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サウナで震えた

11月26日は「いい風呂の日」ということで、
昨日、福島太郎さんが素敵な温泉の記事を投稿されていました♨️

いいなぁ。温泉。
だいぶ行ってないなぁ〜、温泉。
そういえば、どこのどの温泉が1番気持ち良かったかな〜なんて、ぽんやり思い出をたどっていたら…

ある思い出が。
最高に気持ちよくて、でもちょっと罪悪感がある。今回はそんな思い出のお風呂話を書きたいと思います。

もう10年ほど前のことなのですが、
私は育児に疲れておりました。
1人でお風呂にゆっくり入れないことも
ゆっくり眠れないことも
ゆっくり食べられないことも
きつかった。

子どもは可愛いですし、私は専業主婦。
何を贅沢を言っているんだ、当たり前のことじゃないか、と自分に言い聞かせ、不満や不調をためこんで…

バーン!!!!!


と、爆発したくなったといいますか。
爆発…しちゃったんでしょうね。
土曜日の夕方だったので、明朝は夫も休みで家にいる。そのタイミングで。
「1泊だけお願いします!明日の朝には帰ってくるから!」と、息子を預け、私は家を飛び出しました。

1人でどこかへ行きたかったのです。
単に1人でお風呂に入って寝たかった。なーんにもしたくなかった。

家を飛び出したので、なぜかその勢いで駅までドラマチックに小走り。駅に着いたら少し落ち着いて、スマホでその日泊まるホテルを探しました。

私は「ゆっくり食べて(その後片付けなくて良い)」「ゆっくりお風呂に入って」「ゆっくり寝る」ことに飢えていたので、
それが叶えばどこでも良かったのですが、
運の良いことに「当日遅めのチェックインで安くなる」温泉つきホテルを発見。場所もバスで10分くらい行ったところ。近いし温泉付き!やっほい!
震える指でホテルを予約。デパ地下で寿司折を買い、
興奮してたから何も持ってきてないや、と化粧水とか歯ブラシとか、1泊のお泊まりセットも買って。あと、ついでに缶ビールも。

遅い時間に化粧もロクにしていないメガネの女が1人。手にコンビニの袋と寿司を持ってチェックイン。自分でも恥ずかしかったんですけどもうそんなことはどうでもいい。
狭い部屋でしたが、ベッドにバーンと飛び込んで、
(私、今夜1人でここで寝るんだ)と思ったら嬉しくて、子どもみたいに手足をバタバタと動かしました。

そうだ!温泉があるんだった!!
温泉といってもホテルの最上階に大浴場がある程度。泉質とかはどうでもいい!温泉、という響きだけで、もう嬉しい。

ビジネスホテルで遅い時間の大浴場。そんなにお客さんもいない。開放感がすごい!!湯につかってじんわりあたたまってくる感じにぶるぶるっときました。どうしよう…幸せだ!!私、今、何も気にせずお風呂に入ってる!!無駄に長いことじーっとつかってみる。ちょっと暇。キョロキョロしていたら誰かが小部屋に吸い込まれていくのを発見!
おお!!あの小部屋はもしかしてサウナか!?
入ってみると小さなサウナ。
テレビつき。
子どもがいたらサウナなんて入れないもんね!今夜はサウナも楽しんじゃうぞ!!

忘れもしない。小さなサウナルームにはテレビがついておりました。
そこでは映画『バイオハザード』が放映されていました。
メガネが曇るので、つけたりはずしたりでよく見えないけれど、みんなサウナルームでただ黙ってバイオハザードを鑑賞しています。
途中からだから、内容はよくわからないけれど、ホラーですからね、激しい映像をじーっと座って見ていると、肌が乾いてきて、そのあとに汗が出てきて。
そんなにサウナに強いわけでもないですし、もう出てもいいかなぁ〜なんて考えつつも、せっかくだしもったいないからもう少しだけ入っていよう。
テレビの中ではミラジョボヴィッチが激しくゾンビとたたかっています。頑張れ!ミラジョボヴィッチ。
私も頑張ろう。
小さなサウナルームに私を含め3人の女性。
他の2人は私より先に入っていて、多分私より年上ぽい(あまりよく見えないけど)雰囲気。
映画中だし、私が途中で動くのもよろしくないかも。CMとかキリが良いところまで待ってみよう。

流れる汗を感じながら、私はこんなことを考えていました。(もう、ミラジョボヴィッチのことは見ていられませんでした)

お風呂から出たら部屋に戻って缶ビールを開け寿司を食べる。そしたらあとは何も気にせず寝る。明日の朝までゆっくり1人で寝る。もう寝るだけ!

たったこれだけのことが嬉しくて嬉しくて。
サウナの中で震えました。
体の奥の方からグーっと。幸せというか喜びというか、そういう感情があがってきて、
なんだか泣けてきました。
サウナで下を向いて、震えながら泣いていたらグヴヴと喉がなりました。こわい。我ながらちょっと怖い。周囲の皆さん、ごめんなさい。

格好つけて「泣けてきた」と書きましたけど、汗だったのかもしれません。わからないけど、ダラダラと流れてくるものに包まれて私は幸せでした。

その後のことはあまりよく覚えていません。
倒れたとかいうわけでもないと思います。多分、淡々とその場から出て部屋に戻りお寿司を食べたと思います。でも思い出せないんです。バイオハザードを見ながら喜びでいっぱいになって震えたあの瞬間までしか覚えていないんです。

翌朝はチェックアウトの時間より早くホテルを出て、すぐ家に帰りました。
たった一晩で生き返ったような気がした、
高級でもなんでもない、ビジネスホテルに1人で泊まっただけの話ですが、私にとっては最高に気持ちが良くて幸せで震えた瞬間でした。





こんなところまで読んでいただけていることがまず嬉しいです。そのうえサポート!!ひいいっ!!嬉しくて舞い上がって大変なことになりそうです。