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地域に必要なことは何か? 社会貢献の想いでやるべきことを考える

こんにちは!横浜AC(エリアコミュニケーター)の松澤です。

「これからの介護を考える」シリーズの第二弾です。

今回は、横浜市本郷台に3店舗の事業所を展開する 株式会社ビックハート 代表取締役 若松貴男さんにお話を伺いました。

若松さんは、接骨院も経営されており、整骨院やデイサービスで利用者さまお1人お1人の体や心に寄り添ったケアをされています。事業所内も笑い声が溢れる明るい雰囲気でした。

利用者さまのことはもちろん、スタッフ皆さんのこと、さらには本郷台と言う地域のことを常に考えておられる若松さんに、これからの介護についてお伺いしました。

ちなみに、インタビューの際にホームページにも記載がある挽きたてコーヒーをいただきましたが、本当に美味しかったです!!

■法人情報 
法人名:株式会社ビックハート
https://bicheart.co.jp/
種別:接骨院、デイサービス2店舗、訪問介護
住所:神奈川県横浜市栄区本郷台2-6-17 第2MTビル1階
利用者数:
生活機能向上型デイサービスラクナール(地域密着型) 18名定員
デイサービスラクナール アネックス(通所介護) 9名定員
■プロフィール
・役職: 代表取締役
・お名前: 若松貴男
・資格: 柔道整復師、ケアマネジャー、宅地建物取引士、福祉住環境コーディネーター2級、高齢者住み替え支援相談員、NLPマスタープラクティショナー(心理資格)

地域のニーズに目を向け、介護の道へ

ーー横浜市の本郷台で介護事業の展開をされていますが、整骨院から介護事業を始められた理由を教えてください。

若松さん:
元々、接骨院を本郷台で開業したんですが、7、8年接骨院をやっていると、介護の相談を受けることが多くなってきたんです。「介護が大変で」とか、「自分自身も歩けなくなって施設に入るかもしれない」という話をよく聞くようになったんです。そこで、元々介護に興味があったので介護のことを勉強しようと思ったんです。

ーー元々介護に興味を持たれていた理由はなんですか?

若松さん:
ここ本郷台は40年程前に分譲された地域なので、住民の皆さんが高齢になってきています。団塊の世代よりちょっと上の方たちが多いので、介護の必要性が一気に上がったのが一番の理由ですね。これからニーズは更に増えると思ったので、何か自分にできないかと介護に興味を持ち、せっかく介護の勉強をするならと、ケアマネジャーの資格を取りました。資格取得をしながら、デイサービスの開業準備も同時並行で進めていましたね。

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新店舗のコンセプトは「高齢者専用スポーツジム」、要支援の方の介護予防を支えたい


ーーデイサービスは現在工事中のものも合わせて全部で3店舗ありますが、それぞれの店舗のコンセプトを教えてください。

若松さん:
デイサービス1店舗目が要支援~要介護1、2くらいの方向けで、リハビリのニーズのある方をターゲットにしています。

2店舗目はもう少し重度の方で、要介護1~4くらいの方たちを対象とした、リハビリと入浴サービスをセットにした5時間タイプで提供しています。

そして今回新しくできる3店舗目はもう少し軽い、事業対象者(生活機能の低下がみられ、要支援状態となるおそれがある高齢者の方)~要支援向けです。周りに同じような事業所はないと思いますね。

3店舗目を開設しようと思ったきっかけは、新型コロナウイルスです。コロナの自粛生活で高齢者の皆さんも外に出られない状況が続き、今まで大丈夫だった方たちも歩けなくなったり、認知機能が低下するケースが増えているんですよ。最近のNHKのニュースでも、認知症の方が悪化したケースが40%を超えたと報道されていましたよね。

これらのことから、これからは要支援や事業対象者になる方たちが確実に増えると予想されました。ただ、予防段階の方にとっては、従来型のデイサービスは年寄りの入るところだという印象が強く受け入れられない方も多いんですよ。でも圧倒的に運動の必要性は増してきているので、そういう方が通いやすい「高齢者専用スポーツジム」という感じのデイサービスを作ろうと思いました。

開業は早くて12月、年内には開始できればと思っています。単価が低いので経営効率的にはあまり良くはなく、やろうとするところは少ないのですが、地域に何かできないかなという社会貢献としての想いがあって、必要なことをやっていこうと思いました。

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「福祉系不動産」という新しい発想で、入居者の方の住み替え支援や人生設計を行う

ーー3店舗目では事業所に不動産を併設されるとのことですね。なぜそのような形になったのでしょうか?

若松さん:
要介護度が進んでいくと、在宅での生活が難しくなり、施設を選択していくようになると思うのですが、その際に「どこの施設がいいんだろう」「施設に入るのにお金がいるな」「持ち家をどうしよう」と、複雑な問題が山積みになって、ものすごい負担になるんですね。そのような負担をなんとかするお手伝いが出来ないか、じゃあ住み替え支援を自分でしよう、と思い、宅建士の資格を取り、不動産を併設しようと決意しました。高齢者が安心して相談できる「福祉系不動産」として地域に貢献できればと考えています。

ーーその不動産ではどのようなことをされるんですか?

若松さん:
住まいのことに関してはなんでも相談に乗れる体制を整えていきたいと思っています。住み替えしたい方に対しては、住み替え支援を、住み続けたい人に対しては、リフォームや外壁塗装、庭の手入れまで請け負うことが出来るようにしていきたいと思っています。

リフォームや外壁塗装は、相場のわからない高齢者がとんでもない金額で契約してしまったりということが実際少なくありません。うちが間に入ることでそういった被害が起こらないように出来ると思います。

また本郷台周辺は50~60坪くらいの分譲地なんですが、地域協定で分割して売ることができなかったり、建て替えるとハードルの高い価格設定になってしまい、住み替えがうまく進んでいかないケースも多いんです。

例えば80代後半で施設に入ろうと思った方の持ち家が何年も売れなかったらとても困りますよね。でも普通の不動産屋さんは高齢者の人生まで考えには入れてくれません。高齢者のことも住まいのことも分かる、人生設計をトータルで相談いただけるような福祉系不動産という形で運営していきたいと思っています。

ーー地域の方たちがふらっと入れるようなオープンな感じなんですか?

若松さん:
はい、そうですね。あとは、利用された方の口コミで広まったら嬉しいし、ケアマネさんのご紹介もいただきながらですね。ケアマネさんも、不動産のことを相談されても困ると思うんですよね。そんなとき、介護のことも分かっている不動産屋として安心してご紹介いただけると思います。

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あれこれ考えず、とにかく動いてみる

ーーケアマネの勉強をしながらデイサービスの開業準備を進めたり、コロナの影響をすぐさま感じ取り年内には新たな取り組みを始めたり、スピード感が素晴らしいなと。もともとこうしようと思ったら早い方ですか?

若松さん:
そうですね、早いですね。考えながら動きます

コロナの影響は、今まで大丈夫だった方が事業対象者になったりするだろうなと3月くらいから考えていて、実際に動こうと思ったのは5月くらいだったと思いますね。

決断したら動くだけ。動くと問題が出てきますが、出てきた問題を解決すればいいだけなので、前もって問題が何なのかはあんまり考えないです。先に考えてしまうと起こってもいない問題を考える時間ができしまう。それは無駄だなと思うので、だからとにかく動くということを大事にしています。

編集後記
地域包括ケアが推進されている中、本郷台という地域の課題とニーズに対し、圧倒的な行動力と速さで新しい介護の形を作り上げていること、そして、その地域で働く方が働きやすい環境も創出していることに衝撃を受けました。

今後ニーズが多様化することが予測されますが、地域性やご利用さまお1人お1人に合った介護がより一層必要になるかと思います。自分が思い入れのある場所で安心して過ごせるような地域ケアが実践されるよう、私自身もより視座を上げて行きたいと感じました。

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地域ケアプラットフォーム推進本部
関東エリア担当 松澤賢治(まつざわけんじ)
車椅子のシーティングが好きな福祉用具専門相談員。
趣味は登山やキャンプなどのアウトドア。

松澤さん 編集後記写真2


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