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「GYOZA LABO」(仮)の発足

~私達は餃子の研究機関です~


2020年、50周年の節目を迎え、私たちはそのようにありたいと強く思い様々なプロジェクトを立ち上げていきます。
そんな私たちの思いを少し話しておければと。

1.「判断の基準はすべてお客様」


これは私たちみまつ食品が創業以来大切にしている考え方です。
これを永久不変の基本方針と定め、実践してまいりましたが、この言葉には様々な意味が込められています。

例えば、味についてです。製造する私たちが自己満足で終わってしまっては、お客様に選んでいただくことはできません。常に味の研究を行い、作り方を工夫し、より美味しいものを作ってお客様にお届けしなければなりません。
品質についての意味もあります。鮮度はもちろんですが、例えば見た目、形がきれいで整然と並んでいるものと形が不揃いで乱雑に入っているものとでは、どちらをお客様が選ぶか。わかりきったことではありますが、伝えていかなければならない大事な考え方です。

私たちは、世の中の餃子や焼売を食べ続け調査、研究を行っております。お客様の立場で実際に食べてみて、レポートにまとめ、商品開発に活かしております。レポートの本数は130本を優に超えており、常にお客様の目線でデータを蓄積しています。

このように、日常の業務で何かを考える場合、正解がわからず答えを迷ってしまった場合、自分自身がお客様になったつもりで考え、答えを導き出します。これは会長の思いや経験から生まれた言葉ですが、現在はマーケティングという概念をプラスし、より体系化し事業に反映させています。


1-1.マーケットイン的思考


高度経済成長期から2000年代にかけて日本の製造業の多くは、プロダクトアウトという発想で事業を展開していました。プロダクトアウトとは、大量生産技術の高度化に伴い生産者が自社の技術を活かし、自社の都合にフォーカスした製品開発を行う事を指します。
日本においてのプロダクトアウトは2000年代以降、GAFAを始めとする外資系企業に苦戦を強いられるようになりました。そこで議論になり始めたのがマーケットインという思考です。マーケットインは消費者の視点を最優先にした商品開発を行う思考のことです。
私たちは、創業以来「判断の基準はお客様」という方針を掲げて事業を行っております。まだ、マーケットインという言葉のない時代から私たちは、消費者の視点にたち商品開発を実施しておりました。

1-2.900種もの多彩なレシピ


マーケットインの思考は当社が保有するレシピにも現れております。現在私たちが保有する餃子のレシピだけで900種類以上あります。味は地域性や年代、性別により様々な志向となって現れます。
例を挙げると私たちの本社がある群馬県などの北関東と東京では受け入れられる味が少し違います。北関東では少し濃いめの味付けでないと売れず、東京などの南関東では薄めな味付けが好まれます。直線距離にしておよそ80kmなのに志向の違いがはっきりと出てきます。そのため各地域に受け入れやすい味付けを研究し、PB商品などに関しては、地域により少しずつ味を変えるなどの工夫も行っております。

1-3.価値観の多様性


私たちのマーケティングフレームはSTPが中心となり構築されております。STPとは、現代マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーが提唱した理論ですが、STPは各頭文字から来ており、Sはセグメンテーション(segmentation)、Tはターゲティング(targeting)、Pはポジショニング(positioning)という3つで構成されております。
当社ではセグメンテーションに関して、従来「40代の主婦」というセグメンテーションで商品開発を行っておりましたが、「判断の基準はすべてお客様」を先鋭化させるため、セグメンテーションの見直しにかかりました。

1.デモグラフィック(人口統計的変数)
デモグラフィックとは、人口統計的変数とも言われ、代表的なものでは20代女性や30代男性など、性年齢で分ける方法があります。

2.ジオグラフィック(地理的変数)
ジオグラフィックとは、地理的変数とも呼ばれております。国、市町村、気候、などを変数として用いる方法です。

3.サイコグラフィック(心理的変数)
サイコグラフィックとは、心理的変数とも呼ばれております。人間の価値観を変数として取るものです。
アンケート調査などで分析を行い人間の心理をセグメンテーションする分け方です。

この他にもあるそうですが、代表的なセグメンテーションは上記3つで分けられます。私たちの従来の分け方として「40代の主婦」という分け方は1番のデモグラフィックを中心に分けておりました。しかしながら2010年以降のスマートフォンの普及に伴い、従来のマスメディアがSNSにその座を奪われる様になってきました。SNSの普及に伴い人々は自らの価値観の確立を行うようになりました。2010年以降人々の価値観の多様化は加速度的に増えていき、従来のデモグラフィックを用いたセグメンテーションは通用しない市場環境となってきました。そこで我々はサイコグラフィックに軸足を移し、再度商品の見直しを図りました。

1-4.あなたの為の商品


2010年以降、当社は価値観に主軸をおいた商品開発をはじめました。価値観に主軸を置くことは大きな転換点の一つでした。アンケートで全国の主婦に餃子への価値観に関してのアンケートをとり、分析を実施しセグメンテーションしていく。これらの作業を通して全国の主婦の餃子に対する価値観をセグメンテーション化することに成功しました。具体的な価値観は企業秘密の為、ここでは書けませんが様々な価値観や考え方に触れ、今までのデモグラフィック的なセグメンテーションでは見えなかった潜在的なニーズも明らかになってきました。
徐々にライフスタイルに合わせた商品リニューアルを行ってきましたが、ある商品に関してはリニューアル後の売上はリニューアル前と比べ700%にも達しました。


売上

価値観がわかれば、顔が見えてきて、顔が見えれば生活が見えてくる、生活が見えてくれば食べたいものが見えてくる。ライフスタイルに合わせた商品開発は、まさにお客様「あなたの為の商品」開発であると思います。


2.期待値を裏切ること=感動 


満足を超えた感動を食卓にお届けしたい。この思いで私たちの商品は製造されております。お客様が持つ期待値に対して100%の商品を提供するとお客様は「満足」という状態になります。しかしながら100%では次に繋がることは出来ません。商品を覚えていただき「また、買いたい」という状況にするためには、お客様の期待値を上回る120%の商品にしなければなりません。100%を超えた地点を人は「感動」と呼びます。
お客様の期待をいい意味で裏切り続ける事が、みまつ食品の事業活動であると言えます。

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