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クロアチアってどんな国? | ミュージック・ジャーニーvol.56

アドリア海の真珠と称されるドブロブニクの美しい街並み

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、バルカン半島の北西部に位置するクロアチア共和国へ、駐日クロアチア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

クロアチアは九州の1.5倍ほどとされる面積に、およそ400万人の人々が住む国でありながら、年間で人口の4倍を超える約1,800万人もの観光客で賑わうヨーロッパでも指折りの観光大国です。

なかでもアドリア海沿岸に位置する「ドブロブニク」の美しい街並みは、スタジオジブリのアニメ映画『紅の豚』の制作において、舞台の参考にされたエリアとしても知られています。

クロアチアの旅のしおり
首都ザグレブ
・ノスタルジックなヨーロッパの景観が残る旧市街をゆったり歩こう

港町ドブロブニク
・ロープウェイで空からアドリア海の絶景を堪能しよう
・クロアチア最大の芸術祭「サマーフェスティバル」に参加しよう
・海沿いのレストランで新鮮なシーフード料理を味わおう

第二の都市スプリット
・世界遺産に登録された宮殿と史跡群を観に行こう

今回は、クロアチアを旅するならぜひとも訪れたい3つの都市を音楽とともに巡りましょう。

古き良きヨーロッパを思わせる首都ザグレブ

クロアチアの北西部に位置する首都ザグレブは、約80万人の人々が暮らす経済・文化の中心地です。ザグレブの魅力は、なんと言っても建造物の美しさにあります。

旧市街にはルネサンス様式やバロック様式などの多様な建物が立ち並び、古き良きヨーロッパを思わせるノスタルジックで格調高い街並みが広がっています。

一方で、イベントやマーケットで賑わう「イェラチッチ広場」や、ザグレブでもっとも古いとされる「ドラツ市場」など、市民の気取らない生活をありのままに感じられるエリアでもあります。特に赤と白のパラソルが目印のドラツ市場は、近くでとれた新鮮な食材が並ぶ地元密着型の市場であり、「ザグレブの胃袋」とも呼ばれています。

ここで、民音が2006年に招聘したクロアチア国立民族合唱舞踊団 “ラド” の公演から、ザグレブ近郊のプリゴリェ村に古くから伝わる民族舞踊をお届けいたします。婚礼の準備で女性たちが料理をしている最中に踊られたダンスです。

陽気な音楽と踊り、色彩豊かな衣装が見どころであり、衣装はプリゴリェ村が高級住宅地へと変貌を遂げた今でも、各家庭で大事に保存されています。

民族舞踊 “Prigorski plesovi”

アドリア海の真珠 港町ドブロブニク

クロアチアの最南端、アドリア海沿岸部に位置するドブロブニクは、古くから地中海交易の拠点として栄えた港町です。高さ25mもの城壁に囲まれる城塞都市でもあり、そのなかには、さまざまな建築様式で建てられた教会や宮殿、噴水などの建造物が美しく並んでいます。

ドブロブニクの魅力を味わうなら、空からの眺めを堪能できるロープウェイがおすすめです。紺碧のアドリア海をバックに、白壁とオレンジ色の屋根が連なる風景は「アドリア海の真珠」とも称され、世界中の人々の心を惹きつける観光名所となっています。

ゆっくりと景色を楽しみたい方は、石畳が特徴的なメインストリート「プラツァ通り」沿いで、レストランやカフェを探してみるのも一つです。港町ならではの新鮮なシーフード料理を、テラス席で味わうのが人気の楽しみ方です。

さて、ドブロブニクでは、毎年夏になると、国内最大の演劇・音楽・舞台イベント「ドブロブニクサマーフェスティバル」が開催されます。開催期間は7月10日から8月25日にかけての45日間と長期間で、ドブロブニクのロマンチックな街並みを舞台に、世界中から名だたるアーティストが共演する夢の祭典です。

古代と中世の建物が融合する街 スプリット

ドブロブニクからアドリア海沿岸を少し北上すると、クロアチア第二の都市スプリットに到着します。スプリットの旧市街は、4世紀の初めにローマ皇帝を退位したディオクレティアヌスが住んだ宮殿が、そのまま街の基本的な構造になったというめずらしい起源を持っています。

国内でも特に古い歴史を持つ都市であり、古代と中世の建物が入り混じる街並みは、「スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿」として、1979年に世界文化遺産に登録されています。

さて、クロアチア北東部では、低地を中心に多種多様な楽器が発達してきた歴史があります。ここでは、再び“ラド”の公演から、伝統楽器の音色を楽しめる「ソカチュの集会」という間奏曲をお聴きください。

旅のおみやげ クロアタのネクタイ

首都ザグレブには、世界的に有名なネクタイ専門店「クロアタ」の本店があります。クロアチアには「ネクタイ発祥の地」としての顔もあり、諸説はあるものの、起源は17世紀頃にまでさかのぼります。

クロアチアの豆知識:ネクタイ発祥のストーリー

クロアチアではもともと、戦地に赴く男性兵士に対して、無事を願う女性がスカーフを首に巻き付けるという風習がありました。現在の婚約指輪のような存在であり、戦場に行っても待つ準備ができているという女性からのメッセージでもありました。

17世紀に三十年戦争が起こると、クロアチアの軽騎兵が派遣されていたフランスでは、そのスカーフ姿の美しさに注目が集まります。そこからファッションとして発展し、ヨーロッパ、アメリカ、そして全世界へ広まっていったのが起源とされています。

クロアチア大使館推薦音楽家

最後に、駐日クロアチア共和国大使館が推薦するピアニスト・西井葉子さんをご紹介します。

西井さんは、日本とクロアチアを拠点に国内外で広く演奏活動を行い、両国の文化の懸け橋として活躍するアーティストです。クロアチアを含む旧ユーゴスラヴィア諸国の作曲家の研究にも取り組んでおり、2015年2月には、クロアチアの女流作曲家ドラ・ペヤチェヴィッチ(1885-1923)のピアノソロ作品全曲を収めた世界初のCD『ドラ・ペヤチェヴィッチ:ピアノ作品全集』(2枚組)をリリースしました。同CDは、『レコード芸術』誌にて準特選盤に選出されています。

ここでは、ドラ・ペヤチェヴィッチの作品を含む3曲をお楽しみください。

1.「ばら」ドラ・ペヤチェヴィッチ

2.「無言歌 ハ長調 Op. 5」ドラ・ペヤチェヴィッチ

3.「ノクターン 嬰ヘ短調 Pf. 西井 葉子」リヴァディッチ

プリトヴィッツェ湖群国立公園

皆さん、クロアチアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日クロアチア共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-


ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/12100/min-on-music-journey-no-54-croatia/

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