と柄を拒否された時のために複数枚入っていた。子どもと出かける時に準備して、帰ってきても怒涛のお世話があるので片付ける余裕もなかったのだ。

そろそろ、子育ての慌ただしさも落ち着いてきた。

子ども最優先でいつも焦って先回りしてあれこれ準備していたけど、少し自分のために片付ける余裕を持ってもバチは当たらないのではないか。片付けが嫌い、できない、と思っていたけど、「自分はダメ。片付けはできない」と自分にレッテルをはってしまっていた部分もあったみたいだ。

片付けが苦手な人は「自分には快適な暮らしをする権利がある」と信じられるようになると、変化が生まれるかもしれない。

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