【ヴァンガード】チーム戦の考え方2022


やたらと質問がくるので以前書いた記事の要約and例えを現代ヴァンガード版にして再度投稿。


■マリガン、初手の話

まずチーム戦での初手の考え方は5枚×3人じゃなくて15枚です。
例えばg4デッキ×3みたいな編成のチームの場合、チームメイトがg4を引きにいくマリガンをして初手のグレードが00004とかになった場合、自分はある程度バランスを取ってユニットを残してマリガンした方がいいです。
3人とも00004、00004、00004みたいになるのが一番最悪。
逆に横がg4を引けなければ、2人g4引けないパターンは対戦前からチームの負けが濃厚なので自分は何が何でもg4を引きにいく動きをしなければならない。
なので、初手は3人がそれぞれ個々人における5枚の正解を目指しにいくのではなく15枚のバランスを整えにいくよう動く必要があります。


■デッキ構築、選択

デッキの構築や選択も同様で、上記の場合のようなg4で3面統一するパターンはマリガンに一貫性を持たせやすいという意味でデッキを選んだ時点からチームの勝率を高めてくれます。
また、次の話に繋がる内容ですが選ぶデッキの性質も重要。
わかりやすい例で言えばデッキパワーは高いがやることは一直線なデッキ(例としてニルヴァーナ)を選択した場合、相性がいいデッキとして除去など相手に干渉できるスキルを持ちつつ、リアガードの展開の仕方でゲームの強度を調整しやすい極光、ネルトリンガーのようなデッキが相性がいいです。
もう1枠も同様にゲームプランを臨機応変に調整しやすいデッキが理想です。
現環境で言えばg4デッキなら前のめりなゲームも狙え、ドライブの内容でゲームを伸ばすプレイも可能なバスティオンが適切。
同じg4デッキでもブルースやカイリはこの編成とは相性が悪いです。ニルヴァーナ同様直線的なデッキなので、後述するニルヴァーナに合わせて横2人がプレイの方針を調整するという連携が取りづらい。

g4×3面でマリガンがしやすいというメリットを捨てるのであれば今期の場合

ニルヴァーナ、極光orネルトリンガー、バスティオンorユースベルク

ブルースorリアノーンorカイリorドラジュエルド、極光orネルトリンガー、オバロ

バスティオン、極光orネルトリンガー、オバロ

の組み合わせがバランスいいでしょう。
ざっと先頭がゴリ押し枠、残り2つが横に合わせて動ける枠になります。
3つめはバスティオンをゴリ押し枠として起用する考え方です。

現状ゴリ押し枠は複数ありますが横に合わせて動けるデッキは極光、ネルトリンガー、オーバーロード、ユースベルク、バスティオンしかないのでチーム内でのブラント枠は確定で横に合わせて動く必要が生じるため、エバをチームに選択する場合はその時点で横二人は連携を諦めゴリ押し×2の組み合わせにして3人中2人通ればチーム勝ちで臨むしかないでしょう。
そして、ニルヴァーナをゴリ押し枠に添えないのであれば必然的にドラエン枠はオバロになるか、ゴリ押し枠を別の国家に設定して3人目がニルヴァーナを使うくらいならチームからドラエンを抜いてユースベルクorバスティオンを入れた方がいいです。
デッキ構築も同様で役割に沿った構築をします。
具体的には横に合わせたい極光に前のめりなサブレスグリーマは入れる意味ないですし、隕石はロングレンジに対応できるようジャーゴは必須、ニルヴァーナに後攻を誤魔化すためのアメリアを入れてデッキの平均出力を落とすべきではないし、バスティオンは並び立てを入れていろんなゲームに対応できるようにすべき、となります。


■席順

次に席順。
大将は環境トップが多いからメタデッキまたは自分達も環境トップを置く!とかは意味ないです。現状大将の回数に意味を持たせている大会は稀なのでそういう意図で席順を選んでくるチームは少数なのでその読みは機能しづらい。
まず上記の例の場合ゴリ押し枠と、それに合わせて一番動きやすいブラントゲートは隣り合わせで確定。この時点で中堅はゴリ押しまたはブラントで確定です。
ではどっちが真ん中かですが、一番ベターなのはゴリ押しが真ん中です。両脇がそれを見て動けるので。
ただ、その編成は読みやすいのでワンパターンだと意識されると勝てなくなります。そこで出てくるのがブラント真ん中の選択肢。
この場合極光を選択していればゴリ押し枠としてニルヴァーナを選択してきたチームに対して極光が有利なのでかなり大きなアドバンテージが生まれます。


■実戦

最後に実際のプレイ中で意識すること。
例として、ニルヴァーナのようなデッキパワーが高いデッキが相手のネルトリンガーと当たった場合、ネルトリンガー側の隕石3枚以上落としに対する3ノーの成否で実質的なゲームの結果が決まるような展開だったとします。ここで守護者を投げてゲームをグダらせてもいいかもしれませんし実際個人戦だと検討することもありますが、チーム戦ではこの場合3ノーの結果を横に見せる事で横はプレイの方針が変わるため積極的にノーガードで分岐するゲームを取るべきとなります。

3ノーが通ればチームのニルヴァーナは勝ち濃厚なので、チーム勝ちに求められてる要求はあと1勝、残り2人のうち片方は別に負けても構わないので、確率論だけで言えば勝つ確率が高い方に寄ってるようなパワープレイで2人で1勝をもぎとりにいくような動きをして構いません。
3ドライブに2枚貫通を投げられ1枚目がトリガー、公開トリガー数的には貫通する可能性も割とあるが、横に振るのがベターではあるような状況でVに振ってみるとかがそうです。
逆にそれで3ノーが通らずニルヴァーナが負けた場合は、横二人は細い筋通してでも両方勝つ必要があるので、慎重にプレイすることになります。

ここでもし、ニルヴァーナが完全ガードを選択して先の見えないどっちつかずのゲームに持ち込み、その結果負けた場合は最悪です。
本来であれば、横2人が通れば65%勝ちのパワープレイを押し付けてどっちか通ればいいでプレイできたところ、ニルヴァーナのプレイによって自身のプレイの方針が提示されていないことにより「万が一に備えて細い筋を通しに行ってでも自分が勝たないといけない状況」で戦わなければならなくなります。
これが個人戦×3の状況です。

なので、この場合ニルヴァーナを使うプレイヤーは本人の勝敗がどうこうよりも、横のプレイ方針を決定づけるプレイをできたかどうかの方がチームの勝利には強く影響してします。
ニルヴァーナがゲームを引き伸ばしなんとか勝利を勝ち取っても、横2人が「あそこVに振れたら勝ってたんだけどな〜!横がどうなるかわかんないから細い筋通しに行ってでも勝つしかなかったから安定とったら負けちゃったわ〜!」みたいな事になってチームが負けるのが一番くだらないです。

よくチーム戦での個人成績を気にする人がいますが、例に挙げているニルヴァーナのようなプレイを選択する役割を担って半分しか勝てなかった場合なんか別に構わないし、逆に横の結果を見て勝ちやすいプレイを選べる立場なら前者の役割の人より成績はよくて当たり前だろって感じなのでくだらないです。
全員全勝とかでもない限りチーム戦での個人成績なんかどうでもいい要素ですね。

上記を分かりやすく構成したのが3年前のWGP札幌地区のトリオ戦です。
この時の構成は

すろあ むらくも
ウズメ たちかぜ
みるたえ ペイルムーン

でした。ゴリ押し枠はペイルムーンです。
ペイルムーンのルキエは非常に分かりやすくたくさんドローして高打点並べて殴るデッキで、デッキの特性通り動けたら一番パワーが高いデッキです。
たちかぜのアンガーブレーダーは除去を活かした長いレンジの戦いから、突っ込んでの3ターンキルも可能なデッキ。
むらくものHYUGAも超高打点のワンショット盤面やシラユキ、ジャコツガールによる長レンジ対応も可能なデッキ。

一番融通が効くたちかぜ真ん中で参加しています。
プレイ面で印象的だったのは決勝戦、ペイルムーンがロイヤルパラディン(ガンスロッド)との試合をしていた時です。
この対面はペイルムーン側にカードが揃っていれば、カウンターブラストを使い切ることができればペイルムーン側が負ける展開は6ヒール4回みたいな天文学的確率のパターンを踏んだ場合のみ。
ロイヤルパラディン側が勝つにはペイルムーンが動き出す前に速攻で決めるしかありません。
このゲームでは、動き出す前のターンにしっかり殴られていたのでドローで入るカードの質が高いことに賭けて4点で相手の攻撃を止めるか、4点ノーガードで手札を浮かせて通ればほぼ勝ち確を目指すかに迫られました。
結果としてペイルムーンは4ノーを選択しクリティカルが絡んで負けましたが、この結果を受け横のたちかぜはかなり丁寧にプレイするルートを選択。山札残り数枚にもつれ込むゲームを制し優勝しました。

山札を使い切るようなゲームプランを取るためには早い段階からそのために1枚貫通等で手札を浮かせたり、本来要求を出す場面でもあえて少し遠回りなプレイをする必要があります。
こういったプレイは横のペイルムーンのゲームの展開が定まっていなければ決め打ちできないものであり、ダラダラプレイしていれば後半カードが1枚足りず負けるようなことも全然ありえたゲームです。
そしてペイルムーン側も、そのままゲームを伸ばしていれ勝つ可能性もありますが求められる条件は次のターンも止めるためのカードに加え2ターン先まで動くカードです。分のいい賭けとは言えません。
であれば、チームメイトが勝つ確率を最大化する選択をすることが最大限の「貢献」となります。

上記はあくまで一例ですが、ヴァンガードの個人とトリオではプレイの選択基準が全く異なっていて別物。チーム戦は個人戦×3ではないという話でした。

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