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プロでありプロでないというバランス/「公務員のタマゴに伝えたい話」を読んで

いつもコメントをくださる福島太郎さんの「公務員のタマゴに伝えたい話」、ずっと気になっていたのですが、やっと拝読しました!
せっかくなので、本の感想と、そこから連想したことを書いてみようと思います。


まず、これだけの文章を書きあげられた福島さんに、敬意と尊敬の拍手を送りたいです!👏👏👏
私も一生に一冊でいいから本を書いてみたいという気持ちはあるのですが、本というボリュームに圧倒されて、書けるイメージがいまだにまったく湧きません💦
研究者や文筆家の方ならともかく、一公務員としての経験を伝えたいとここまで形にされていらっしゃることに、本当に頭が下がります。

そして、公務員にありがちな難しい言葉や言い回しの羅列なんていったものは一切なく、非常に読みやすい文章で、読み手のことをまず考えていらっしゃることが伝わってきました。
また、福島さんの人柄が伝わってくるほどありのまま書いていらっしゃって、人間味のある本だと感じました。


特に目が留まったのは、P.25「俺たちはプロじゃない」という項目です。

少し脱線しますが、私は国家公務員2年目の時、上司から「プロだということを意識して仕事をしろ」と教わりました。
その時は、全然プロじゃないのに…、と泣きそうな気持ちになったのですが(いや、実際トイレで泣きました(笑))、だんだん「プロ」の意味がわかってきて、最後の頃には、自分はこの制度に日本一詳しいというくらいの気概で仕事をするようになりました。

一見すると矛盾する内容なのですが、これが不思議と、「俺たちはプロじゃない」という言葉も腑に落ちるんですよね。

私が上司から言われた「プロ」とは、その制度のことはすべて答える責任があるという覚悟を持って臨め、ということだと理解しています。
一方、福島さんの「プロ」とは、その分野の実践者や専門家への尊敬の念を忘れるな、ということだと理解しました。

このバランスが、とてもとても大事で、そして難しいと思っています。
プロでありプロでないというバランス。

ここで思い出したのが、以前ゆっこさんが書かれていた「ゆらゆらと」という記事。

私はこの記事が大好きで、コメントもさせていただいたのですが、私は、どちらにも偏らないことの方がよっぽど難しいのではないかと思っています。

福島さんは、「自分はプロだ」という方に傾きすぎた部下をちょうどいいバランスに引き戻すために、「俺たちはプロじゃない」という言葉をかけているのではないかと感じました。
私はもともと現場上がりということもあり、専門家へのリスペクトを忘れることはありませんでしたが、そこをおろそかにしている(ように見える)公務員も残念ながらいます。
福島さんのような上司がもっともっと増えて、はじめの頃に軌道修正してくださって、もっともっと素敵な公務員が増えたらいいなと思います。


もう一つ、P.98「少子高齢化問題というまやかし」に非常に共感したので、これについても書きたいと思ったのですが、長くなってしまうので、またいずれ折をみて。。


全体として、本当に包み隠さず実態を書かれているなと感じました。
私は元公務員なので、わかる!と頷きながら読ませていただきました。

公務員は楽な仕事ではありません。
時に理不尽で、時に矛盾を抱え、それでも市民・国民のためになることを目指して目の前の業務に取り組む、そこにやりがいを感じることのできる人にぜひ公務員になってほしいと思います。
その覚悟があるかどうかを確認するためにも、公務員試験を受ける前に本書を一読することはとても有益だと感じました。

公務員に興味のある方は、よかったらお読みになってみてください。
(最後は福島さんへの感謝を込めて宣伝風に🍀)

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