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ハイチ | ミュージック・ジャーニーvol.51

みんおん -民主音楽協会-

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島のうち、西側3分の1を占めるハイチ共和国へ、駐日ハイチ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

ハイチはどこまでも続く美しい浜辺と、国土の約75%を占める山岳が特徴の自然豊かな国です。また、豊かな文化と遺産に恵まれ、深い歴史と精神性を受け継いできた国でもあります。かつてはフランス植民地下にあり、「カリブ海の真珠」と呼ばれ、豊かな資源によってフランス経済を支える重要な拠点となっていました。

国家として独立したのは1804年であり、これはラテンアメリカでもっとも早いタイミングです。また、世界初のアフリカ系民族による共和国でもあります。

ハイチの旅のしおり
・ハイチの伝統音楽「コンパ」の歴史を学ぼう
・ユネスコ無形文化遺産に登録されたカボチャの「スープジュム」を味わおう
・クルーズ船「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」でラバディの美しい海を訪れよう
・「ヘイシャンアート」のギャラリーでお気に入りの絵画を見つけよう

現在は度重なる自然災害により、厳しい経済状況や政情不安に見舞われていますが、困難に直面しながらも復興への足取りを力強く歩んでいます。今回は「音楽と復興」をテーマにハイチを旅しましょう。

ハイチの伝統音楽「コンパ」「トゥバドゥ」

美しい海と広大な山々に育まれたハイチの音楽は、「ヘイシャン・ミュージック」として世界的に高く評価されています。ハイチの伝統音楽には、厳しい現実や困難を乗り越える力が秘められており、復興の源泉として現代でも深く息づいています。

ハイチでもっともポピュラーな音楽のジャンルと言えば、「コンパ」が挙げられます。コンパの原型となっているのは、19世紀半ばに東隣のドミニカ共和国から伝えられた「メレンゲ」です。

メレンゲとはアフリカとヨーロッパの音楽要素が融合したジャンルで、テンポの良い2拍子のリズムが特徴のダンスミュージックです。1950年代になると、ハイチの音楽家ヌムール・ジャン=パティストによって、メレンゲよりもテンポをゆったりさせた「コンパ・ディレクト」が生み出されました。その後、コンパ・ディレクトをもとに生まれたのが現代のコンパです。

さて、旅のはじまりは、2009年に開催したカリブ海ミュージック・クルーズ『ハイチ 情熱音楽』民音公演より、“ミニ・オール・スターズ”セレクトの演奏で、コンパのナンバー「オリジナル・コンパ」をお送りします。陽気なアンサンブルとゆったりと心地良く刻まれる2拍子のリズムをお楽しみください。

「オリジナル・コンパ」

コンパと並び、ハイチで人気のある音楽のジャンルに「トゥバドゥ」があります。トゥバドゥでは基本的にドラムスを使用せず、パーカッションやベース、ギター、バンジョーなどでリズムを作り、そこから生み出される素朴なサウンドが特徴です。ここで、同公演より、「トゥバドゥ」のナンバー「エモーショネル」をお聴きください。

「エモーショネル」

ハイチの食文化

ハイチの食文化は、フランスの伝統的な料理技法と西アフリカのスパイスが融合して成り立っています。主な食材は米、小麦粉、トウモロコシ、野菜、豆、魚、ひまわり油などであり、肉や黒豆の炒め物、乾燥した黒いキノコからとるダシを使った料理など、風味や色合いに工夫を凝らすのがハイチ料理の特徴です。

ハイチの伝統料理「スープジュム」

ハイチの食文化を代表する料理に、クレオール語で「スープジュム」と呼ばれるカボチャのスープがあります。
スープジュムはサザエや肉、野菜、その他ハイチ原産の食材で作られ、ハイチでは独立記念日の1月1日に食べるのが伝統となっています。スープジュムそのものは独立前から作られていたものの、当時はハイチを支配していたヨーロッパ諸国の人々にのみ味わうことが許され、奴隷となっていたハイチの人々には禁じられていました。

フランスからの勝利と奴隷解放により、初めて自由に食べられるようになったことから、このスープはハイチの人々にとって自由と独立を象徴する意味合いを持つようになっています。こうした歴史的経緯も踏まえて、2021年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。

カリブ海の美しいビーチを堪能できる半島「ラバディ」

ラバディは、美しい海と浜辺が魅力の国内屈指の観光地です。世界最大規模の客船会社ロイヤルカリビアン・インターナショナルが所有するハイチのプライベート半島で、ロイヤルカリビアン・クルーズの乗船者にのみ立ち入りが許されています。

ラバディを含めたカリブ海の名所を数日かけて巡るクルーズツアーは、広く人気を集めていますが、なかでも22万トンクラスの世界最大級のクルーズ客船「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」は、まるでテーマパークを丸ごと船上へ載せたようなスケールと設備が魅力です。新型コロナウイルス感染症の拡大により2年間の休業を余儀なくされましたが、本年2022年に運航が再開され、ハイチ経済に再び活気をもたらすきっかけとして期待されています。

さて、ラバディの美しい海を見ながら、ここで再びハイチの音楽に耳を傾けましょう。トゥバドゥのなかでも、メランコリックな曲調でしっとりと聴けるナンバー「アン・トゥ・フランシ」をお送りします。

「アン・トゥ・フランシ」

アートの街 首都ポルトープランス

ハイチは優れた絵画が多数生まれるアートの国としての側面も持っており、洗練された「ヘイシャンアート」は世界的に高い人気を誇っています。特に、首都ポルトーフランスでは、さまざまなギャラリーで多様な作品を鑑賞できるほか、ストリートやマーケットでも若手画家たちの特色豊かな絵画が販売されています。

ハイチを訪れたときには、ポルトープランスで自分だけの特別な一枚を探してみるのはいかがでしょうか。

ここで、多数の著名アーティストにカバーされてきたラテンの名曲「オジェ・コモ・バ」をお聴きください。

「オジェ・コモ・バ」

ハイチ大使館推薦の音楽家

つづいて、駐日ハイチ共和国大使館推薦のハイチを代表する音楽家、「タブー・コンボ」をご紹介します。

タブー・コンボは、1967年にポルトープランス郊外のペシオンヴィルで結成されたコンパバンドです。

1970年にテレビ放映されたタレントコンテストで「ベストミュージカルグループオブザイヤー」を受賞して以降、一躍有名になり、半世紀にわたって世界各国のコンサートホールやストリート、ナイトクラブなどで公演しています。

今回は、彼らの曲の中から、3曲をお楽しみください。

1.Yo

2.Lakay

3.Fenomen Tabou

旅の終わりに、新世代コンパグループ「エンポシブ」の最新アルバム「カーマスートラ」に収録されている楽曲をお聴きください。

4.Overdose featuring Phelicia Ross

皆さん、ハイチへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日ハイチ共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-


ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/11858/min-on-music-journey-no-51-haiti/

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