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NYU大学院留学:初めての学期を終えて思うこと(Part1)

皆さん、こんにちは。時間の流れは本当に早いものですね。2019年9月にニューヨーク大学大学院への留学を始めた私ですが、初めての学期が昨日終わりました。この記事では、とにかく走り抜けたこの約四ヶ月の間に私が何を感じてきたのかを書いていきたいと思います。

第一印象:日本人が全然いない

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留学を始め、私がまず始めに強く実感したのは、日本人が全然いない。。。ということでした。アメリカに留学したのだから当たり前だ、と思われるかもしれません。しかし、留学生だけでみても、日本人が本当に少ない印象です。具体例として、私の経験を二つお話ししたいと思います。

まず一つ目の経験は、アメリカに着いてまだ間もない頃、オリエンテーション後にあった、交流イベントに参加した際のことです。そのイベントには各国から集まった生徒が約80人程参加をしていました。その会において、司会者の方が「自分と同じ国出身の人がこの中に他にいないと思う人挙手!」という形で問いかけを始めたのです。何人かが早速挙手をし、実際に他にその国の出身者は他にいないかどうか司会者の方が問いかけるようなやりとりが続きました。私は、さすがにこれだけの人数がいれば数人は日本人いるだろうと思いながらも、一応。。。と思い挙手をし、「Japan」と叫びました。結果、その会場に日本人は私だけでした。後々分かったことですが、そのイベントの参加者に限らず、私が現在所属しているニューヨーク大学大学院心理学部には、日本人留学生は私だけでした。ちなみに、私の学部では、100人程度の学生がいますが、ざっくりと国内学生と留学生の比率は6:4程度だと思います。

二つ目にお話ししたいのは、銀行口座を開設した際の話です。もちろん口座を開設するためには、英語で頑張って会話をする必要があったのですが、無事クリアし、私は口座を開設することができました。その後にATMを使おうと思い、画面を見たところ、言語選択のボタンがあったので、日本語に変えようと思いそのボタンを選択しました。しかし、6つ程言語の選択肢があるのにも関わらず、日本語がないのです(中国語をはじめとして、フランス語、韓国語等があったと記憶しています)。私は、交流イベントの出来事があり、日本人の留学生は本当に少ないのだという印象を持っていたものの、それでも社会人でNYに来ている人は多くいるはずで、6つの言語の選択肢があれば、優先度的にその中に入っているだろうと思っていました。たかだかATMの言語選択の話ですが、私の中で、世界から見た日本の存在感は想像以上に低くなっているのではないかという危機感を抱くようになりました。

留学は個人戦じゃない、団体戦だ

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私は、この日本人が少ない環境が何を意味するのか、最初はよく分かっていませんでした。しかし、この環境が後々になってジワジワと効いてきたのです。留学は、何もかもが本当に手探りから始まります。勉強だけに限らず、食事や健康管理、お金の管理、次から次へと襲ってくる初めての事に必死に立ち向かっていく戦いです。そんな時に必要なのは、頼れる先輩方、特に日本人の先輩方からの情報なのです。いやいや、他にも先輩は学校内にたくさんいるのだから、英語ができるのであればいくらでも情報収集の術はあるのでは?それはその通りかもしれません。しかし、留学というただでさえストレスのかかる環境の中で、文化も言語も異なる人から助けを得るというのは、文字で書くほど簡単ではありません。また、同じ国出身だからこそ、共感できたり、共有できる考えや思いもあります。

そういった意味で、アメリカにおける中国人コミュニティはとても強く、横から見ていて、とても羨ましいものでした。特に私がそれを痛感したのは、所属する研究室を探している際でした。私は、全く伝手を持っていなかったため、関連する全ての研究室を自分で調べ、その中でも特に興味のある研究室に所属している学生やポスドクの方、もしくは教授に直接にメールを送り、話を聞く機会を得るというような人力クローリング戦法で進めました。もちろん、メールが返ってこないことは日常茶飯事です。一方で、中国コミュニティでは、そのような情報がコミュニティ内に溜まっています。そのため、わざわざ全て手探りしなくとも、重要な情報をうまく手に入れやすいのです。また、多くの研究室に、中国人留学生はいるので、実際に研究室に所属してからその研究室に馴染むまでの過程もよりスムーズに進みます。たとえ、普段の会話は英語だとしても、どうしてもという時に母国語で話ができるというのは、留学生の気持ちを非常に楽にしてくれるものです。

私は、この同じ国出身者の中での情報共有が、留学の成功やその後の将来に大きく影響していると強く思っています。今はとにかく仲間が足りないのです。仲間をどうにかして増やすのか、それとも少ない仲間だとしてもうまく繋がる方法を見つけるのか、何れにしてもこの点は、日本人の海外での活躍を促進する上では、とても大切な問題だと思います。

自分の意見を持つ力の不足

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話は大きく変わりますが、これは、私が一学期の授業を終えてまさに今痛感している課題感です。皆さんもよく聞かれた事があるかもしれませんが、アメリカの授業では、ディスカッションが頻繁に行われ、そこで個人の意見が求められます。しかし、意見が全く浮かばず、何も言えないのです。私は当初、これは英語のスピーキング能力の問題だと思っていました。しかし、これは英語の問題ではなく、思考能力の問題だと気づきました。と言うのも、日本語でその問題を考えたとしても、何も意見が浮かびませんでした。

私のこの根本の問題は、これまでの人生を通じて、正解を出すことを目的に思考をしてきたことだと思っています。学校のテストで問われるような問題には、基本的には正解があり、私は何が正解で何が不正解かをひたすらと学んできました。最近では、何か問いにぶつかったとしても、Google様がすぐに正解を教えてくれるため、以前よりもより効率よく正解を導く事ができるようになりました。そのような正解を導くための過程では、自分なりの考えは必要なく、とにかく正解が重んじられます。

また社会人としても、ある意味私は正解を探してきました。つまり、上司が求めていることを正解として、いかにそれに近い回答を出せるかを追求していました。ここでも同じように、その過程において、自分の考えは必要ありません。そのような生き方をしてきた結果、自分の考えを持つということが出来なくなったのです。正直なところ、この課題をどう乗り越える事が出来るのかまだ分かりませんが、とにかく自分の意見を持つという経験値を積んでいくことが重要なのだと思っています。

ここまでツラツラと書いたところ、何となくネガティブな内容になってしまいました。文章も長くなってきたので、後日、Part2として、留学で感じたポジティブ面はまとめていきたいと思います。
(追記) Part2は以下のリンクよりご覧ください。

結論:元気に留学頑張っています!!!(笑)そしてこれからも頑張ります!!!

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