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私が幽霊になった話


アルクロです。
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ちょっとしたノンフィクション小話を思い出したので書きます。



当時、大学1年生だった私は大学の図書館でレポートを書いていたんですが、それが結構長いレポートで長丁場になっていたんです。

時刻は20時頃、周りの人は帰りだし人気も無くなってきて、急にお腹が痛くなってきたので仕方なく汚い話ですが、10〜15分ばかりトイレに篭っていました。

そしたら急にバン!と照明が消え、
男子トイレ全体が真っ暗になったんです。

私は現在進行形で便座に座っています。

一瞬何事かとは考えたが、すぐに察しはつきました。このトイレはセンサーで照明のON・OFFを管理しているので、しばらく動かなかったもんだから消えちまったのだろうと思い直し一安心。

しかしまあ、真っ暗というものはどうにもきみが悪い。早く出ようと思っていたら、どこからか

カラカラカラ...カラカラカラ...

音がする。さっき一安心したのも束の間、よくわからない音と真っ暗という環境が相まって気が気ではなくなってしまった。

私は現在進行形で便座に座っています。

すぐに支度し、さっさと出なきゃとリュックを背負い、個室を開ける。
個室を出た段階でセンサーがあると思っていたので、出てもつかない照明に

「入り口にしかセンサーねえのかよ」とか文句垂れながら入り口を目指す。

そして、入り口に差し掛かるその時、
目の前に人が出てきたんです。

当然、この状況で急に人が現れるもんだから私は驚きましたが、もっと驚いたのは暗がりから急に人が出てきたと思っているであろうその人に間違いありません。

急に出てきたもんだから、私を幽霊のように思ったのかその人は
え”!!」とよくわからない音を発していました。

それと同時にセンサーは反応し照明は点灯。
恥ずかしくなった私はレポートの途中ではあったが早々に帰宅しました。


後になって考えればカラカラカラ...という音はもしかしたら女子トイレでトイレットペーパを巻いていた音が、あまりにも静かだったために聞こえてきてしまったものではないかと容易に想像がつきました。

ああ、そうかと思えば人間の記憶はすぐ忘れるもので、この事は記憶の隅に追いやられました。

しかしそれから1年くらい経ったある日、同じトイレでまた照明が消えたんです。記憶が蘇った私は心の中で「またか」と呟き個室を出たんですが。


あれ?


個室を出た段階で照明がついた。
つまりセンサーはそこに存在したという事になります。


何故あの時、私は認識されなかったのだろうか。





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