怒らない=優しい?
滅多なことじゃあ怒らない私のことを周りのみんなは優しい人だと言う。確かに怒りを表面に出すことはごく稀だけれど、私だって腹が立つときもあれば、頭の中で目の前の相手に罵声を浴びせたりもする。あくまで頭の中だけの話だけれど。本当に優しい人はきっと、そんなことはしないはず。
そんな時、ふとこんな考えを目にした。
怒らない人は周りに期待していない。
つまり何もしてもらえない、一緒に居てくれるとも思っていない、と言うことだろうか。
私はそんな強い生き方はできないな、と思った。周りの人は大体、私に良くしてくれる。そして、いい人たちばかりである。そんな周りの人たちに、どうして期待しないなんてことができるだろうか。私は一人じゃ何にもできない木偶の坊だから、人に頼らせてもらって、楽しく生かしてもらっている。そんないい人達に囲まれて、何もしてくれない、なんて思えるはずがなかった。
じゃあ、私が怒らない理由は何だろう?
その答えはすぐに出た。
自分に自信がないからである。自分の感情にさえ、自信が持てない。
予定を狂わされて、僅かな苛立ちを覚える。その時私は、相手の時間を考えられなかった私が悪い、期待した自分が悪い、文句を言って気まずくなってしまったらどうしよう。そんなことばかり考える。
きっとこの文章を読んでくださった方の中には、文句を言ったり、苛立ちをぶつけたりする人もいるだろう。私は正直、それが羨ましい。苛立ちをぶつけられるのは、相手を信頼しているから(もしくは切れてもいい関係だから)ではないだろうか。
自分が悪い事にしてしまえば、全ての問題は案外解決する。
相手が約束に遅れて来たときは、忙しい時に呼んでしまって申し訳ないと考える。自分だって遅刻したことがあるから、怒れる立場なんかではない、と思う。
誰かが棚からお皿を落として割ったときは、危ないなぁと思いながら片付けなかった自分が悪い、気をつけてね、と一言言葉をかけなかった自分が悪いと考える。
生きづらいんじゃないかって?
そりゃぁね。
でももう、これ以上の考え方がわからないし、この考え方に慣れてきてしまっている。そして自分ではこれが正解だと思ってしまっている。でもきっと、私の考えは、正解なんかじゃないのだろう。ほら、また自信がない所が見える。
私と違う意見の方、是非ご教授ください。
そして、私のような考えの人もきっと、少なからずいる事を頭に留めておいていただければ幸いです。