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Tinder飲みログ@みなとみらい「レオーネ・マルチアーノ」他/ホテル行くまではよかったのに。ロマンチストな東大起業家

1軒目_生パスタとラムが最高。みなとみらい「レオーネ・マルチアーノ」

横浜に来てもらうのに、店を予約されたのは久しぶりだった。かつ、平均予算高め。初回から、というか日頃から気合の入った服を着ることはないのだけど、「TPOってやつを考慮しなきゃいけない店か、これは」と、急遽赤いニットワンピースを引っ張り出した(1年ぶりで若干カビ臭かった)。私に店探しを任せた挙句、「高級店に連れて行かれたらどうしようかと思った」と言われた直近2名とは真逆パターンだ。

横浜で飲む、と言っても、東京にもありそうなビルインの店ばかりのみなとみらいに行くことはほぼない。だって名店は野毛に集っているし、地方出身者がタワマンに住み、観光客が集うみなとみらいは、たしかにいつの間にかブルーボトルもできてきれい、というか整備されているけど、それが逆に疲れる。昼間でもあまり近づきたくない。ただ、予約してもらったお店の食べログ評価は高く、自分では選ぶことはない分、「たまにはいいかも」と期待がもてた。

「横浜といえば、ロイヤルパーク、もしくは大桟橋のバーですよね」と、the王道に行ったことのある経験を話してきたあたり、どちらの出身かは存じあげないが、少なくとも横浜には「キラキラ」なイメージを持たれているらしい。

「2日酔いの可能性大丈夫です」と事前に伝えてはおいたが、前日、野毛で3軒ハシゴして体に残っているアルコールを、走って汗を流し、長風呂につかって汗を流し、出来る限り抜いた。それでもまだ若干すっきりしていなかったので、歩いて向かうことにした。

ということで、今夜の待ち合わせは桜木町ではなく、みなとみらい。プロフィールにあげられていた写真から、外見にはそもそも期待をしていなかったけれど、クイーンズスクエアに現れた彼はそれほどアウトではなかった。

外見がタイプじゃないのに会うことにしたのは、会話の流れが悪くなかったから。つまらない質問はしてこないし、オレ日報も、マウントもなし。話題がきれそうになったら「ところで…」とつなげてくるし、テンポがよい。スマートなのは東大卒だから、ではないと思うが、少なくとも語尾にやたら「ー」をつけるような軽さはなかった。

ただし直前の「コスプレ似合いそうですよね。◯◯さんの分の衣装も持っていこうかな」と、「ハロウィンデートを楽しみましょう!」メッセージには若干不安になった(というか引いた)。初めて会うのに「デート」って。。これは背に腹を変えられない何かを期待されている。まぁ、みなとみらいのイタリアンを選んでくるあたりで、もうなんか狙われてる。今夜は気を引き締めてかからねば。

とりあえず今夜も長期戦になりそうだったので、店に入る前にウコンを買いにドラッグストアに寄ってもらう。「僕も飲んでおこうかな。いっしょに買いますよ」とレジへ。この辺りもスマート。

予約してくれていたイタリアンの向かい側は、以前、昼間からのTinder飲みで来たことがあったタイ料理やだった。その店も相手が探してくれた店だった。ヨコハマをよく知らない人が、とりあえず「雰囲気のいい」で探すとこの辺になるらしい。NY帰り元電通のあの人ともう会うことはないな。夕方には帰りたいと言っていたのに、結局22時まで飲んでいった挙句、コロナだからと握手も断って電車で帰っていったあの人は結局なにをしたかったのか。その後、誘ってくるでもないLINEが面倒で返していなかった。

「予約をしていた◯◯です」と彼が告げると、窓際の席をとっておきました、と案内される。事前に食べログで確認してはいたとおりの店内は、天井から下がるシャンデリアも、壁際にあるよくわからない金の銅像も重たい。今にもテノールで歌い出しそうなイタリア人のスタッフがはち切れそうなお腹を突き出し客に豪快に笑いかけている。椅子を引かれて着席する。テーブルクロスがかけられ、ナイフとフォークが3本ずつ揃えられた店でディナーをするのは久しぶりだな。「いいですね、いいですねー」という彼は楽しそうだが緊張はしていない様子。このくらいの店には慣れているみたいだ。

メニューはが渡される。8000円or10000円のコースに私の胃は耐えられない。ここはアラカルトでいきたい。「いくつかお店をまわりたいと思っているんですけど、いいですか?」なのでここではがっつり食べすぎないようにしましょうという提案にほっとする。しかし、この店で「軽く」というのも難しそうだけど。とりあえずビールとスパークリングで乾杯をする。料理は前菜の盛り合わせとショートパスタ、子羊の炭火焼をオーダー。合わせてくれたのかはわからないけれど、すべて自分が食べたいと思ったもの。料理決めでぴったりと合うのは良い。

スパークリングを一口飲んだところで、まだ昨晩大ジョッキで飲んだハイボールが残っているなと感じる。うーん、もったいない。昨日の相手はTinderではないが、仕事をさせてもらっている人。キスまではする仲。既婚だし、仕事関係者なのでその先はぜったいしないと決めているけれど、とにかく肌感が気持ち良い人で、昨日も2軒目からはずっと手をつないでいた。というか、体半身密着していた。あの体温は天性で人を引き寄せる。女が切れない人だと思う。子どもは3人、奥さんとの仲も良好(レスではない)。けど、他の女の子ともしたい…というような性生活をざっくばらんに話せる貴重な人、らしい、私は。Tinderの既婚男子は毛嫌いする私だけど、なんか彼の話は許せてしまう。

さて、前菜が運ばれる。彼がナイフとスプーンを使って器用にお皿に取り分けてくれる。慣れてるなぁ。起業する前は、就活人気ランキングの上位にもあがる◯◯地所にいたとこのこと。そのとき私は八重洲勤務。どうやら東京駅を挟んで仕事をしていたみたいだ。「会社員のときは週4で接待していたので」。それはこんな店にもおもてなしにも慣れていらっしゃるはずだ。

続いてのポルチーニ茸のショートパスタは今でもほっぺたの中で思い出せるもちもちさ。そして、メインの子羊はこれまでいただいたラムの中で一番と言えるやわらかさだった。品の良いくさみが2杯目にオーダーした赤ワインと合う。しかしラムって、何かイケナイ気にさせる。「まだ生まれたての若い血をいただいている」という罪悪感からか。

料理は200点なのに、残念だったのは接客。「ショートパスタはどれですか?」と聞いても答えられない。「お水をください」と言っても忘れられる。「おすすめはどっち?」と聞いても「えっと、黒板に書いてあるのが一応本日のおすすめで」と答えになっていない。どこからどうみてもおどおどした新人。大声で「すみません」と言わなければ来てくれない。たしかに店内は8割埋まっていたがそこまで店員が足りないていないわけではなさそうなのに。だから(形ばかりの)、成り上がりタウンというイメージになってしまう。がんばれ、みなとみらい。

デザートを断り、「次、どこいきましょうか」と相談する。バーに行くには、少し早い。もう1軒挟みたい。お腹は余裕がある。ただし胃の調子がよくないことだけが悔やまれる。

「雑多とした居酒屋も好きなんですよね」と言うので、それじゃあと野毛に向かう。かしこまりタイムは終了。こっからがヨコハマですよ。そして私は結局今日も野毛に行くのか 笑。まぁ腹ごなしに歩くにはよい距離。ただし、まだ手をつなぐ距離ではない。

2軒目_塩煮込みよりつくね。野毛「もつしげ」

野毛は金曜の昨日より賑わっていた。ハロウィンの仮装をしている人もちらほら。気分的には昨日行ったビードロに行きたいが、さすがに2日続けてはなぁとブラブラする。「いいですね、いいですねー」と、彼が嬉しそうに言う。この人、完全に、今日、帰る気ないな。

地元である横浜に引っ越してきてTinderを再開したのは、「野毛に飲みに行く人を見つける」という目的だった。開始1週間たらずでマッチした隣の駅に住む税理士の人と念願の初野毛飲みを叶えた。まったくお店のことが分からなかった私にその人が案内してくれた店が塩煮込みがウリの「もつしげ」だった。正直、もつ煮はやっぱり味噌だなという感想だったのと、若干チェーン居酒屋感があって、それ以来行ってはいなかった。

そのもつしげの3号店に「ここがいいんじゃないですか」と彼が言うので、入った。野毛の居酒屋というには明るくてこぎれいすぎる店内が気になったけど、まぁいい。なんてったってイタリアン帰りの赤いワンピースだしね。

胃が炭酸をも受け付けない感じだったので、お茶ハイをたのむ。正直、食事は突き出しキャベツで十分。味付けが薄いのも助かる。それをおかわりしながらムシャムシャ食べていたらようやく胃が落ち着いてきた。

彼が「おすすめメニュー」から塩煮込みと一緒に頼んだつくねが、意外と美味しかった。「サービスです」と添えられた生のピーマンで挟むと最高で、追ピーマンする。

気になっていた仕事の話を聞くと、彼の表情がこれまでの倍イキイキした。あぁいいな。仕事をイキイキと語れる人はいい。しかも自分で会社を起こして。エリートな肩書きを捨てて挑戦できる人は、尊敬する。

男性の学歴は気にしていない。が、久しぶりに「自分とは育ちが違いますね。エリートですね」と気を遣われない人との会話はやはり居心地がいいなと感じる。私が新卒で勤めていた会社名を告げると「今そこ出身の女性の営業を探してるんですよね」という。たしかにプロフィールにも「仕事仲間も募集」って書いてあったな。まぁ私はもう営業しないけど。馴染みの学校や企業名がぽんぽん出てくる。「僕は男子校だったんですけど」と、なんとなく育ちが想像できる。「近い」と感じるのは安心。だけど、刺激はない。

会う前から私の腹筋写真に興味を示されていたが、ここでも筋トレの話になる。残念ながら、彼の体は服の上からでも期待ができなかった。私がフェチな血管や筋がまったく浮き出ていない、やわらかそうな腕。決してデブなわけではないのだが、ベルトの上に肉がのってそうなお腹。そして、敗北を知らない目。「何かスポーツはしていなかったんですか?」と聞くと「大学でテニサーに入ってたくらい」と。それは、スポーツではない。

私がTinderで出会って付き合った2人はどっちも元アスリート。どんなに学歴とビジネス経歴がすごくても、体が物語ってないとだめみたいだ。私は。

「この年になると、実績を見ればだいたいの人となりがわかりますよね」という彼は、自分の経歴に自信があるのだろう。確かに、その言葉には同意だ。まさに前回野毛で会った赤いスニーカーくんとは真逆。経験に基づくものではなく、ただただ理想を語るだけだったからあの会話にはイライラした。年齢は同じなのにね。

3軒目_ヨコハマのバーなら。山下町「スリーマティーニ」

もつしげのラストオーダーは野毛にしては早かった。ただし、店を出るといい時間。「僕、完全に終電を無くしました」と明るく言われる。「でも大丈夫です。ホテルとってきたので」。ほう、それも初パターン。頭の良い方は先を見通す力があるというのか、事前準備に怠りがないのですね。これ、一緒に泊まりましょうという伏線か。まだこの時点で私はその気はなかった。いや、完全になかったら3軒目には行ってなかったんだろうな。

さすがにお腹はいっぱいなのでバーを目指す。泊まり覚悟でここまで来られたのなら、とことんヨコハマをご案内しましょう。私が知る限りの横浜らしいバー、ニューグランドの裏の「スリーマティーニ」にタクシーで向かう。まぁ、ここも以前他のTinder飲みで来たところなんだけどね。

その時は、たまたまある俳優さんもいらっしゃり、かなり賑わっていたので「空いてるかな」と若干不安なおももちでドアをひくと、店内は予想外に静かだった。客はカウンターに1組。「カウンターかテーブルどちらでも」と言われてテーブルを選ぶ彼。うーーん、バーで2人でテーブルか。店の角に隠れてなにかをしたいのか、ただバー慣れしていないだけなのか。

以前来たTinder男子は彼より10以上上。既婚だったため「最後までやらない協定」を結び、それでも良いならと何度か飲みにいった。なのに、このときしこたま酔っ払って、すぐ近くのホテルに雪崩れ込み、気付いたら最後までしていた、というか、されていた。

そんなことを危惧されていたのか、その時は私がマティーニを頼んでも「そんな強いお酒飲まない方がいいですよ」とマスターが出してくれなかった。スリーマティーニ、ってお店なのに!隣の俳優さんも反対側の外国人もみんなカクテルグラスでマティーニ飲んでるのに!私たちの見た目の歳の差が20くらいに見えたからか。このこを酔わせてはいけない!と思われたんだろうな。

そのマスターは今日はいないみたいだった。ということで今夜は、マティーニを頼んでも阻止されなかった 笑。私は巨峰のマティーニ、彼はスタンダードなマティーニ。つまみには自家製レーズンバター(これはうまい)。巨峰のマティーニは飲みやすかったけれど、彼はキツかったらしく、進みが遅い。飲まない代わりに、また筋トレの話を持ち出し、そして流れで私の足を触ってくる。あくまでもエロのタッチではなく、「筋肉触ってみていいですか?」というテンションで。なんか、彼なりの段階を追った近づき方シナリオがあるんだろうな。「僕も足はけっこう硬いんですよ」触ってください、と手を持っていかれる。うん、これほど触れても何も感じない体もそうそうない。昨日なんて2軒目でこれ以上くっつけないってくらいベッタベタだったのに 笑。

そして、ここの店の終わりも予想外に早かった。気づけばノーゲス。お客さんが少ないおかげで、前回より店内がゆっくり見渡せた。天井から吊り下げられたホワイトホースに、カラフルなコップたち。ごちゃっとしてるけど汚くない。横浜でなくなってほしくないお店のひとつ。以前来たのはコロナ前だった。久しぶりにまた来れてよかった。

店をでると、「ちょっと海沿を歩きたい」と提案されるが、そんなロマンチックな雰囲気に持っていこうとされても困る。楽しいは楽しいが、ぜんぜんそんなしっとりしたい気分ではない。山下公園のベンチに座ってキスでもされたら困る。

港へ向かわず、「最後はここ」と決めている私のおきにいりのバーへ徒歩で向かった。

4軒目_最後はここ。元町「◯◯」

ここに連れてきたTinder男、4人目かな笑。ちなみに先週も来たばかり。誰を連れてきても、たとえ都内で色々行き尽くしてる人であっても、「いいバーですね」と言われ、地元の私は地元を褒められたみたいで嬉しくなる。ただしここは近隣の人が隠れ家にしたい場所なので、店名は伏せる。ただでさえ、いつもいっぱいでギリギリ入れるか、お断りされるかなくらいだから。今夜もカウンターはいっぱいで、その後ろの「補助席」みたいなところが空いていた。カウンター慣れしてない彼にはちょうどいいね 笑。

やはり彼はバーにはあまり慣れていない様子。「何になさいますか」と、壁に並べられたボトルがメニューです、というような店で、銘柄を指定しないでジントニックを頼む感じとかね。私は桜尾のソーダ割りをお願いする。お通しのシャインマスカットとクラフトジンが喉で弾ける。あ、胃がいつの間にか炭酸受け入れている 笑。やっぱり〆はこの店だな。

マスターがキナ・グラニスのcan't stop falling loveをかけてくれる。私が好きだと言ったのを覚えていてくれてわざわざかけてくれたのか、たまたまかかったのか。どちらでもいいが、私がこのバーを好きな理由は雰囲気、そしてこのマスター。

たぶんTinder飲みでこの店に最後に来るのは、疲れちゃってマスターに会いたいからだ。もうこの店に来たら連れには帰っていただいてよい。黒いベストとタイにきゅっと締められた姿勢。だけど固い雰囲気でもない。まさにバーカウンターを挟んだ、お手本のような距離感。まちがってお客さんと×××、なんてことはぜったいにないんだろうな。その信用からか、何代目だろうというオシャレな「ハマっ子」おじさまや、品の良い常連客が集まる。

だけど、毎回違う男性を連れてくる私はきっと夜の仕事の人とでも思われているのでしょう。だったら連れて来なきゃいいのに、また連れてきてしまった。いつか弁明したい。いや、なんて… w

さて、この店に行く前に「お酒買ってホテルの部屋で飲みませんか」と提案されていた。やっぱそうきたかー。「んー、その前にもう1軒」とその提案を一旦保留してここに来ていた。もう彼は、ホテルに行く気まんまん。というか早く行きたくてたまらない、うずうずも限界。って感じだったんだろうね。私も「ツインならいいですよ」とか答えちゃっていたし。

まぁ、この店を出たあとのことは、詳しく触れないとして。。。

なんで、ホテル行っちゃったんだろうなーwwwwwwww

せっかく、みなとみらい→野毛→山下→元町、って家に順調に近づいたのに。なぜまだわざわざタクシーで桜木町に戻ってしまったのか。。

判断迷うほど酔ってなかったと思うんだけど。

部屋に入ると、椅子を窓側に向けてロマンチックなムードつくりを始めた彼。しかもなぜか途中で「ベッドに座らない?」と。誘導がわかりやすんですよ。私だってここまで来たらその気なので、自然にみせた不自然な流れをつくっていただかなくていいのですが。

感想を一言だけ。やっぱこの身体、むりw

ツインなので別々のベッドに別れて寝落ちする時点ですでに後悔していた。深いと浅い眠りを繰り返して迎えた翌朝、日曜日。7時半に起こされる。「仕事だからかえらなきゃ」その前にと、「朝の1発もきもちいいよ」としつこく誘ってくるのを本気でキモいと全力で拒否して起き上がる。諦められなければ本気で蹴りを入れるところだった。

顔も見ずに桜木町駅へ送る。私は押し寄せる後悔の波を押さえきれず、徒歩で港を眺めながら帰った。

あーーホテル行かなきゃ、また会ってもよかったのにな。男としてはとりあえず、社会人としては繋がっておいて楽しそうだったのに。

と、思うけど、向こうの狙いが究極そこならさっさと分かってよかったね。呑気に「次は、中華街ですね」とメッセージが来たけど、たとえ高級店予約されたとしても会う気ない。生理的拒否ってやつ。

あからさまに私の対応が「塩」になったのを感じたのか、連絡はこなくなった。察する能力はさすがですね。

ヨコハマハロウィンデート。あなたの目的は達成されたのでしょうか。

<今回行ったお店>

個人的な結末はさておき、ヨコハマナイトツアーにはなかなか良い流れだったと思う。

味は最高です。サービスには目を瞑ってください。

1回行っておいて悪くないよね。でももっと渋い店はいっぱいあるからハシゴしてね。

マティーニで酔っ払ってホテルになだれ込むなら、隣のラブホじゃなくて、せめてニューグランドにね。