映画の花束 〜 1本1本に想いを込めて #3 <運命の映画との出逢い>
#2<会社設立直後にまさかの⁉︎> は↓
2012年5月15日、まさかの癌宣告から入院〜手術を経て、退院27日後にカンヌ映画祭に向けて出発しました。
体調は万全ではなく、
体力も落ちていたので自分でも
「よう行くわー」
と思いつつの出張です。
でも私の精神は前向きでとても充実していました。癌に罹ったことで私は術後に生まれ変わったのだと思いました。
新しく生き直すのだと。
やりたいことをやって、
会いたい人に会って、
行きたい所に行こうと。
何よりこの出張でどうしても買いたい
1本の映画があったのです。
遡ること6年前の2006年9月トロント映画祭。
当時はメディア・スーツという映画会社(2007年に日活に吸収合併)で買付・配給担当役員をしておりました。映画祭の中盤、次は何を観ようかとプログラムを繰る私の目に1本の映画が飛び込んできました。
それは「INTO GREAT SILENCE」という、
フランスの修道院のドキュメンタリーでした。
なんでも世界で最も戒律の厳しい伝説的な修道院に初めてカメラが入ったとか。イタリアの修道院を舞台にしたジャン=ジャック・アノーの「薔薇の名前」が大好きだった私としては、
「これは見ねば!」です。
会場はトロント市民も一緒に見る大きなホールでした。上映が始まってすぐに、どうやらこのドキュメンタリーはナレーションもテロップも一切無く、淡々と修道院の内部を記録した物だと気づきました。
しかも長い(2時間40分)!
事前に上映時間をチェックしてなかった私はミーティングのアポが入っていたので、途中で後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。
そしてここからこの映画を日本で公開できるまで長―い道のりが始まりました。
この映画こそ、
後に弊社初の記録的大ヒットとなった
「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」なのです。
つづく。
#4 <「大いなる沈黙へ」公開までの長〜い道のり>
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