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クリープハイプ『夜にしがみついて、朝で溶かして』ライナーノーツ

約3年3ヶ月ぶりのアルバムリリース、おめでとうございます!!
尾崎さんのブログで、ライナーノーツを楽しみにしていることを知り、“これは書かねば、、!”と思い、レディクレに向かう新幹線の中、書いているところです。
書き始めるにあたって、『ライナーノーツ』とは、なんぞや?と言葉の意味を調べてみると、音楽レコードやCDのジャケットに付属している冊子に書かれる解説文のことでした。ただ感想を書くだけではダメなのか、、!と、とてもプレッシャーを感じますが、今回は私の大好きなクリープハイプについてなので、自由に書いてみようと思います😌

目次
アルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』
01.料理
02.ポリコ
03.二人の間
04.四季
05.愛す
06.しょうもな
07.一生に一度愛してるよ
08.ニガツノナミダ
09.ナイトオンザプラネット
10.しらす
11.なんか出てきちゃってる
12.キケンナアソビ
13.モノマネ
14.幽霊失格
15.こんなに悲しいのに腹が鳴る


01.料理
 ほとんど料理をしてこなかった尾崎さん、調味料も買ったことない、と言うほどなのに、『料理』を題材で書いてしまうなんて!すごいです!歌詞の至る所に、料理と男女の関係をうまく言葉遊びで表現されていて、尾崎節炸裂してるなぁと思いました。
 “そばにいてくれたら それで腹が膨れる”という歌詞が、私にはとても分かりやすく、心にグッときました。『ただ』という曲が高校生の頃から大好きで、歌詞の中の“ただそばにいて とか言えなくて いつもその理由を考えてしまう”がふと頭の中で流れました。“ただそばにいてのただが何かを恥ずかしくなって考えてしまう”けれど、一緒にいたい理由なんて特になくて、ただそばにいてくれるだけでいいんだよな、それだけで満たされる(腹が膨れる)んだよな、と主人公が振り返っているように感じました


02.ポリコ
 可愛らしい曲名だなぁと思ったら、ちゃんと意味があるところに、やっぱり尾崎さんだなぁと感心させられました。ポリティカル・コネクトレス⇨ポリコレ⇨ポリコ、納得です!アニメ『ハイパーポジティブよごれモン』毎週とても楽しみにしながら見させていただきました☺️錆崎くんが出た時は、尾崎さんが声優をされていて、とてもテンションが上がりました!!ポリコの存在が私にとって大きく、家の中の汚れさえも愛おしく思うようになりました。ちょっと掃除するの抵抗あったけど、年末にはちゃんと掃除してあげましたよ!

MV『ポリコ』“よごれモンバスターズ”
ハイパーポジティブよごれモン

03.二人の間
 歌詞だけ先に見た時、“まぁなんかその ちょっとあの”と珍しい歌詞が来たなぁと感じていました。“違う違う は え 何が”の歌詞に、どんなメロディーがつくんだろう?と聴くのがとても楽しみでした!芸人ダイアンさんを思ってつくった曲だったんですね〜 ダイアンさんたちが歌う『二人の間』とても好きで、クリープハイプver.も、尾崎さんだったらこうやってら歌うのね〜とどちらも楽しませていただいています!

お笑い芸人 ダイアンへの楽曲提供


04.四季
 本当はバイクでツーリンのMVを取る予定が、免許が取れず自転車で、、でもこののんびりとした平和な曲には自転車の方がしっくりくると思います!もしかして尾崎さん、そこも計算済みですかね?笑 なので、私も自転車を漕ぐたびにこの曲を思い出しては口ずさんでいます。歩いてイヤホンから『四季』を聴いている時も、自転車とすれ違うだけでなんだか嬉しくなります。どんな時もクリープハイプと結びつけて、勝手に幸せを感じています。
 春から夏、秋、冬へと日本ならではの『四季』がとても素敵に表現されている曲だなと感じます。“どうでもいい時に限って降る雪”、なんだかわかる気がします。高校生の頃、確かクリスマスよりちょうど1ヶ月早く雪が降り、意味もなく友達と外へ出てはしゃいだのを覚えています。
“年中無休で生きてるから疲れる”という表現を尾崎さんがしてくれたからこそ、きっと多くの人がこの歌詞に救われていることと思います。なんとなく頑張らないと、と思ってしまうけれど、ただ今を維持することもすごいって認めてもらってる気がして、とても好きだなぁと思いました。

05.愛す
 とにかくMVの内容が濃くてとても衝撃を受けたのを覚えています!一回では理解しきれず、なんとか理解したいという思いで何回も何回も繰り返して見ました。一回目では見つけられなかった見どころがたくさんあり、その一つ一つを見つけていく驚きと発見が楽しかったです。特に、“イメージキャラクターのンダナーさん”が、『んだなー』と吹き出しで話しているところが可愛いらしくてお気に入りです。
 『愛す』と書いて「ブス」と読ませる、、捻くれた愛だなぁと思いながらも、やっぱり愛おしいと思ってしまいます。愛おしいを通り越して、逆にブスになってしまう気持ちも、なんとなく理解できるようになりました。尾崎さんの奇想天外なことに対して、世の中が反応するたび、誇らしく思います。

06.しょうもな
 自分は“アホでバカ”という自覚があり、本当に呆れてどうしようもない気持ちになった時、いつもこの歌詞の冒頭に救われています。たぶん尾崎さんはそーいった意味では書いていないと思いますが、“馬鹿だなってよく使うけど”と聴いていると自然と、自分に対する色々な感情が浄化していき、気持ちが楽になります。そんな訳で、私はしょっちゅうしょうもなにお世話なっております。

07.一生に一度愛してるよ
 クリープハイプを変わってしまったと嘆き初期ばかり聴いている人の気持ちを表したり、新しいバンドを好きになって離れてしまったファンをコウキが好きになったのね、と表したり、皮肉たっぷりなのになんだかとても愛おしいです。
 “初めてみたいにドキドキさせて”の部分、自分の恋愛に置き換えると、ほんと共感でしかありませんでした!初めて手を繋いだ時は両腕が筋肉痛になるほど緊張したのに、いつのまにか慣れてしまい、もうなんとも思わなくなってしまったことを思い出しました。
 京セラドームで初めてこの曲を聴いた際、尾崎さんが“ちゃんと奥まで刺してよ”の部分を私たちに求めているように見えて、コロナも終わりライブで声が出せるようになったら、一緒に歌いたいなぁと思いました。ヒーイズのような、参加型の曲、大好きです!!
 カオナシさんの“103です”も、終わりの一文“死ぬまで一生愛されてると思ってたよ”も、太客への愛を感じる大好きな歌詞です。

08.ニガツノナミダ
 唐突に“チョコ”から入り、クセになるメロディーで、Wi-Fiの内容もとても共感しました。制約の中でちゃんとやることはやって、30秒経てばクリープハイプらしい好きな歌詞で、残りの余生を楽しんでいるところも好きです。“ならしばられるな もうしばられるな でも「しばられるな」にしばられてる あいつ魂売りやがって 使い放題だから安心だ”という歌詞にクリープハイプが詰め込まれているなぁと嬉しく思いました。
 最後の“ここはここ”も短いけれど、人の解釈によって意味が変わってくる気がして、なんか好きです。

09.ナイトオンザプラネット
 クリープハイプの日9/8に初めて聴けたことが絶対に忘れられない大切な思い出です。尾崎さんがハンドマイク、カオナシさんがキーボード、ユキチカさんはエフェクトてな珍しい音、拓さんは敢えてドラムを叩かないことで存在感を出されていて、(なんだこれ!!)と衝撃を受けたのを覚えています。初めて聴いたのに、涙がぶわっと込み上げてきて、一瞬で心を持っていかれました。必死に歌詞に耳を傾けて、雑誌を買ってからは歌詞だけを何回も何回も読み返しては、記憶を頼りにメロディーを思い出して口ずさんでいました。尾崎さんにとっても大切に温めてきた曲と伺いましたが、私にとっても大切に温めてこれた曲です。
 子どもの頃、寝る前に家族で韓国ドラマの「チャングム」を観るのが習慣で、その頃の私は吹き替え派だったけれど、大人になった今では字幕派になっていました。きっと“命より大切な子供”ができたら、また吹き替え派に戻るのかなぁと検討もつかない先のことを考えたりもしました。
 ママになってもクリープハイプにしがみついていきます!

映画「ちょっと思い出しただけ」

10.しらす
 “ペコペコお腹空かせて”と歌い出しからとても可愛らしい歌詞に、どこかへ引き込まれてしまいそうな雰囲気がクセになります。お囃子のような不思議な音が使われているのも、独特な雰囲気を醸し出していて、他の曲とはまた違った良さを感じました!
 しらす一匹一匹はとても小さく、何匹も食道を通る様を、“しらすのお目目は天の川”と表すカオナシさんの感性が素敵だなぁと思いました。
 セブンルールで紹介された「しらす食堂 二万匹」のしらす丼、美味しいのでぜひ今度カオナシさんも食べてみてください!

しらす食堂 二万匹  「禁断のしらすバター丼」

11.なんか出てきちゃってる
 歌詞が公開されてから、まず、頭の中が(?)でした。“偶然ネジがゆるんじゃって”『なんかでてきちゃってる』のかな?と考えたり、どんな曲なんだろうと想像する楽しさがありました。
 ワクワクとドキドキでいざ聴いてみると、(なんサビの裏で尾崎さん話してる、、!)と思わぬサプライズがありました。よく聴こうとしないと聴こえてこない感じが、逆にいいなぁと感じました。ちなみにせーののくだりはやったことないです、、笑 でも面白かった、、!

12.キケンナアソビ
 このアルバムの中ではライブでも何回か聴いてきた最近では定番の曲。イメージカラーはピンクです!もう歌詞からだけでも想像したらどエロいのに、18禁になってしまったMVは本当に刺激が強かったです。
 “首から上だけでも残してよ”や、“首から下だけでも愛してよ”の表現が、ゾクゾクしたし、切ない気持ちが伝わってきました。
 最後は聞き馴染みのある“夕焼け小焼け”。この女の子は“よい子”じゃないから帰らないんだろうなぁと思いながら、曲が終わる感じが好きです。

13.モノマネ
 下北沢のコインランドリーで尾崎さんが弾き語りしていた有名曲『ボーイズendガールズ』の続編、サイコーです!“同じキーホルダー”は鍵につけていたんだな、と思ったり、『ボーイズendガールズ』を感じられて幸せでした!
 ことばのおべんきょうで、音にはめやすいから歌詞として使いやすい、と尾崎さんが話していましたが、“シャンプー”のところの響きが好きです。もちろん“おんなじ”の響きも!『ボーイズendガールズ』の続編が『モノマネ』みたいだからそれをそのままタイトルにしてしたと聞き、とても納得しました、、!

14.幽霊失格
 ちょうどこの曲が出た頃に下北沢Daisy Barにて開催された、コロナ禍ならではの演奏者が幽霊という設定での無演者ライブ、新しい発想に驚かされました!
 曲もかっこよくて、イントロから虜になってしまいました。幽霊の君に対して、“顔色悪いちゃんと食べてる 怖いどころか心配だよ”と言う歌詞が優しくて好きです。

15.こんなに悲しいのに腹が鳴る
 ドラマ「八月は夜のバッティングセンター」観ていたので、毎回エンディングで流れるこの曲がとても心に沁み渡っていました。また、アルバムがリリースされてからは、収録順に聴くことでよりこの曲を噛み締めて聴くようなりました。イントロが壮大で、『幽霊失格』の後に来ると分かっていても、始まった瞬間(きたぁ〜!!)と胸が熱くなります、、!コロナ禍の苦しい世の中で、大好きだった志村けんさんや数多くの方々が亡くなられ、この歌詞が悲しい気持ちを少し救ってくれました。きっとこの先親が死んだ時は、絶対にこの曲に救われるだろうなぁと感じています。

 今はCDJの帰り道に、ライナーノーツを書いているところです。年内ギリギリ間に合いました!本当に今年もお疲れ様でした!
コロナ禍の中、たくさんライブの約束をしてくださりありがとうございます!アルバムリリースも心の支えとなりました、、!!
 来年もよろしくお願いします。死ぬまで一生愛しているし、しがみついていきます!

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