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指導碁で勝つためのアドバイス

ミム囲碁ラジオ第128回。プロ棋士40年、囲碁サロンと子供囲碁道場を運営する三村智保が囲碁の情報をサクッと伝える番組です。
今回は、指導碁でプロに大敗してしまう意外な理由についての話です。

【AI要約】
プロ棋士として指導碁を打つ中で、興味深い現象に気づきます。
実は、むしろ強い方が大敗してしまうことがよくあるんです。

その理由は棋風にあります。特に「攻めっ気の強い人」「戦いが好きな人」「反発心の強い人」が置き碁で黒を持つと、思わぬ大敗を喫することが多いのです。

なぜでしょうか。それは、置き碁という状況で「相手が自分より2段階3段階強い」という事実を忘れがちだからです。普段の感覚で攻めていくと、プロには見えている手が自分には見えていない。その結果、予想外の反撃を受けて大きく崩れてしまうのです。

逆に、置き碁で勝ちやすいのは「守る手が打てる人」です。謙虚に「相手には自分に見えない手が見えているはずだ」と考え、普段より守りを固める。そういう方が逃げ切って勝てる可能性が高くなります。

私自身、AIと三子置き碁を打った時の経験でも同じことを実感しました。1局目は攻めていって大敗。2局目は守ることに徹して勝利。ただし、我慢の連続で決して楽しくはありません。

この学びは、プロとの指導碁に活かせます:

  • 年1回程度の機会なら、守りを意識した打ち方をお勧めします

  • 定期的に同じ先生に習える環境なら、自分の棋風を貫いて、負けながら少しずつ適切な攻めのラインを学んでいく方法もあります

結局のところ、相手の強さを理解し、普段よりも1、2歩謙虚な気持ちで臨むことが、良い経験を得るコツなのかもしれません。

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